はてなキーワード: オバマとは
実際は、民主党の異常な全体主義的な性質と、イメージだけで弱者の味方みたいなツラしながら、実際は真逆のことしてたことで、一切の信仰が失われただけでしょ。
「トランプの政策だとインフレ再燃する確率が高い」とか何の根拠もなくほざいてるけど、共和党は小さな政府寄りなので、むしろデフレ政策の方が多い。
現在のインフレの殆どは、民主党の、「移民やフェミニズムのため」を大義名分に、貧困者を無視して、あらゆる人権団体を騙ってるだけの利権団体に金をばらまきまくったせい。
んでそれに対して、ただの「貧乏人の不満がー!」という方向に誘導して、結局、「トランプさん、あなたの支持者の貧乏人どもには何も福祉なんて与えなくて良いんですよ! こいつらそんなことであなたを支持してるわけじゃありませんからね!」と吹き込みたい。
そりゃ民主党にやらせてる間、アメリカの格差はアホみたいに拡大してたわけだ。
ブッシュなんて、典型的な民主党エスタブリッシュメント層のほうが近いからね、結局ヒラリー・クリントンと同類。
だから、こいつらに何やらせても、アメリカではこいつら以外の全ての人間が奴隷化されるわけだ。
党内でも酷いペテンが横行してる。
ブッシュは、自分の系列会社の電子投票機使って不正選挙してたけど、ヒラリーは、その対抗策と称して、また自分に近い系列会社に作らせた手書き票読み取り機を導入して、オバマとの党代表選挙で不正を働いた。
日本だとどうもカマラ・ハリス寄りの偏った報道があったようだが在米のanti-wokeな日本人からするとトランプは勝つべくして勝ったというのが正直なところである。
まず、大前提としてアメリカの景気はよくない。金利は下がったがまだ高く家を買えない。インフレが続き卵も1パック1000円以上する。大企業はレイオフをしまくっており新しい職も見つかりにくい。大都市は治安が非常に悪く道端は薬物中毒で暴力的なホームレスで溢れかえっている。トランプであろうがなかろうが、こういう状況下では現政権を下ろす向きに力が働くのは当然である。
次にまともな国民はマスメディアを信用していない。日本のメディア以上にバイアスがある。日本のメディアも横並びでクソであるが、アメリカのメディアは輪をかけてクソでウンコである。CNNやMSNBCなどはド左翼の嘘つきメディアであり、FOX Newsなどは逆にド右翼のクソメディアである。まともなメディアが存在しないのである。しかしIQの低い人も多いのでどちらかのメディアばかりを消費しプロパガンダに洗脳されていく。在米出羽守の多くが未だにCNNを崇拝しているのはこのIQの低い人達としかつるむ機会がないからである。
そして民主党にはまとまりがない。明らかに痴呆が入りおかしな言動ばかりするバイデンの立候補を止めることができなかった。にも関わらず嘘ばかりをつきバイデンはしっかりしていると左翼の人達は信じ切った。カルトである。さすがにディベートでボロが出た途端に金持ち達が激ギレし、バイデン下ろしが始まった。しかし献金の名義を変えられないなどの問題からハリス以外の候補を立てることができなかった。ハリスはもとから人気の無いアホであり例えばオバマもハリス立候補に当初は難色を示していた。これらのゴタゴタがあった後に誰も支持しないハリスが突然に候補にすげ替えられた。もう一度いうがハリスは人気が無い。誰も選んでいない。民主党の金の問題で仕方なく選ばれた候補である。
そして急にメディアの白々しいハリス推しが始まる。今まで全く人気のなかった人が急に聖人扱いされることに不信感を覚えた人は多かった。そしてハリスはトランプ叩きに終始しまともな政策を出さなかった。
ハリスは嘘をついた。マクドナルドで働いたことがあるなど嘘を言った。トランプはこれを受けマクドナルドで働くというPRを行った。トランプが吐く嘘はよく報道されるがハリスの吐く嘘はあまり報道されない。これはメディアが腐敗しているからである。
バイデンがトランプ支持者をゴミ呼ばわりした後にはトランプはゴミ収集車を運転した。
トランプはジョー・ローガンのポッドキャストに出た。JDヴァンスも出た。イーロン・マスクがトランプを全面支持した。リベラルなジョー・ローガンすらトランプを支持した。カマラ・ハリスはジョー・ローガンのポッドキャストに出演することはなかった。誰もマスメディアを信用していない。マスメディアはジョー・ローガンを悪人のように叩くがジョー・ローガンは良くも悪くも常識人である。普通の日本人からするとジョー・ローガンはワクチンの陰謀論など一部を除くとまともなことしか言っていないと思うことだろう。
多くの人は生活が苦しい。そんな中、男が女のスポーツに出るべきだなどという、バカみたいなwokeを押し付けてくる自称リベラルに人々は完全にうんざりしている。
あの人って黒人系の血が入っていて、本人も選挙期間中はそのことや女性であることを全面に出していたんだよね。
典型的な白人女性の髪形を真似していて、あれで「黒人(女性)代表だ」と言われてもハイそうですかとはならない。
ハッキリ言わせてもらうと、本人は名誉白人のつもりだったのではないか?
そもそも民主党サポーターと共和党サポーターと普段からグループ違うんよ
もちろん仕事じゃそんなこと言ってらんないから仕事で政治の話はNGだけど
生き方がすでに違う
ってずっとやってんだよ
になるとこ
いよいよ明後日が大統領選挙本番ですよ! むっちゃドキドキしてきた……有権者の皆さん、今日くらいは選挙に備えますよね?
