はてなキーワード: 円高とは
「量的・質的金融緩和」のトランスミッション・メカニズム -「第一の矢」の考え方-
京都商工会議所における講演
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2013/ko130828a.htmの図表 https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2013/data/ko130828a2.pdfを見ればわかるけど コミットメント付きマネタリーベース増加によりフィリップス曲線上方シフトが起きて物価上昇をもたらすというのが主たるメカニズムであって、円高修正は物価上昇とは関係ないという主張だったよ (という建て前だった)(というか隠していたのか)
論を交わすよりも実例見よう。
日本が経済絶好調だったプラザ合意前とか1ドル360円だったんだぞ。
で、民主党のとき1ドル70とかいう超円高になってたが経済どうなってた?
PayPayにドルで預金すると2%の利息がついて、さらに同額の円預金するとそっちにも2%の利息が付く情弱向け商品が発売されている。
https://www.paypay-bank.co.jp/fcd/guide/fee.html
1ドル(150円)預けて5銭引かれて、1ドル(150円)戻してまた5銭引かれる。150万預けたら500円引かれて150万戻したときも500円引かれる。
SBI証券の買いと売りの差は2銭。150万円分のドルを買ったとして売った時に200円引かれるだけ。
一見2%の利率は高いが、SBI証券の今日のドル買いスワップは182円。年換算で4.4%。本来外貨預金で4.4%もらえるはずの利息を2%ずつドル預金と円預金にわけて0.4%はPayPay銀行が持っていく。
さらにドル預金上限なしで円預金は500万まで。ドル預金すればするほどPayPay銀行が2.4%ずつ儲かる。
円高になるとそれだけ外国製品が安く買えるわけだがイコールで日本国内の物が割高になるから外国製品に価格競争で負けて売れなくなるんだよ。
これは、円高だと他国の人間を安く雇えるようになるので企業がハッピーという話では終わらないで、「だから日本人を雇うのをやめて他国の人を雇うようになる」までがセット。日本の庶民のほとんどは日本で働く労働者だから、庶民の失業が増えるということになる。実際、2000年代の円高が進んだ時代に、企業が新規工場建設地を海外にする比率は急激に高まった。そうやって新しく雇う人を海外で集めていた。そんな2000年代には失業率が5%を超えて今の倍以上に行くこともあり、また4%で失業率が低いと言われる状況だった。この十数年の円安になってからはこの比率の上昇は止まっている。
輸入品を買うためのドルはどうやって調達しているのか?を考えてみるといい。
個人だったらたとえば銀行で両替してもらえばドルが手に入るので、みんなそうすればいい、円高だったら安い価格でいっぱいのドルが手に入れられるようになると思うかもしれないが、銀行自身はそのドルをどこかから調達してこないとならない。ドルを持っている海外企業は一時的にはともかく、ずっと円を持っていても仕方がないので、円を貰ってドルを渡すということを仲介こそすれ主体的には行ってくれない。結局、ドルを調達できるのは、日本の輸出企業がドル建てで売る商品の対価やそれを海外で運用したドル利益が根源となる。そうなると、円高で輸出が不振となってドルの調達が少なくなったときにこそ、海外の薬が手に入らなくなるということが起きることが分かる。円安で起きるのは、海外から薬が手に入らなくなる事態ではなく、そんなに高くなるならその薬は買わないというあくまで消費者の不購入の判断である。買い負けではない。
また、日本が海外から資源を買うときに有利になったり不利になったりを測るには、円高か円安かでは適切にはできない。日本の輸出企業が売る商品の価格と、日本が買いたい商品の価格の、どちらが(調達したいドル建てで)高くなっているかを見なければならない。この輸出価格÷輸入価格を交易条件と呼ぶ。そしてこの交易条件には為替の影響は殆どないことが過去の経験から知られている。
つまり、円高だったらいっぱい安く輸入できるように思うのは、取引量が少なくて、自由に、市場のドル円価格に影響を与えることなく今のレートで売買ができるような個人においては正しいとしても、それを日本全体でのように拡大して考えることはできない。円高になったら庶民の九割が安く輸入品を購買できてよかったねとはならず、さらに円高の間接的な影響が何らか出てくる。たとえば円高で輸出が滞れば調達できるドルの量が減り、そのドルで輸入できる商品の量も減るから、希少となった輸入品の価格が為替と関係ないところで上がってしまい円高での値下がり効果を打ち消す上に消費可能な量が減る、などの。