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はてなキーワード: 新卒とは

2025-05-25

無能おじさんは必要悪

私が新卒で入った中堅SIer社員200人くらいの会社に、佐藤さんって奴がいた。50歳過ぎの、いつもニヤニヤしてるおっさんで、朝は「よぉ、今日飛ばしていくぞ!」ってデカい声でフロアに響かせて、昼休みには若手のSE営業を捕まえて「この前のスプリントレビュー寝落ちしそうだったよな!」とか、どうでもいい話で盛り上がる。仕事マジで何やってるか誰も知らなかった。JIRAのタスク佐藤名前なんて一度も見たことないし、クライアントとのZoomミーティングでも「まぁ、皆で頑張ろう!」ってヘラヘラ締めるだけ。PM田中さんには「佐藤空気清浄機から」と笑いものだったけど、ぶっちゃけ納期に追われてピリピリしてるフロアで、佐藤のあのバカっぽいノリが、なんか妙にホッとする瞬間を作ってたんだよね。

1年目の夏、大手製造業ERP導入プロジェクトやらかした。本番環境マスターデータの不整合が出て、システムが全停止。クライアントCIOから「今すぐRCA出せ! 損害賠償も辞さない!」ってSlack鬼のようなメンション飛んできて、開発チームは全員青ざめてた。デプロイロールバックか、データ修正かで、Slackの#proj-channelは「テストケース足りなかった」「いや要件定義曖昧」とか、責任押し付け合いでカオス。そこに佐藤さんが、「お前ら、こんな時こそ一回落ち着けよ!」って、コンビニボス缶コーヒー片手に乱入。誰もが殺気立ってる中、「俺も昔、DBぶっ壊して3日徹夜したけど、結局飲み会で笑い話になったぜ」とか、わけわかんない話ぶっこんできて、なぜかフロアに笑いが漏れた。リードエンジニア山本さんが「佐藤さん、相変わらず何も解決してねぇな!」って突っ込むと、みんなちょっと肩の力抜けて、冷静にログ解析始められた。あの瞬間、佐藤ヘラヘラがなかったら、チームは内ゲバで自滅してたと思う。後で先輩に聞いたら、「佐藤みたいな奴は、会社の『余裕』の象徴だよ。売上好調予算に遊びがあるから、ああいうのが許される」と。確かに当時、うちは新規案件バンバン取れてて、SIerとしてはまあまあイケイケだったから、佐藤の「非生産性」も笑って流せたんだ。

でも、2年目の冬、潮目が変わった。コロナ後の市場縮小で、受注がガクッと減って、親会社決算赤字。ある朝、佐藤の「おはよう!」が聞こえない。デスク空っぽモニターオフ。噂じゃ「コストカット子会社運用保守に飛ばされた」って話だったけど、誰も詳しく教えてくれなかった。それからフロア空気は一変。Slackの#randomチャンネルは誰も書き込まなくなり、休憩室の「次のリリースマジでヤバいな」みたいな雑談も消えた。バグが出ると、PMと開発で「スコープが」「いやテストが」と、Slackで延々バトル。佐藤がいた頃は、彼の「まぁまぁ、ビールでも飲んで落ち着けよ!」で、なんか丸く収まってたのに、今はそんな緩衝材どこにもない。生産性? 上がるどころか、みんな疲弊して、Zoomの画面は死んだ目した顔ばっか。佐藤バカ笑いが、どれだけみんなのストレス吸収してたか、痛いほどわかった。

佐藤がいなくなって、気づいたんだ。あの「無能おっさん」は、会社健康状態を映すバロメーターだった。業績いいときは、佐藤ヘラヘラがチームのピリつきを和らげて、なんか人間らしい空気を作ってた。でも、会社がヤバくなると、最初に切られるのが佐藤みたいな奴。その結果、フロア殺伐として、みんなの心の余裕も消える。あの笑顔を思い出すたび、胸が締め付けられるよ。佐藤がいたから、納期地獄障害対応ストレスの中でも、なんとか笑えてたんだ。今、転職サイト見ながら、佐藤みたいな奴がいる会社を探してる。そんな奴がのさばってる会社は、まだ未来があって、人が人らしくいられる場所だと思うから佐藤さん、ありがとう。あのバカっぽい笑顔が、俺の新卒時代を、確かに救ってくれたんだよ。