そういうことで、4年前(anond:20201105075811)に引き続いて、次の大統領はどうなるかを書いてみる。
これまでの史上最高齢での就任記録は、現職ジョー・バイデン大統領の78歳2ヶ月だが、ドナルド・トランプが就任したら、78歳7ヶ月での就任となり、史上最高齢。この場合、「史上最高齢で1期目を開始した大統領」と「史上最高齢で就任した大統領」は別人になる(前者がバイデンで後者がトランプ。バイデンの就任前は、前者がトランプで後者がロナルド・レーガンだった)。
アメリカ大統領の任期は最大で2期8年だが、2期務める場合はたいてい連続した2期を務める。しかし、トランプは2017~2021年、2025~2029年という非連続の2期を務めることになる。これは、19世紀のグローヴァー・クリーヴランド(1885~1889年、1893~1897年)以来、132年ぶり2人目。
歴史上、弾劾訴追され弾劾裁判にかけられた大統領は3人いる。このうち、アンドリュー・ジョンソンは再選を断念し、ビル・クリントンは2期目の途中だったのでその後の大統領選挙に出る資格を持っていなかった。トランプは、弾劾裁判にかけられたにもかかわらず再選された初めての大統領ということになる。
大統領と副大統領はペアで選ばれる。したがって大統領1人につき、彼に仕えた副大統領も1人というのがふつうだが、トランプは今回の選挙にあたって副大統領をマイク・ペンスからJ・D・ヴァンスに入れ替えた。1人の大統領に2人以上の副大統領が仕えることになったのは、リチャード・ニクソン大統領時代の1973年にスピロ・アグニュー副大統領が汚職疑惑で辞任して、ジェラルド・フォード下院議員が副大統領に任命されて以来、およそ半世紀ぶりである。選挙のタイミングで副大統領を交代させた結果としてそうなったのは、1944年にフランクリン・ルーズヴェルトがヘンリー・ウォレス副大統領を降板させてハリー・トルーマン上院議員を副大統領候補にすげ替えて以来、80年ぶり(なお、1976年の大統領選挙ではフォード大統領がネルソン・ロックフェラー副大統領を勇退させてボブ・ドール上院議員を副大統領にすげ替えたが、負けたのでここではカウントしない)。
カマラ・ハリスは、ヒラリー・クリントンが成し遂げられなかった悲願を達成することになる。
個人的には南アジア系と東アジア系を「アジア系」でごっちゃにするのはどうかと思うが、それはそれとして、彼女はインド系なので、初のアジア系大統領となる。
ハリスは黒人でもあるので、バラク・オバマ以来2人目の黒人大統領となる(アメリカの闇は、オバマとハリスがいずれも「奴隷の子孫」ではない点だろう。オバマはケニヤ移民の子供、ハリスはジャマイカ移民の子供であって、アメリカ南部で綿を摘まされていた人たちの子孫はまだ副大統領にもなれていない。どんだけ彼らへの差別が激しかったのかという話である)。
ハリスの下の名前「カマラ」はサンスクリット語に由来する。ヨーロッパに由来しない名前を持つ大統領は、オバマ以来2人目(上で書いたように、彼ら2人が移民の子供だという事情もあるだろう。奴隷の子孫である黒人はたいてい英語の名前を持っているので)。
民主党は、ジョン・F・ケネディの跡を襲ったリンドン・ジョンソン以来、2人連続でホワイトハウスを手にしたことはない。ハリスが勝利した場合、ケネディ暗殺以来半世紀ぶりに、民主党から2人連続で大統領が出ることになる。
副大統領は要職だが、選挙に強いかというとそういうわけではない。大統領の死亡や辞任によって昇格した副大統領はこれまでに9人いるが、大統領選挙に勝ってその座を手にした副大統領経験者は6人しかいない。しかも、そのうち2人(ニクソン、バイデン)は副大統領退任後に間を置いて大統領になっているので、現職副大統領として大統領選挙に勝ったのは、これまでに4人だけである(ジョン・アダムズ、トマス・ジェファソン、マーティン・ヴァン・ビューレン、ジョージ・H・W・ブッシュ)。ハリスが大統領選挙に勝利したら、歴史上5人目となる。
ハリス父はジャマイカ移民なので奴隷の子孫じゃないって言う人、南米やカリブ海諸国に多くの黒人が住んでいる理由について考えたことないのかな?この増田なんか歴史に関して論じてるのにあまりに片手落ちじゃない?
