長崎原爆後の「黒い雨」、がん死亡率に影響せず
現在、日本の原発は54基、全て休止しています。法律で定められた定期点検終了後も、原子力規制委員会の新たな規制により、再稼働が出来ていません。従来は、点検終了後は法律の定める手続きに従い、再稼働の繰り返しを数十年行ってきました。千年に一度の想定外の自然災害が、明日にも起こるかもしれないからとして、全ての対策が取られるまで全てを止めているのです。
その規制委員会の仕事ぶりは遅々とし、各原発の再稼働予定の先送り修正が繰り返されています。経済活動の世界では、コストを考えない活動はあり得ません。しかし規制委員会にはコストの考えはありません。そのため、化石燃料の輸入額が年間4兆円にも及び、電気代が上がり、国力をじわじわ毀損しています。
規制委員会の問題は、各方面から指摘されていました。雑誌「Will」7月号で、東京工業大学澤田哲生助教は、委員長代理の島崎邦彦氏は、「原発ゼロ」と「核燃サイクル潰し」というイデオロギーの持ち主であることを指摘し、どのように暴走してきたかを克明に報じました。
その島崎邦宏氏は三条委員会に守られて来ましたが、任期切れを理由にやっと更迭されることになりました。規制委が少しはましになることを期待します。
一方、今だ福島では、13万人が避難生活を余儀なくされています。放射能が規定値以上で帰れないのです。また除染も進まず、農業が出来ないからです。
規制委の「千年に一度」に対応するバカバカしさも、全原発停止のバカバカしさも、国民の反原発の気分に載ってきました。何故そのような気分になったのかの根源に、政府が定めた放射線量安全基準の問題があります。その基準をオーバーしていることによる国民の恐怖があります。福島では幸い死者は出なかった、しかし生活が破壊された、今回は死者は出なかったが次は大量の死者が出るかもしれない、そのような恐怖です。そこに左翼の反原発イデオロギーがうまく火をつけたのです。
しかしその基準が科学的に正しくないとしたらどうなのか。基準が現状よりも緩い方向に考えられるとしたらどうなのか。政府は、国際原子力機関(IAEA)の勧告に従っているのですが、勧告は閾値の問題や放射線ホルミシスなどの最近の知見が入っていないとの専門家の指摘があります。
次のような状況証拠は、放射線量安全基準の見直しを求めているのではないでしょうか。
・広島・長崎では、土壌の除染は一切していないが、そのための問題は出ていないではないか。
・宇宙飛行士は、宇宙空間で大量の放射能を浴びて地上に帰還するが、帰還後障害を起こしている話は一切ないが・・・。
・CTスキャンを何回も受けると、今回の安全基準を超える放射能を浴びるが・・・。
・昔からラジウム温泉浴があり、そこでは放射能は今回の安全基準より高いが・・・
6月2日付読売新聞は、「長崎原爆後の『黒い雨』、がん死亡率に影響せず」と次のように報じました。これも安全基準の見直しを求める新たな状況証拠と考えるべきです。
現在の安全基準は民主党政権が定めました。多分厚生労働大臣。化石燃料の輸入4兆円の国富の喪失、13万人の避難生活などを考えれば、見直しは待ったなしのはずです。厚生労働大臣田村憲久さん!頑張って下さい。
なお「黒い雨」とは、広島・長崎で原爆投下後降った放射能を帯びた塵を含んだ雨のことです。人気作家井伏鱒二は、小説「黒い雨」を著し、映画にもなりました。小説と映画で「黒い雨」は、日本人に放射能への恐怖を植え付けました。
(紹介はじめ)
長崎大原爆後障害医療研究所(原研)は1日、原爆投下直後に長崎市の西山地区で降った「黒い雨」が、がんによる死亡率の上昇に大きな影響を与えたとは考えにくいとの研究結果を明らかにした。
長崎市で開かれた原子爆弾後障害研究会で発表された。
これまでの研究で、爆心地から2.5~3キロ離れた西山地区は、原爆の放射線は金比羅山に遮られたものの、放射線物質を含む「黒い雨」が降ったとされる。
原研などは西山地区で被爆した610人を含む被爆者約6,050人を対象に、甲状腺がんを含む全てのがんによる死亡率を算出。その結果、周囲に山があり、「黒い雨」が降らなかった地区と、西山地区の間で、がんによる死亡率に有意差はなかったという。