2025-05-22

anond:20250522214429

三菱重工課長がちょうど40歳で900万だな。でも人治が仕事現場しないぜ?規約契約設計する仕事だよ。それをmatlab?新卒???っていうね・・・

anond:20250522174008

日本銀行マスコミとかの産業には絶対外国籍入れない(信用できる国から派遣されたエリートは別)し、新卒も中途も無理だからな。日本語ができても日本人のやってるオイシイ仕事にはつけない。しか日本語はこれから縮小していくわけだからほんと死に言語

年食ってるだけの無能に合わせる必要なし

新卒はこれだけ気を付ければよい

もちろんJTCで人生介護してほしいなら無能のジジババに合わせよう

介護される側なんだから我慢しろ

2025-05-21

anond:20250520112835

じゃあ何で不正入試女子を減点させたんですか?

新卒入社でも男女比7:3で優遇されている身分の癖に下駄履いてる自覚なさすぎ

やはり男は無能と言わざるを得ない

anond:20250521133512

志望動機なんて新卒以外はどうでもよくて

中途は何ができるのかが重要やで

絞りかす経営

最近、親から会社引き継いだけど

もうあらゆる面で絞りかすな会社なのでうんざりしている

業種はフリーペーパー配送という終わりしか見えない仕事

従業員平均年齢は60歳ぐらい

事務所は築50年ぐらいでボロボロ

トラックも50万キロ走ったボロボロものばかり

 

10年以上前から「このままだと会社寿命だな」と見えていたはずなのになにもやってこなかった父親

自分給与はがっつり取って、社宅として新居も会社の金で建てて、たいして乗りもしないレクサスを買う

そんで引退後は会長として給料貰いながら遊び歩いて食事代は会社持ち

 

15年前から俺を引き込んで、安い給与で都合よくこき使っておいてこの仕打ちか…

 

はいはいそーですよ

家業なんて継がないで新卒大手企業に入る実力が無い俺が悪いですよ

現場で働いてた15年で会社を変えられなかった俺が悪いですよ

社長になって新規事業を立ち上げる力の無い俺が悪いですよ

 

くそがっ!!

anond:20250521103656

あー、制度的に転職キャリアアップに動くから離職するって話なら理解できる

が、新卒給料アップ関係なく転職一般的になりつつあるのであんまり因果関係はないかなって思う

目下の懸念点は、企業側が新卒と中途入社にどれだけ育成コストをかけられるかって所だね

1000人以上の大手企業以外はまともな研修コストかけてない(特に中途)から変革には10単位時間必要

※中途は即戦力とか言う期待だけして、その会社で当たり前のことを教える体制すら取れてないのが現状なんだよね

anond:20250521103337

他国の状況は、昇給はあまりなくて、転職給料が増えるシステムが多くて

そうなるんじゃないかっていう予想(少し近づくイメージ

 

これまでの昇給と、これから昇給比較するのは難しいけど

転職した奴と残った奴、あるいは勤続年数が長いやつと転職組で給料に差が出てくるなら、離職率他国並に増えていくんじゃないかという予想

その第一歩が新卒給料上昇

 

まあまだわからんのは、この新卒給料の上昇が一時的ものしかないパターンなら変わらないかもしれない

新卒給料を上げるとどうなるか?

日本新卒給料世界的に見て低いんだけど

昇給率は世界的に見て高いんだよね

安く雇って育てるタイプ

 