不正確な記述でスマソ。もちろんジャマイカ系ということはカリブ海に連れてこられた奴隷の子孫。そこは間違いない。ただ、
という2点があるので、やっぱり本来のアメリカの奴隷の子孫とその他の黒人とを区別することは必要だよなと。不正確なものいいになっちゃったのは申し訳ないけれども。
経済政策、政治とカネ、非公認、社会保障、外交、国防、選択的夫婦別姓、表現規制、反ワクチン。政治家や支持者の発言で、SNSではあらゆる論点が俎上にのぼっている。
20年近く選挙に投票してきたから。自分にだって政治思想があるから。普段だったら選択できたはずなのだ。
でも、今回ばかりはどうすればいいのか分からない。
なぜなら、多くの政治家、それに支持者、政治にちゃんと関心がある人でも、ごく一部の人を除いてほとんどが正面から向き合っていない、それとも気づけていないリスクがあるせいで。
『どうも再来週11月5日の米国大統領選で、トランプが割と勝ちそうな情勢になっている』ことだ。
衆院選をめぐる様々な論点の中で、「ハリスが勝ってもトランプが勝ってもちゃんと付き合える首相・党を選びましょうね」と無難に言っている人もたまに見かけるが、そのくらいのテンションで語れるのは、たぶん、ドナルド・トランプという危険人物が大統領選で勝利する可能性をかなり低く見積もっていて、本心はハリスだろうと思っているのではないか。
たぶん、少なくない人が、うっすらと「ハリスが勝つ情勢になったんでしょ?」と思っているだろう。それは、そうなるはずだったのだ。今は違うということをまだ知らない。
7月13日に選挙集会中のトランプが一度暗殺されかけた後、バイデンの高齢による不安と低支持率が問題視され、7月21日にバイデンが大統領選を断念した。そして8月6日にハリスが正式に大統領候補として指名を受けた。もともとは国民の人気が低く、大統領選に立った場合の支持率が不安視されていたハリスも、実際に大統領候補になると想像をはるかに超えて善戦、若さもあってトランプに対して完全に優位に立ち、トランプ再選リスクは大幅に低くなった。
「普通に政治への関心がある人」程度なら、米大統領選についての認識は、この辺りで終わっていると思う。まあハリスが勝つ流れになったんでしょ、と認識しているだろう。トランプがマックの店員やったりヒトラー関連の失言したくらいは流れてきただろうが。
そういう認識は、9月中くらいまでは正しかった。9月11日にあったハリスとトランプの第一回目の討論の後も、ハリスの優位はほとんど揺るがずに、トランプは二回目の討論を拒否した。9月15日にトランプが二度目の暗殺未遂にあったが、アメリカでさえ前回ほどの話題にならなかった。この辺りまでは、確実にハリスが優位だった。
その後、保守派が「カマラ・ハリスの業績」という題名の白紙の本を売り出してハリスを揶揄したり、イーロン・マスクがトランプ応援キャンペーンを打って選挙違反と批判されたり、大統領候補がずっと出席してきたカトリックの晩餐イベントをハリスが欠席してトランプに揶揄されたり、この時ハリスを批判した枢機卿がリベラル側から叩かれたり、ハリスが庶民層の支持者を得るためマクドナルドで働いていた過去を語ったり、保守側が嘘だ証拠を見せろと叩いた挙句それに乗ってトランプが一日マクドナルド店員を務めたり、トランプがヒトラーの部下みたいな部下が欲しかったと語って案の定叩かれたり、泥仕合みたいなしょうもない選挙戦が繰り広げられるうち、何一つ劇的な事件も決定打も無いまま、なぜか10月の間ハリスの支持率がジリジリ、着実に下がっていった。もちろん、ハリス支持率の方が上がった州もあるが、全体の傾向としてはトランプの方に天秤が傾き始め、支持率だけでなく、各州の予想される選挙結果を総合してもトランプ当選の確率が徐々に上昇していき、とうとうCNNやWSJなども互角かトランプの勝利可能性が僅かに高いという結果を出し始めた。
ウクライナ情勢を軽視するトランプに度々接触を図っていたゼレンスキーは今週、「make russia small again」というシャツを着て演説した。どう見ても欧米リベラルには評判が悪いであろうことが容易に予想のつくこの行動を選んだ背景には、トランプの当選可能性の上昇を踏まえてトランプの歓心を買うための苦渋の決断があっただろう。
こういう状況が、国内政治に関心のある人さえリーチしきっていない事情も分かる。日本から米大統領選の情報を得ようとすると、Qアノン兼日本保守党支持者みたいな連中が、郵便投票不正だのバイデンジャンプだの陰謀論デマばっかり流すし、バラモン左翼はバラモン左翼で、如何にトランプとその支持者が非民主主義的な言動を繰り返していて愚劣であるかという情報しか流さない。あと、賭けサイトの勝利率を見てこっちが優勢!と触れ回るような短絡的な人々の狂騒。そういうノイズが大きすぎるので、正気な人間ほど情報を仕入れようとしないせいだ。
それでもごくごく一部の、CNN的な世界観とFOX的な世界観の双方の選挙報道や世論調査を淡々と分析し続けている人たちは、どうも10月に入ってからトレンドがトランプに傾き始め、どちらの世界観から見ても、2020年のバイデン勝利時よりは明らかに2016年のトランプ勝利時に、問題となる州こそ違うけれど構図が似てきていることに気づき始めていた。ちなみに一部世論調査で最初にトランプ有利に傾き始めた頃、米国民主党支持者とそれに追従する一部の日本人は、「世論調査は共和党に組織的なハックをされ始めたのでもう信用できない」と主張していて、Qアノンみたいになるありさまだった。