原研の横田賢一・技術専門員は「黒い雨により、がんの死亡率が飛躍的に上がるとは考えにくいとの結果が出た。住民の不安軽減につながってほしい」と話した。
(紹介終わり)
http://www.yomiuri.co.jp/science/20140601-OYT1T50126.html
またすでに、平成24年12月、放射線影響研究所は「黒い雨、がんリスク増えず、放射線影響研1万3千人調査」として同様の報告をしています(北陸中日新聞)。
(紹介はじめ)
被爆者の健康を日米共同で調査している放射線影響研究所(広島市、長崎市)は、原爆投下後に放射性降下物を含む「黒い雨」に遭ったとされる約1万3千人のデータを解析した結果、黒い雨に遭ったことでがんになるリスクの増加はみられなかったと発表した。
黒い雨の影響をめぐる住民の調査は、長崎・西山地区で50人を調べた以外ではほとんど例がなく、広島と長崎の両方を含む大規模データの解析は初めてとみられる。ただ、データの比較方法など、解析の手法に専門家から批判の声も出ている。
放影研の大久保利晃理事長は「健康への影響はデータからは説明できなかった。個人の症状を否定するものではなく、集団の平均値として表現している」と説明した。
放影研によると、データは1950年から続く被爆者の寿命調査研究の事前準備として、約12万人に性別や被爆距離などを聞いた複数の質問に対する回答の一部。
放影研は、黒い雨に遭ったと答えた人が62〜2003年の間に固形がんや白血病で死亡したり、かかったりした比率を遭っていないと答えた人と比べて解析したが、リスクの上昇はなかった。
長崎では、この間、遭ったと答えた人のうち固形がんで100人が死亡。遭わない人に比べリスクは約30%高くなっていたが、放影研は母集団の数の少なさが影響したとみている。
(紹介終わり)
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20121210141151336
以上
(うまし太郎)
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その規制委員会の仕事ぶりは遅々とし、各原発の再稼働予定の先送り修正が繰り返されています。経済活動の世界では、コストを考えない活動はあり得ません。しかし規制委員会にはコストの考えはありません。そのため、化石燃料の輸入額が年間4兆円にも及び、電気代が上がり、国力をじわじわ毀損しています。
規制委員会の問題は、各方面から指摘されていました。雑誌「Will」7月号で、東京工業大学澤田哲生助教は、委員長代理の島崎邦彦氏は、「原発ゼロ」と「核燃サイクル潰し」というイデオロギーの持ち主であることを指摘し、どのように暴走してきたかを克明に報じました。
その島崎邦宏氏は三条委員会に守られて来ましたが、任期切れを理由にやっと更迭されることになりました。規制委が少しはましになることを期待します。
一方、今だ福島では、13万人が避難生活を余儀なくされています。放射能が規定値以上で帰れないのです。また除染も進まず、農業が出来ないからです。
規制委の「千年に一度」に対応するバカバカしさも、全原発停止のバカバカしさも、国民の反原発の気分に載ってきました。何故そのような気分になったのかの根源に、政府が定めた放射線量安全基準の問題があります。その基準をオーバーしていることによる国民の恐怖があります。福島では幸い死者は出なかった、しかし生活が破壊された、今回は死者は出なかったが次は大量の死者が出るかもしれない、そのような恐怖です。そこに左翼の反原発イデオロギーがうまく火をつけたのです。
しかしその基準が科学的に正しくないとしたらどうなのか。基準が現状よりも緩い方向に考えられるとしたらどうなのか。政府は、国際原子力機関(IAEA)の勧告に従っているのですが、勧告は閾値の問題や放射線ホルミシスなどの最近の知見が入っていないとの専門家の指摘があります。