それが変わるとすれば

昇給が減るってことだから

当然離職率が増えるんだよね

anond:20250521092151

アベノミクス様様2016新卒アベノミクス最終盤2020年1月転職→(コロナ)→そろそろ転職したい今、再度転職市場盛り上がり

で本当に助かってます

2025-05-20

中間管理職って大変

中間管理職って肩書きだけ見ると偉そうに見えるかもしれないが、実情はただの上と下との板挟み役。

実際ストレスたまることも多い。上から無理難題が降ってくるし、下からは不満が湧いてくる。

最近その典型みたいな指令があった。

うちには新卒入社三年目になる女性社員がいる。

事務職で、性格は素直だと思っている。

挨拶ちゃんとするし、遅刻もない。真面目といえば真面目なんだ。

ただ正直なところを言うと仕事全然できない。

同じミスを何度も繰り返し、指摘しても「すみません」で終わり。

メモを取るわけでもなく、改善姿勢が見えない。

最初若いからまだ伸びしろがあるだろうと思っていた。

でも、三年目だよ?さすがにそろそろしっかりしてもらわないと困る。

そんな折、上から彼女リストラ対象とするという決定が下った。

理由能力不足。うちは比較給与水準が高い方だから彼女ポジションなら代わりはいくらでも見つかるという判断らしい。

そして、それを彼女に伝える役が俺。

これが厄介。今のご時世クビなんてストレートに言うなんてもってのほか

借りに言ってしまえばパワハラだの精神的損害だのって話になりかねない。

そうなったら、逆にこっちが会社に訴えられることもありうるかマジでシャレにならん。

で、俺なりに考えたわけ。

傷つけずどうやって伝えるかのがいいか

ある日、帰り道でふと思いついた。

ネックレスだ。

ネック(首)レス(失う)──首を失う、つまりクビだ。

これは遠回しに伝えるには最適なんじゃないか

言葉じゃなく、物で伝える。

これならパワハラにもならないし、会社からも言われた「慎重に伝えること」という指示は満たしてる。

ちゃんとした箱に入ったネックレスを用意して、彼女会議室に呼んだ。

ちょっと話があるからと言って。

二人きりの空間で、俺はできるだけ優しい口調で彼女ネックレスを手渡した。

え……?と彼女は驚いた顔をしていたが、俺が「いろいろお世話になったから」と言うと「ありがとうございます」と言って会議室から出て行った。

次の日から彼女ネックレス毎日、分かり易く身につけて出社するようになった。

そして今日

ちょうど俺が喫煙室で一人のときに礼の女性社員入ってきた。

彼女タバコを吸わないはずだから、びっくりしてどうしたの?って聞いたら、少し恥ずかしそうにしている。

ネックレスのお礼がしたいので今週末、よかったら一緒にお食事行きませんか?と次に言われた。

あのさ……絶対俺の意図伝わってないよね?

しかしここで直接言えるはずもなく、誘いを断って傷つけでもしたら大変だ。

そう思って俺は承諾した。

今週末には彼女と二人きりで食事をすることとなった。

中間管理職という立場はほんと、大変な仕事なんだよ。

anond:20250520164943

新卒新入社員だったしね

まあ1人で仕事回せるならそれでも全然いいと思うし自分も正直それやってる時もある。

けどそいつは何もできない進捗もない状態すぎてどうにもならんかったからな

試用期間後に飛ばすにはとりあえず手を尽くしたけどダメでしたと言う状況を作るのが大事だったためみんなには5時出社してもらったよ

エンジニアになりたかったけど喫煙所で心折れた

エンジニア転職を夢見て

基本情報技術者試験

ポートフォリオのためにreact, typescriptアプリ作成

競技プログラミング

帰宅後や休日コツコツやってる26歳男です。現職は旅行代理店

ビル喫煙所一服してたら私服男性2名が入ってきた。このビル私服なのはIT系会社だけ。仮にA社とする。

喫煙所に俺とその2人の3人しか居なかった。だからA社の人達雑談が耳に入るんだよね。

そしたら断片的だけど「DNSが〜」とか「要件が〜」とかまあ、話していたわけよ。

外部で話したらダメだろということは置いておいて、今勉強している単語たちが断片的に聞こえるわけな。

そしたら「あーならこうすればいいのか」とか「なるほどね」とかどんどん盛り上がって来ていたわけよ。課題解決したのかな。

ただ、難しい単語だらけ。

そしてたまに聞こえる知っている単語、俺が勉強しても勉強してもよく分からない概念だったりするわけよ。

それをさも当然かのように、まるで簡単かのように話しているわけよ。

見た目は汚いおっさんなんよ。私服もヨレヨレ。無精髭生やしてさ。

けど、その難しい概念簡単に使いこなし、それでどんどん楽しくなって行ってる(ように見える)