何が最悪かといえば。
さっき書いた通りハリスが指名されたのは8月6日で、直後にハリス有利の世論調査が出て、岸田文雄が次期総裁選不出馬を表明したのは8月14日だってこと。
分かるだろうか。
きっと岸田はハリスが大統領選に勝つという前提のもと、総理大臣の座を降りている。
バイデン政権の後半は、バイデンが大統領選で再度トランプに勝てるか怪しいとずっと疑問視されていたので、トランプ政権再誕というリスクが一番低くなった瞬間に、岸田は不出馬を選択したということになる。さらに。自民党総裁選は、9月12日告示、27日投開票だった。ハリス優勢は揺らいでいなかった。自民党総裁選に投票できた党員・議員の中で、トランプ絶対支持の一部のやばい人間を除いて、次の米国大統領がトランプになることを前提に投票できた人間はほぼいなかっただろう。
今の首相は、ここ二年間くらいで一番、トランプ大統領があり得なさそうなタイミングで選ばれてしまった。
その結果、靖国参拝で日韓関係を破壊し、極東の自由主義圏の連帯を揺るがしかねない高市早苗と(トランプが米大統領になった場合、日本が自由主義国家として信頼の置ける首脳が、尹錫悦のほか極東にいるだろうか?)、中国観が習近平国家主席就任以前で腐り落ちていて、日米地位協定改定とアジア版NATOの設立など鳩山由紀夫の生霊のような大東亜共栄圏レベルに終わった極東観を持つ石破という、外交の二大リスク………大統領がトランプなら絶対に選んではいけない二人を残してしまった。そして、自民党は第二次鳩山政権を選んだ。驚くべきことにこの鳩山二号、アジア版NATO設立を喧伝してアメリカ外交筋だけでなくインド外相からも批判され、一旦ひっこめたかと思いきや主張を再開、その結果つい二日前に中印首脳が会談し劇的に両国関係を改善させており、麻生安倍菅岸田が15年積み上げてきた対中包囲網を一か月足らずで破壊するという最悪の結果を生み出している。
一方で立憲民主党はといえば、代表を野田佳彦に変えた結果、民主党政権とは違う現実的な外交政策に転換したというイメージを持たれている。だがそれは単なるイメージ戦略に過ぎない。というのも2006年に国と県知事が合意していた普天間から辺野古への移設について、2009年に鳩山が目玉政策のひとつとして最低でも県外移設を宣言して政権交代、移転先の候補が無いままオバマにトラストミーして信頼を失い迷走した挙句、2010年に鳩山自身が辺野古撤回を断念して米国と合意するというプロセスで日米関係を滅茶苦茶にした、その民主党の後継政党たる立憲民主党が、改めて「辺野古移設撤回」するという日米関係を今度こそ木端微塵に砕く内容を、公約の目玉に入れている。公約には更に安保法制の違憲部分を廃止する宣言とセットで、石破と同じく日米地位協定の改定も入れているという、どう見ても民主党鳩山政権の外交政策復活を声高にうたっているのだ。
そう、今、何の因果か日本は自公政権、立憲民主党中心政権、どちらを選ぼうと第二次鳩山内閣外交になる政治状況なのだ。そのうえで今回は、五割超の確率で、相手は正気のオバマではなく、共和党の抑えさえきかず個人的な世界観に生きるドナルド・トランプだ。
投票は人を殺す。
小泉純一郎政権支持に投じられた票は、非正規雇用を爆増させ、間接的に多くの人を殺しただろう。民主党政権誕生支持に投じられた票は、円高不況と就職率の低下で、間接的に多くの人を殺しただろう。
でもそれは、反対側に投票していれば、加担することを回避できていた殺人だ。
ドナルド・トランプが大統領になった場合、それは万が一ではなく、もはや、半が一以上の確率で起こりうるのだけど、私が入れる一票は、どちらに入れても恐らく人を殺す。
一部ネトウヨの中では対中強硬派ということになっているが、「中国が台湾を占領したら200%の関税をかける」という、一見脅しのようで「中国が台湾を占領しても交戦はしない」かのような宣言を一週間前にしたばかりで、台湾有事リスクを既に高めているトランプだ。
もともとプーチンを尊敬していると発言していて、自分が大統領になったら速やかにロシアとウクライナの戦争が終わると主張し、つい今月、プーチンとの関係を問われて大統領辞任後に私的な連絡を取っていた可能性を否定しなかったトランプだ。
もともとイスラエルに擁護的であり、今週、ネタニヤフに会談で「あなたがやるべきことをやればいい」と伝えたばかりのトランプだ。
そういう人間が米国大統領になった場合、米国の軍事力に頼らなければ生きていけない日本国の首相が、米国やインドも丸め込みながら自由主義サイドで中国を牽制して台湾有事を起こらないようにし、ロシアの侵略と虐殺に抗うウクライナを欧米や韓国とともに支援し、アメリカに庇護される状況にありながらイスラエルのガザ虐殺を最大限非難するという、戦後80年平和主義を貫いてきた国家の代表としてあるべき舵取りができるだろうか? 一手間違うだけで、不正義と虐殺、自由主義社会の崩壊に加担することになる、そんな綱渡りをやり遂げることができるだろうか?
