摩尼寺境内建造物の調査(Ⅵ)


バン ボロン -庫裡の棟札取り外し
ワールドカップが終わって気が抜けてしまいました。サッカーに関する先生のブログがしばらく見られなくなるので寂しく思います・・・なんてことを言っている場合ではなくて、だらだら調査を進めている間に、摩尼寺本堂・山門・鐘楼が国の登録文化財になることが決まってしまいました。今年もがんばらないといけません。
じつはここ3回の調査を報じておりませんで、以下にまとめてレポートします。
7月4日(金): 庫裡の平面と断面の実測をおこないました。断面実測のため天井裏に上ると、縦375mm×横90mm×厚5mmの祈祷札を発見しました。
7月11日(金): 祈祷札と棟礼をいったん外して平面の文字を撮影しようと屋根裏に登ったのですが、祈祷札は薄すぎて壊れそうなので断念しました。棟礼は上方を2本の釘で打ち付けられていましたが、慎重にゆっくりとバールで釘を外し、札を傷めることなく取り外すことができました。


棟礼の裏面に何か重要な情報があることを期待していましたが、梵字が1字確認できただけでした。当初は大学に持って帰ろうと思っていましたが、半紙で包んで机の上に置いて帰ることにしました。表裏の梵字については、会長さんが調べてくださいました。
【棟札梵字】
表: バン 大日如来(金剛界)
http://www.7key.jp/data/thought/hotoke/dainichinyorai.html
裏: ボロン 一字金輪仏頂
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E5%AD%97%E9%87%91%E8%BC%AA%E4%BB%8F%E9%A0%82
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%8F%E9%A0%82%E5%B0%8A
4年女子2名は庫裡の実測を終えました。ただし、長押の分布をまだ押さえていません。面皮の長押と通常の長押が複雑に入り乱れており、分布範囲を正確に把握する必要があります。それは、書院造の座敷と数寄屋造の座敷の配置関係の理解につながるものです。最後に女子は庫裡と本堂をつなぐ渡廊下を略測しました。時間がなかったので、大急ぎの調査になり、久しぶりにポラロイドが活躍したようです。