心が折れかけた。なんか、レベルが違いすぎた。

それでも向こうは専門職で何年もやっているだけ。そう思いたい。

そこに、スーツ若い男が入って来た。2人に混ざって雑談開始。多分新卒さんかなあ。若いし、スーツだし。

するとさ、「基本情報簡単でした」みたいなことが聞こえて来たわけよ。

僕がヒーコラ言ってる基本情報簡単扱いなんよ。

なんかさ、もうさ、怖い。

なんであれが簡単になるのさ。

人種が違いすぎる。

転職、別業種にしようかな。それとも同業種への転職にしようかな。

なんかさ、もうさ、本当にさ、エンジニアさんって凄いんだね。

anond:20250520113338

元手がある企業もまわりがあげないなら、給与をあげる気にならないのよ。

企業は儲かったか給与をあげるわけじゃないのよ。

他に人をとられたくないか給与をあげるのよ。

今の新卒戦線もそうなっているでしょ。

職場新卒お客様に触れる仕事から、先輩がネイルを綺麗に落としてきてって言ってるのに、もう2ヶ月近くそのまま。

しかも先がとんがってるネイルで、めちゃ怒られて泣いた。

落とすやつを自分ギリギリまで注文しなかったのに、配送遅延みたいに言い訳してさら逆鱗に触れるという。

自己管理が全くできてなくて、いつまでにやってね、が出来ない。本人も発達入ってるって言ってるけど、仕事なめてる。

できないなら辞めてもらった方が、そんな基本的指導しなくて済むからこっちとしては楽。

飲食店で手を洗って消毒して調理するぐらい、本当に基本的なところなんだけど。

お客様怪我させたら、結局は上長責任をとるわけで、そういうこと一切考えてないとおもう。

AI小説直木賞を受賞

1

 只野天才──この名前を聞いて、まず「本名なのか?」と疑う人が多いだろう。事実、彼は戸籍上もこの名を持つ。28歳。慶應義塾大学環境情報学卒業新卒電通入社し、三年目にはクリエイティブ部門メディアプランナーとして社内の若手表彰を受けた。だが、そこで燃え尽きたのか、あるいは興味が尽きたのか、彼は「どうにも社風が合わない」という理由であっさりと退職してしまう。

 電通を辞したあと、彼は自らの預金父親経営する資産管理会社から分配金を元手に、港区タワーマンション引っ越した。34階、角部屋、東京湾が一望できる2LDK。広すぎず、だが一人暮らしには十二分すぎる贅沢な空間。そこで彼は、一切働くことなく、しかし「暇すぎて死にそう」という感覚とも無縁に暮らしていた。

 起床は午前10時。最初にやることは、顔を洗ってエスプレッソを淹れること。イタリア製マシンで豆から挽いたものだ。音楽Apple Musicクラシックプレイリスト観葉植物に霧吹きをかけ、洗濯機を回し、ルンバを稼働させる。そのあいだにプロテイン入りのヨーグルトバナナを食す。ルーチンは正確で、常に淡々と、綺麗に整っていた。

 午後になると読書。だが、読書といっても文学ではない。フィナンシャル・タイムズWIREDニューズウィーク。彼が目を通すのは常に「未来」の話題だった。哲学テクノロジー経済といったジャンルで、作家の名を語るようなものではなく、「情報としての価値」に重点を置いた読み方だった。

 夕方からジム高輪のパーソナルジムにて、週三回のメニューを欠かさない。体脂肪率12%。夕食はUber Eatsで取り寄せる。コース料理デフォルトで、時には三万円のディナーを平然とオーダーする。

 この生活に、彼は「満足している」と断言していた。

「なんか、もっと面白いことをやりたくなったんですよ」

 只野がそう言ったのは、ある春の日、都内のあるイベントで久々に顔を出した電通の先輩との会話中だった。彼はワインを飲みながら、ふとつぶやいた。

小説って、AIで書けるんじゃないですかね」

 その場にいた誰もが、冗談だと思った。

 だが、彼は本気だった。ChatGPT、Claude、Gemini。あらゆる大規模言語モデル研究し、出力されるプロンプトの精度を上げていく作業を繰り返した。

 構想3日、調整5日。完成稿の初稿が出力されたのは、思いつきからたった1週間後だった。

 タイトルは『石英の肺』。人間の呼吸器を模倣しようとするAIロボットが、なぜか「吸う」動作可能なのに「吐く」動作けができないという矛盾を抱え、それが社会全体の空気感リンクしながら哲学的に展開されていく──という、ポストヒューマンSFとも言える構成だった。