信念の岸田か、トランプになぜか信頼された安倍なら、できるか少なくともやろうとしただろうし、上川とか林とか、総裁選の序盤で散った人にも、もしかしたらできたかもしれない。
でも、目の前に示されたのは、どちらにも「鳩山由紀夫首相」と書かれた二枚の切符だ。
彼らが何もしないとか、トランプの妄言に追従するということさえ最悪でないかもしれない。自分ならロシア・ウクライナ戦争を終わらせられると豪語して親露派議員を連れてプーチンに電撃面会、まんまと丸め込まれて日本国首相としてプーチンの片棒を担がされるくらいまであり得る。きっと鳩山ならそうした。
高市早苗支持者は、「自民党が下野しない程度に負けたら石破が退陣して別の首相になる」という夢物語を語って戦略的投票を気取っているが、そんなのは都合のいい現実逃避だ。大負けしても石破総裁のままだったらどうする気だ。議席が狙っていたよりも減って立憲民主党政権になったらどうする気だ。今回もし政権交代が起きて、立憲が民主党政権の失敗を踏まえて絶対に衆議院を解散しなかった場合、四年先まで、つまりあなた達の大好きなトランプが大統領になった場合の任期四年間、ずっと立憲民衆党政権である可能性を想定しているのか。
国民民主党をはじめとする第三極支持者は、自分たちに入れろと言うかもしれない。でもそれって現実的に自民か立憲のどちらかが第一党になる状況下では単なる甘言で、単純に自公政権の議席を減らして野田内閣誕生をアシストするか、総選挙後自公政権と連立して石破内閣をアシストするか、そのどちらかでしかない。
米国大統領がトランプになった瞬間………それはほぼ五割以上の確率で起こりうるのだけど、私の投票は、きっとどこかの国で人が殺される未来に加担することになる。
絶対に白紙投票や棄権はしない。それは普通選挙が保証された自由主義国家で生きられる人間にとって、致命的な恥だ。
でもだからこそ教えて欲しい。私は誰に投票すればいい? 四年後、すべてがグチャグチャになっているかもしれない世界で、胸を張っていられる投票はあるのか?
最後に言わせてほしい。私はトランプ再選が現実にならないことを祈っている。ただトランプが次の大統領に本当に選出された場合、日本がどちらの鳩山政権であったとしても、当面の間、首相をはじめ主要な政治家は与党野党問わず、どうかできる限り今以上にSPを増やしてほしい。熱狂的なトランプ信者の日本人が「こいつを排除したら日本とトランプとの関係が良くなる」とか、熱狂的な反トランプの日本人が「こいつを排除して日本のトランプ化を阻止する」とか行動を起こしかねない。絶対にそいつらの企みを成功させるな。これ以上日本を二・二六の時代に戻さないでくれ。
ネットのオープンな箇所に長文を書いたことが一度もないから、どうすればこの記事が人に読んでもらえるか分からなかった。昼にこれと同じ文章を上げたけれど全然読まれなかったので、ヤケになって上げ直し、はてなブログにもnoteにも上げた私を許してほしいい。
経済政策、政治とカネ、非公認、社会保障、外交、安全保障、選択的夫婦別姓、表現規制、反ワクチン。政治家や支持者の発言で、SNSではあらゆる論点が俎上にのぼっている。
20年近く選挙に投票してきたから。自分にだって政治思想があるから。普段だったら選択できたはずなのだ。
でも、今回ばかりはどうすればいいのか分からない。
なぜなら、多くの政治家、それに支持者、政治にちゃんと関心がある人でも、ごく一部の人を除いてほとんどが正面から向き合っていない、それとも気づけていないリスクがあるせいで。
『どうも再来週11月5日の米国大統領選で、トランプが割と勝ちそうな情勢になっている』ことだ。
衆院選をめぐる様々な論点の中で、「ハリスが勝ってもトランプが勝ってもちゃんと付き合える首相・党を選びましょうね」と無難に言っている人もたまに見かけるが、そのくらいのテンションで語れるのは、たぶん、ドナルド・トランプという危険人物が大統領選で勝利する可能性をかなり低く見積もっていて、本心はハリスだろうと思っているのではないか。
たぶん、少なくない人が、うっすらと「ハリスが勝つ情勢になったんでしょ?」と思っているだろう。それは、そうなるはずだったのだ。今は違うということをまだ知らない。
7月13日に選挙集会中のトランプが一度暗殺されかけた後、バイデンの高齢による不安と低支持率が問題視され、7月21日にバイデンが大統領選を断念した。そして8月6日にハリスが正式に大統領候補として指名を受けた。もともとは国民の人気が低く、大統領選に立った場合の支持率が不安視されていたハリスも、実際に大統領候補になると想像をはるかに超えて善戦、若さもあってトランプに対して完全に優位に立ち、トランプ再選リスクは大幅に低くなった。
「普通に政治への関心がある人」程度なら、米大統領選についての認識は、この辺りで終わっていると思う。まあハリスが勝つ流れになったんでしょ、と認識しているだろう。トランプがマックの店員やったりヒトラー関連の失言したくらいは流れてきただろうが。
そういう認識は、9月中くらいまでは正しかった。9月11日にあったハリスとトランプの第一回目の討論の後も、ハリスの優位はほとんど揺るがずに、トランプは二回目の討論を拒否した。9月15日にトランプが二度目の暗殺未遂にあったが、アメリカでさえ前回ほどの話題にならなかった。この辺りまでは、確実にハリスが優位だった。
