旅をしたい心
- 2022/05/31 22:33
- Category: bologna生活・習慣
今朝は肌寒くて半袖など着る気にもなれなかった。薄手のコットンセーターを素肌に被り、その上ジャケットまで着て家を出た。其れで丁度良いくらい。朝の気温は16度だった。こんな厚着をしている人など居ないだろうと思えば、道行く人の多くがジャケットを着こんでいて、その上大判のスカーフを首に巻き付けているのだから、満更私の気のせいばかりではなかったようだ、今朝の冷え込みは。それにしても5月最後の日。こんな日にまさかクリーニングから帰って来てクローゼットの上の段に仕舞ったあのジャケットを引っ張り出すことになるなんて。
此処一年程、色んなところから聞こえてくる予約したフライトがキャンセルになる話が、まさか自分に降りかかるとは夢にも思っていなかった、と言ったら人は笑うだろうか。コロナは終わっていないけど規則が随分緩和して、今年の夏は3年振りに小旅行を、と迷いに迷った挙句に手配を掛けたのは5月初めのことだった。往復の航空券とホテル。こんなことはごく簡単なことで、以前ならが思いついたその時にあっという間に決断して予約してしまったものだけど、コロナ以来腰が重くなり、若しくは少し慎重になったのかもしれないが、兎に角、予約のクリックひとつするのに沢山の勇気と決心が必要だった。予約してしまえば簡単なことで、なーんだ、こんな簡単なことだった、と照れ笑いしてしまうほどだったけれど。5月早々手配を完了して、後は8月の夏季休暇を待つばかりなんて大船に乗ったような気分になっていたら、昼頃思いがけないメールが届いた。其れは航空会社からのメールで、あなたが予約したフライトはキャンセルになりました、とのことだった。ああ、此れが噂に訊いていたフライトキャンセルなのかと思った。人はこんな時どう思うのだろう。私は酷く落ち込んで、急に気持ちが萎んでしまった。フライトを変更するか、返金手続きをするか、クレジットにして数か月先に予約を改めてするか。選択は幾つかあるようだけど、それでも私はがっかりしてしまった。まだ早過ぎたのかもしれない、旅をするのは、なんて。いいや、私は此れを乗り越える必要があると思う。それでも旅をしたいと突き進む強い心を手に入れるのだ。自分にそう言い聞かせながら、数日考えてみようと思う。
夕方になったら少し暖かくなって、空も明るくなった。旧市街は人も少なく、私好みだった。散歩に丁度いい感じ。私達の6月はどんな事が待っているのだろう。明るくて軽快で心配事の少ない素敵な6月になればいいと思う。私にも、私を取り囲む人達にも、そしてまだあったことも無い沢山の人達にも。にこやかにいこう。