次のような状況証拠は、放射線量安全基準の見直しを求めているのではないでしょうか。
・広島・長崎では、土壌の除染は一切していないが、そのための問題は出ていないではないか。
・宇宙飛行士は、宇宙空間で大量の放射能を浴びて地上に帰還するが、帰還後障害を起こしている話は一切ないが・・・。
・CTスキャンを何回も受けると、今回の安全基準を超える放射能を浴びるが・・・。
・昔からラジウム温泉浴があり、そこでは放射能は今回の安全基準より高いが・・・
6月2日付読売新聞は、「長崎原爆後の『黒い雨』、がん死亡率に影響せず」と次のように報じました。これも安全基準の見直しを求める新たな状況証拠と考えるべきです。
現在の安全基準は民主党政権が定めました。多分厚生労働大臣。化石燃料の輸入4兆円の国富の喪失、13万人の避難生活などを考えれば、見直しは待ったなしのはずです。厚生労働大臣田村憲久さん!頑張って下さい。
なお「黒い雨」とは、広島・長崎で原爆投下後降った放射能を帯びた塵を含んだ雨のことです。人気作家井伏鱒二は、小説「黒い雨」を著し、映画にもなりました。小説と映画で「黒い雨」は、日本人に放射能への恐怖を植え付けました。
(紹介はじめ)
長崎大原爆後障害医療研究所(原研)は1日、原爆投下直後に長崎市の西山地区で降った「黒い雨」が、がんによる死亡率の上昇に大きな影響を与えたとは考えにくいとの研究結果を明らかにした。
長崎市で開かれた原子爆弾後障害研究会で発表された。
これまでの研究で、爆心地から2.5~3キロ離れた西山地区は、原爆の放射線は金比羅山に遮られたものの、放射線物質を含む「黒い雨」が降ったとされる。
原研などは西山地区で被爆した610人を含む被爆者約6,050人を対象に、甲状腺がんを含む全てのがんによる死亡率を算出。その結果、周囲に山があり、「黒い雨」が降らなかった地区と、西山地区の間で、がんによる死亡率に有意差はなかったという。
原研の横田賢一・技術専門員は「黒い雨により、がんの死亡率が飛躍的に上がるとは考えにくいとの結果が出た。住民の不安軽減につながってほしい」と話した。
(紹介終わり)
http://www.yomiuri.co.jp/science/20140601-OYT1T50126.html
またすでに、平成24年12月、放射線影響研究所は「黒い雨、がんリスク増えず、放射線影響研1万3千人調査」として同様の報告をしています(北陸中日新聞)。
(紹介はじめ)
被爆者の健康を日米共同で調査している放射線影響研究所(広島市、長崎市)は、原爆投下後に放射性降下物を含む「黒い雨」に遭ったとされる約1万3千人のデータを解析した結果、黒い雨に遭ったことでがんになるリスクの増加はみられなかったと発表した。
黒い雨の影響をめぐる住民の調査は、長崎・西山地区で50人を調べた以外ではほとんど例がなく、広島と長崎の両方を含む大規模データの解析は初めてとみられる。ただ、データの比較方法など、解析の手法に専門家から批判の声も出ている。
放影研の大久保利晃理事長は「健康への影響はデータからは説明できなかった。個人の症状を否定するものではなく、集団の平均値として表現している」と説明した。
放影研によると、データは1950年から続く被爆者の寿命調査研究の事前準備として、約12万人に性別や被爆距離などを聞いた複数の質問に対する回答の一部。
放影研は、黒い雨に遭ったと答えた人が62〜2003年の間に固形がんや白血病で死亡したり、かかったりした比率を遭っていないと答えた人と比べて解析したが、リスクの上昇はなかった。
長崎では、この間、遭ったと答えた人のうち固形がんで100人が死亡。遭わない人に比べリスクは約30%高くなっていたが、放影研は母集団の数の少なさが影響したとみている。
(紹介終わり)
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20121210141151336
以上
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