その後、保守派が「カマラ・ハリスの業績」という題名の白紙の本を売り出してハリスを揶揄したり、イーロン・マスクがトランプ応援キャンペーンを打って選挙違反と批判されたり、大統領候補がずっと出席してきたカトリックの晩餐イベントをハリスが欠席してトランプに揶揄されたり、この時ハリスを批判した枢機卿がリベラル側から叩かれたり、ハリスが庶民層の支持者を得るためマクドナルドで働いていた過去を語ったり、保守側が嘘だ証拠を見せろと叩いた挙句それに乗ってトランプが一日マクドナルド店員を務めたり、トランプがヒトラーの部下みたいな部下が欲しかったと語って案の定叩かれたり、泥仕合みたいなしょうもない選挙戦が繰り広げられるうち、何一つ劇的な事件も決定打も無いまま、なぜか10月の間ハリスの支持率がジリジリ、着実に下がっていった。もちろん、ハリス支持率の方が上がった州もあるが、全体の傾向としてはトランプの方に天秤が傾き続け、支持率だけでなく、各州の予想される選挙結果を総合してもトランプ当選の確率が徐々に上昇していき、とうとうCNNやWSJなども互角かトランプの勝利可能性が僅かに高いという結果を出し始めた。これは一時の、一社の統計のまぐれでは無く10月の間ずっとトランプ支持拡大の方へ推移していって、今週、遂に喫水線を超えたものであり、そして、大統領選までもう二週間を切っている。
ウクライナ情勢を軽視するトランプに度々接触を図っていたゼレンスキーは今週、「make russia small again」というシャツを着て演説した。どう見ても欧米リベラルには評判が悪いであろうことが容易に予想のつくこの行動を選んだ背景には、トランプの当選可能性の上昇を踏まえてトランプの歓心を買うための、被侵略国の指導者としての苦渋の決断があったのだろう。
こういう状況が、国内政治に関心のある人さえリーチしきっていない事情も分かる。日本から米大統領選の情報を得ようとすると、Qアノン兼日本保守党支持者みたいな連中が、郵便投票不正だのバイデンジャンプだの陰謀論デマばっかり流すし、バラモン左翼はバラモン左翼で、如何にトランプとその支持者が非民主主義的な言動を繰り返していて愚劣であるかという情報しか流さない。あと、賭けサイトの勝利率を見てこっちが優勢!と触れ回るような短絡的な人々の狂騒。そういうノイズが大きすぎるので、正気な人間ほど情報を仕入れようとしないせいだ。
それでもごくごく一部の、CNN的な世界観とFOX的な世界観の双方の選挙報道や世論調査を淡々と分析し続けている人たちは、どうも10月に入ってからトレンドがトランプに傾き始め、どちらの世界観から見ても、2020年のバイデン勝利時よりは明らかに2016年のトランプ勝利時に、問題となる州こそ違うけれど構図が似てきていることに気づき始めていた。ちなみに一部世論調査で最初にトランプ有利に傾き始めた頃、米国民主党支持者とそれに追従する一部の日本人は、「世論調査は共和党に組織的なハックをされ始めたのでもう信用できない」と主張していて、Qアノンみたいになるありさまだった。
何が最悪かといえば。
さっき書いた通りハリスが指名されたのは8月6日で、直後にハリス有利の世論調査が出て、岸田文雄が次期総裁選不出馬を表明したのは8月14日だってこと。
分かるだろうか。
きっと岸田はハリスが大統領選に勝つという前提のもと、総理大臣の座を降りている。
バイデン政権の後半は、バイデンが大統領選で再度トランプに勝てるか怪しいとずっと疑問視されていたので、トランプ政権再誕というリスクが一番低くなった瞬間に、岸田は不出馬を選択したということになる。さらに。自民党総裁選は、9月12日告示、27日投開票だった。ハリス優勢は揺らいでいなかった。自民党総裁選に投票できた党員・議員の中で、トランプ絶対支持の一部のやばい人間を除いて、次の米国大統領がトランプになることを前提に投票できた人間はほぼいなかっただろう。
今の首相は、ここ二年間くらいで一番、トランプ大統領があり得なさそうなタイミングで選ばれてしまった。
その結果、靖国参拝で日韓関係を破壊し、極東の自由主義圏の連帯を揺るがしかねない高市早苗と(トランプが米大統領になった場合、日本が自由主義国家として信頼の置ける首脳が、尹錫悦のほか極東にいるだろうか?)、中国観が習近平国家主席就任以前で腐り落ちていて、日米地位協定改定とアジア版NATOの設立など鳩山由紀夫の生霊のような大東亜共栄圏レベルに終わった極東観を持つ石破という、外交の二大リスク………大統領がトランプなら絶対に選んではいけない二人を残してしまった。そして、自民党は第二次鳩山政権を選んだ。驚くべきことにこの鳩山二号、アジア版NATO設立を喧伝してアメリカ外交筋だけでなくインド外相からも批判され、一旦ひっこめたかと思いきや主張を再開、その結果つい二日前に中印首脳が会談し劇的に両国関係を改善させており、麻生安倍菅岸田が15年積み上げてきた対中包囲網を一か月足らずで破壊するという最悪の結果を生み出している。
