秋
- 2022/09/27 22:03
- Category: bologna生活・習慣
今日は思いがけず空が晴れた。夕方の空は青く高く、散らばる白い雲が美しくて空を眺めながら歩いていたら、足が穴に嵌って転びそうになった。危ない危ない。歩くときはやはり前を歩いて歩くのが良い。兎に角秋空と呼ぶにふさわしい今日の空のせいで、私は日本を恋しく思った。
仕事帰りに大型店に買い物に立ち寄った。不気味なくらい空いていたが、すぐに分かった。値上げ。どれもこれも値段が上がっていた。いよいよ物価が沸騰して、嫌な世の中になりそうである。必要なものだけを籠に入れて会計を済まそうと思ったところ、背後にがたいの良い髭面の男性が大型へちまのような南瓜を抱えて私の後ろに並んだ。それがなかなか良い色合いで形も興味深かった。それをじっと眺めていたら彼と目が合ったので訊いてみた。それは観賞用なのか、食用なのか。すると彼は、えー?と目を丸くして、勿論食用だと答えた。そしてシニョーラはこれを家に飾ったりするのかと訊くので、そうよ、なかなか感じの良い南瓜だから飾るのもいいと思うと答えたら、彼は大変感心したらしく、もうひとつ欲しくなったと言って再び野菜売り場に吞み込まれていった。少し飾って悪くなる前に料理に使う。昔アメリカに居た頃、相棒と私はそんな風にしていた。見極めが大切。腐らしてはいけない、鑑賞もするが必ず食する、これが私達のルールだった。ボローニャでもそれをやっていたが、数年前うっかり腐らせてしまい、それが残念で飾らなくなった。勿体ないことをしてしまった。南瓜も無念だったに違いない。先日色鮮やかな小さな南瓜たちを見つけた。完全に観賞用の南瓜たち。家の中がパッと明るくなりそうな、ユニークな形の色鮮やかな南瓜たち。数個購入して家の中に置いてみようか。花の代わりに南瓜とは、少々色気がないけれど。
明日の夕方は旧市街でポルチーニ茸を探そうと思っている。見つかったら飛び切り良い赤ワインの栓を抜いて秋の味覚に乾杯。これから冬までこんな乾杯を沢山したいと思っている。