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スマホ・カンニング

 7月3日(木)、「地域生活文化論」講義の授業内レポート(BRD)でスマホを使ったカンニングが発覚した。この日の講義はミクロネシア母系社会の居住様式に関わるものであった。提出されたレポートが講義内容に比べて専門的であり、講義で使っていない専門用語が散見され、文章も整いすぎているので不審に思い、当該学生に質問したところ、カンニングをあっさり認めた。
 この結果を当局の担当者に知らせたが、「現状では教員が各自で対応するほかない」の一点張りで、問題をさほど深刻にとらえていない。聞けば、定期試験では厳罰の対象となるが、平常の講義時間は教員の責任で対応するしかないという。ところが、わたしは定期試験を実施しない。毎回のレポートの積み重ねで学生を評価する。
 サーバーを管理する情報系の技師に問い合わせたところ、講義室でスマホを通信不能にするのは難しいとのこと。結局、みなスマホ・カンニングに対しては諦めムードであることを思い知った。京大入試事件はなんの教訓にもなっていない。
 いまは新大学向けの授業の準備に時間をとられ、8月になってからまとめて(本気で)採点しようと思っている。レポートは講義直後にパラパラと流し読みする程度であり、そのため、この日まで発見が遅れたのかもしれない。しかし、読めば分かる。ネット情報を参照して書いたレポートと授業内容に即して書いたレポートはあきらかに違う。
 単位の認定は当該教員の専決事項である。全講義を終えたあとの採点時にスマホ・カンニングが発覚した場合、それがただの1回だとしても、学生は単位を失うことになるだろう。

 スマホの弊害は政府が乗り出すべき大きな社会問題になりつつある。先日、近鉄電車のシルバーシートに健常者が数名座り込み、全員スマホに没頭していた。その前に杖をついた老人がやってきたのだが、だれも気づかない(ふりをしている?)。しばらくしてようやく一人の女性が顔を上げ老人に席を譲ったが、他の数名はそれでもスマホから目を離さなかった。真に没頭している者と知らんぷりを決め込む者の両者がいたのかもしれないが、当方の観察する限りでは前者が多かったように思う。
 こんな国ではなかったのに。

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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