宝物
- 2025/01/19 16:18
- Category: 友達・人間関係
昨日頑張り過ぎたのが祟って、今日の体調はぼろぼろ。天気のせいもあるかもしれない。雨は降っていないにしても低気圧が上空を覆っているらしく、朝から鼠色の雲が垂れ込めているから。こんな湿度の多い日は身体がぎしぎし言うものだ。若いお嬢さんなら兎も角、私くらいになると湿度が健康に影響するのだ。
昨日寝室のあれこれを新調したのは良いけれど、新しい枕やマットレスに身体が驚いたらしく、眠れなかった。相棒にそれを報告したら、え、本当かい? 僕はよく眠れたけれどなあと言うので、自分の繊細さが嫌になった。旅先のホテルで眠れなかったことなどないのに何故。巷に居る自分の枕でないと眠れないから、自分の枕を持って旅する人ほどの繊細さではないにしても、全く困ったことである。ああ、今日の体調がぼろぼろなのは、案外新しい枕とマットレスのせいなのかもしれないと思いが至り、図太い神経を手に入れるには、などとネットで調べているが、もしかしたら新しい寝具でもよく眠れる図太い神経を手に入れるにはと、検索内容を変えたほうが良いかもしれない。
メールを開けたら、迷惑メールが2通届いているのに気が付いた。あまりないことである。それでファイルを開けてみて、あっと思った。
昨年10月に私は友人にメールを送った。友人は日本で仕事をしていた頃の会社の先輩で、色んなことを共有できる人。姉と同じ年の彼女は私より5歳近く年上。そういえば私が職場で仲良くしていた人達は年上の人が多かった。彼女とアメリカに行った事がある。私がアメリカの海の街に夢中になったら、是非一緒に行きたいと言ったのが彼女だった。それは彼女の叔母さんが昔その辺りに暮らしていたから、関心を持ったに違いなかった。私がアメリカへと飛び出すことを決めた時に喜んでくれたのも彼女。アメリカに行く寸前に隅田川の花火を見に行こうと誘ってくれたのも彼女。アメリカへと発つ日に空港で見送ってくれたのも彼女だった。聡明な人でどれほど仲良くなっても深いところにずかずか入り込むことがない。それが私には丁度良く、だからよい距離感を持って長い間友人関係を続けている。
その彼女と音信が途絶えてしまったことが気になっていた。今時の若い人のようにチャットで連絡をするような関係でない私達だが、メールで時々やり取りしては互いが元気かどうか、愉しくやっているかどうかを確認していたのに。それで10月にメールを送ってみたのだが、返事がなくて心を痛めていた。まさか、病気ではないだろうか。それとも事故などに会って病院に居るとか。あれから3か月経って、見つけた、彼女からの2通のメール。迷惑メールに入っていたから2日間遅れで読んだ彼女からの便りで、彼女が元気であること、パソコンの問題でメールが届いていることにすら気づかなかったことなどが分かってほっとした。私達の世代にはパソコンの不具合があるとお手上げの人が多く居る。私もその部類に入るから、彼女の状況が分からなくもない。昔からアクティブな彼女には何時も脱帽していたけれど、近年好んでしているのは山歩きとのことだ。イタリアのドロミテを歩く夢を数年後に叶えたいらしい。幾度もそう言っては直前に駄目になってしまったこの夢が、今度こそ叶えばいいと思う。その時は私もドロミテ迄会いに行こう。それともミラノに数泊するならば、ミラノに会いに行くのも良い。そんなことを考えていたら愉しくなってきた。何時も会えないけれど長く細く続いている友人関係。私の宝物のひとつ。これからもずっと大切にしていく。
猫は寝室が新装されたことを好ましく思っていないようだ。朝から大変機嫌が悪く、私を避けて通る。どうしてなの、教えて頂戴と声を掛けるが、戻ってくるのは不満めいた荒い鼻息だけ。新しい寝具で眠れないし、可愛い猫には嫌われるし。散々な日曜日である。