一方で立憲民主党はといえば、代表を野田佳彦に変えた結果、民主党政権とは違う現実的な外交政策に転換したというイメージを持たれている。だがそれは単なるイメージ戦略に過ぎない。というのも2006年に国と県知事が合意していた普天間から辺野古への移設について、2009年に鳩山が目玉政策のひとつとして最低でも県外移設を宣言して政権交代、移転先の候補が無いままオバマにトラストミーして信頼を失い迷走した挙句、2010年に鳩山自身が辺野古撤回を断念して米国と合意するというプロセスで日米関係を滅茶苦茶にした、その民主党の後継政党たる立憲民主党が、改めて「辺野古移設撤回」するという日米関係を今度こそ木端微塵に砕く内容を、公約の目玉に入れている。公約には更に安保法制の違憲部分を廃止する宣言とセットで、石破と同じく日米地位協定の改定も入れているという、どう見ても民主党鳩山政権の外交政策復活を声高にうたっているのだ。
そう、今、何の因果か日本は自公政権、立憲民主党中心政権、どちらを選ぼうと第二次鳩山内閣外交になる政治状況なのだ。そのうえで今回は、五割超の確率で、相手は正気のオバマではなく、共和党の抑えさえきかず個人的な世界観に生きるドナルド・トランプだ。
投票は人を殺す。
小泉純一郎政権支持に投じられた票は、非正規雇用を爆増させ、間接的に多くの人を殺しただろう。民主党政権誕生支持に投じられた票は、円高不況と就職率の低下で、間接的に多くの人を殺しただろう。
でもそれは、反対側に投票していれば、加担することを回避できていた殺人だ。
ドナルド・トランプが大統領になった場合、それは万が一ではなく、もはや、半が一以上の確率で起こりうるのだけど、私が入れる一票は、どちらに入れても恐らく人を殺す。
一部ネトウヨの中では対中強硬派ということになっているが、「中国が台湾を占領したら200%の関税をかける」という、一見脅しのようで「中国が台湾を占領しても交戦はしない」かのような宣言を一週間前にしたばかりで、台湾有事リスクを既に高めているトランプだ。
もともとプーチンを尊敬していると発言していて、自分が大統領になったら速やかにロシアとウクライナの戦争が終わると主張し、つい今月、プーチンとの関係を問われて大統領辞任後に私的な連絡を取っていた可能性を否定しなかったトランプだ。
もともとイスラエルに擁護的であり、今週、ネタニヤフに会談で「あなたがやるべきことをやればいい」と伝えたばかりのトランプだ。
そういう人間が米国大統領になった場合、米国の軍事力に頼らなければ生きていけない日本国の首相が、米国やインドも丸め込みながら自由主義サイドで中国を牽制して台湾有事を起こらないようにし、ロシアの侵略と虐殺に抗うウクライナを欧米や韓国とともに支援し、アメリカに庇護される状況にありながらイスラエルのガザ虐殺を最大限非難するという、戦後80年平和主義を貫いてきた国家の代表としてあるべき舵取りができるだろうか? 一手間違うだけで、不正義と虐殺、自由主義社会の崩壊に加担することになる、そんな綱渡りをやり遂げることができるだろうか?
信念の岸田か、トランプになぜか信頼された安倍なら、できるか少なくともやろうとしただろうし、上川とか林とか、総裁選の序盤で散った人にも、もしかしたらできたかもしれない。
でも、目の前に示されたのは、どちらにも「鳩山由紀夫首相」と書かれた二枚の切符だ。
彼らが何もしないとか、トランプの妄言に追従するということさえ最悪でないかもしれない。自分ならロシア・ウクライナ戦争を終わらせられると豪語して親露派議員を連れてプーチンに電撃面会、まんまと丸め込まれて日本国首相としてプーチンの片棒を担がされるくらいまであり得る。きっと鳩山ならそうした。
高市早苗支持者は、「自民党が下野しない程度に負けたら石破が退陣して別の首相になる」という夢物語を語って戦略的投票を気取っているが、そんなのは都合のいい現実逃避だ。大負けしても石破総裁のままだったらどうする気だ。議席が狙っていたよりも減って立憲民主党政権になったらどうする気だ。今回もし政権交代が起きて、立憲が民主党政権の失敗を踏まえて絶対に衆議院を解散しなかった場合、四年先まで、つまりあなた達の大好きなトランプが大統領になった場合の任期四年間、ずっと立憲民衆党政権である可能性を想定しているのか。
国民民主党をはじめとする第三極支持者は、自分たちに入れろと言うかもしれない。でもそれって現実的に自民か立憲のどちらかが第一党になる状況下では単なる甘言で、単純に自公政権の議席を減らして野田内閣誕生をアシストするか、総選挙後自公政権と連立して石破内閣をアシストするか、そのどちらかでしかない。
米国大統領がトランプになった瞬間………それはほぼ五割以上の確率で起こりうるのだけど、私の投票は、きっとどこかの国で人が殺される未来に加担することになる。
絶対に白紙投票や棄権はしない。それは普通選挙が保証された自由主義国家で生きられる人間にとって、致命的な恥だ。
でもだからこそ教えて欲しい。私は誰に投票すればいい? 四年後、すべてがグチャグチャになっているかもしれない世界、ウクライナやガザの惨禍が加速拡大して、台湾やその他の地域をも焼いているかもしれない世界で、胸を張っていられる投票はあるのか?
この記事を書き始めたとき、26日の零時ごろで、書き終える今までに、Xでもぽつぽつと「トランプが勝ちそうになっているのでは」という指摘が広まり始めた。ただそれはもっぱら右派のごく一部での拡散で、理性ある中道や左派の間にこの状況が伝わるのは、衆院選当日には間に合わないだろう。右派が「トランプが勝つ」と喧伝するのはこれまで多くの場合希望的観測であり妄言だったのだから。彼らは余りにも信頼を失いすぎた。
最後に言わせてほしい。私はトランプ再選が現実にならないことを祈っている。ただトランプが次の大統領に本当に選出された場合、日本がどちらの鳩山政権であったとしても、当面の間、首相をはじめ主要な政治家は与党野党問わず、どうかできる限り今以上にSPを増やしてほしい。熱狂的なトランプ信者の日本人が「こいつを排除したら日本とトランプとの関係が良くなる」とか、熱狂的な反トランプの日本人が「こいつを排除して日本のトランプ化を阻止する」とか行動を起こしかねない。絶対にそいつらの企みを成功させるな。これ以上日本を二・二六の時代に戻さないでくれ。
https://anond.hatelabo.jp/20241021004208
典型的な誤解に基づいて書かれた考察があるので叩き台にしてタイトルについて語っていく
その生成AI自体について有用性や仕組みへの誤解についての議論はしない(例えばこの考察は明らかに生成AIの「学習」や「再利用」についても誤解しているがここでは無視する)が、最低限押さえておいて欲しい事を書く
読むのが面倒な人向けに概略を書いておくが勝手に自分の妄想上の西洋とか欧米を使うなよ、という話である
例えばCELSYSのCLIP STUDIO PAINTに生成AIが導入されるという議論の際に強い反発を受けた事を日本の後進性に基づいて言説が展開していたが
しかし、IR情報などを参照すれば解る様にそもそもユーザーの半分以上は海外であり、去年の売上も8割が海外からである
当時のコメントやそれにまつわる言説を読めばグローバルな、特に欧米のユーザーからの反発が最も苛烈であった事が無視されており
最近の例としてProcreateのかなり強硬な反AI声明を見れば明らかな様に現在では海外においては一定の見解として定着している
イラストを扱うコミュニティについて比較すれば国内とアジア圏で筆頭のPixivはタグ付けによる仕分け程度であり、クローズドなSNSの割にかなり寛容な方で
使用者の米国人比率が非常に高いRedditの自作アートの話題を扱うr/Artはかなり初期の時点で生成AIを禁止しているし、DeviantArtでの生成AI周りの導入に纏わる訴訟騒ぎは言うまでもない
そしてその締め付けが進んでいる最も顕著なジャンルであるこの文章を書いたらしい人間が所属している「音楽分野」では演技分野における声の扱いとセットの流れで生成AIは最も警戒されている
これは生成AIがハイプな話題として持ち上がる前史として、2010年代後半から著名な政治家やミュージシャンの声を使ってラップや演説を行ういわば「音楽版のディープフェイク」が流行していた事が要因になっている
例えばオバマ元大統領辺りがかなり厳ついラップをしたりする動画等は簡単に見つかるだろう
そういった事を踏まえた上でハリウッドでは組合による生成AIの脚本利用や俳優組合によるストライキが起こっているし、今年はテネシー州でELVIS法が制定されている
無論これはテネシーの出世頭エルヴィス・プレスリーの名から取られた法で、俳優やミュージシャンの声を財産として保護し無断使用に対して罰則を与える法律である
おそらく音楽分野では早い段階でiZotopeがやっている様にAIを利用したマスタリングツールが早い段階で誕生しているし、サンプリング文化等の下地もあるので
アメリカの音楽界隈は先進的、寛容というイメージを持っているのかもしれないが、個人の創作性に関する部分ではむしろ日本とは比べ物にならない程生成AIに対して強硬な反発をしており大間違いである
総じて生成AIの創作による利用に関して強い反発を行った事でアンタッチャブルになりつつあるのはアメリカとEU(ここでは多くは語らないがAI規制法が今年発効されており、汎用生成AIシステムでは透明性義務が必須となる)を中心とした欧米圏であり
むしろ日本は最近になって声優業界がかなり折り合いをつけた内容の声明を出した程度で、政治的にもAI戦略会議の内容を見れば国家戦略として5Gの使い道として取り込む目的もありかなり推進側にあるのは明らかである
元の文章では何故かパルワールドについて語っているが、これは欧米圏のゲーム文化における「不寛容」な任天堂の問題による
反発が加味されたものなで生成AIやフェアユースの議論の範疇だけで語る事はできない
特にMOD文化や大会開催等においては海外メーカーでは考えられない締め付けや法的措置を取ってくるのでその側面では任天堂の評判は非常に悪く、常に揶揄の対象になっている
それに対して冷水を浴びせかけたパルワールド、という立ち位置からの支持である事は忘れてはならない
元考察では欧米圏で「寛容」な理由として神から与えられたものとして創作の才能を扱っており、使命故に公益的な要素が大きかったという趣旨が語られているが
その要素はむしろパトロネージュにおける文化的な見解を極端にしたものであり、宗教的な原義からすれば真逆の見解を語る事ができる
例えば、欧米圏で「不寛容」な理由としてそういった神から与えられたものが機械で代替できる事への反発が大きいといった様な語りだ
この程度の見解はアブラハムの宗教における人間中心主義の位置付けを考えれば簡単に想定できるし
そもそも上位存在から与えられたものとして芸術を扱うのは欧米圏だけでなくアジア圏でも一般的な事であって固有のものではない
加えて創作論にはあまり踏み込む気はないが、元記事で無警戒に当てはめられている様な現代人の創作に対しての概念は近代以降のものであり
当時の感覚は全く異なっていて個人というよりも職人的に作られており音楽や絵画は信仰を広げる為のメディアとしての役割が非常に大きく、そのまま現代に結びつけて語る事は非常に危うい
自称ではあるが「クリエイターのレベルが高い」筈の分野に所属している人間ですら何故こういった事実や経緯を知らないのか?
ほとんどの日本人は英語が読めないし読む気がないし経緯や文化を理解する気もないからだ、と言ってしまうと身も蓋もないのだが多分この辺りが原因なのかなと思われる
少なくとも前半部分に関しては多少掘り下げて見てるだけでも幾らでも出てくる話なので、英語読めない以外の理由が思いつかない
それでもこのツッコミどころ満載の言説がなんとなく受け入れられているのは伝統的に欧米から先進的な流れを受容してきた日本、というステレオタイプがあるからなのでは無いだろうか
とりあえず存在しない「西洋の先進性と寛容さ」をでっち上げて議論を行うのは、少なくとも生成AIに関しては大間違いなので今すぐにでも止めるべきである