 彼はこの小説を、日本最大の文学である直木賞に応募した。

 出版経験なし。執筆歴なし。そもそも小説家になりたいと考えたこともなかったという。

 だが一次選考を通過した。

 そして、通過の知らせを受けた翌週、彼はツイートした。

プロンプト家、はじめました。」

 この発言が、後に大炎上を引き起こすとは、まだ誰も知らなかった。

 只野はその後、テレビ出演やインタビューほとんど断っていた。理由は、「面倒だから」。それでも『文藝新潮』とだけは特別に対談を設け、こう語った。

小説を“書く”なんて、もう古いんですよ。人間感情衝動に突き動かされて文字を紡ぐなんて、効率悪すぎる。僕がやったのは、論理的構造テーマ性の設計、そして意味抽象度を操作すること。それをAI文章にしてくれる。もはや“書く”ではなく、“指示する”時代です」

 文学関係者からは怒号が飛んだ。

「ふざけるな」

冒涜だ」

テクノロジー悪用

言語に対する冒涜

 X(旧Twitter)では、#文学を返せ #直木賞終わった が数日トレンドに入り続けた。

 ──だが。

 只野天才作品石英の肺』は、最終選考突破した。

 満場一致だったという。

2

授賞式当日。帝国ホテル大広間は、報道陣と関係者でごった返していた。

 壇上に立った只野は、淡々とした表情でこう語った。

「私の作品が、AIによって書かれたことに違和感を抱く方もいらっしゃると思います。ですが、私はプロンプト家です。私が与えた命令が、AIにとっての筆であり、私は設計図を描いたに過ぎません。にもかかわらず、完成された“家”に価値があるのなら、それを建てた大工ではなく設計者にこそ拍手を送るべきだと、私は考えます

 拍手はまばらだった。

 壇上を降りた彼に近づいたのは、某老舗文芸誌編集者だった。灰皿に煙草押し付けながら、皮肉な笑みを浮かべて言った。

「君は小説家じゃないよ、ただのハッカーだ」

 只野は、まったく表情を変えずに答えた。

小説とは、感情を揺さぶものだと誰が決めました?システムを揺さぶってはいけないのですか?」

 それから数日後、渋谷ヒカリエで開催された受賞記念パーティータキシードを着た只野は、会場中央スポットライトの下で挨拶した。

「私は、今日、ここに文学の“終焉”を宣言します。いや、正確には“次の始まり”と言うべきかもしれません。文学感情記述するものから構造を指示するものへと進化すべきです。AIと共に創ることを拒絶することが“純粋”なのではない。拒絶すること自体が、もはや怠慢です」

 このスピーチがまたしてもネット炎上した。

AIに書かせて賞取って天狗になるな」「これでいいのか直木賞」「文化庁は黙ってるのか」

 だが炎上の嵐の中でも、彼は変わらなかった。

 翌週、表参道の某ギャラリーで行われたトークイベントでも、彼は同じスタンスを貫いた。

「僕の仕事は、“いかに指示するか”なんです。言語は、感情の発露ではない。構造の組み替えです。プロンプトは未来の詩だと、僕は本気で思ってます

 その晩、ネット掲示板のあるスレッド書き込みがあった。

只野天才って、なんでこんなに腹立つんだろうな》

《全部正論なのにムカつくって、逆に才能だよな》

あいつ刺されてほしいわ》

 この最後書き込みが、後に一部で問題視されることになるのだが──それはまた、別の話である

3

イベント当日、渋谷ヒカリエステージ上はまばゆく、只野天才の姿もやけに艶やかだった。

タキシードは特注のトム・フォード蝶ネクタイブリオーニ、ポケットに忍ばせた金のペンカルティエ。何もかもが高級で、調和していて、だが過剰だった。

壇上でマイクを持った只野は、まるでプレゼンのようにスライドを切り替えながら語った。

文学とは、“苦悩の排泄物”ではない。“設計された感情”だ。

 AIに語らせれば、魂は不要かもしれない。だがそれでも人は泣く。ならば、魂って、必要か?」

聴衆の一部は拍手したが、半数以上は腕を組み、黙っていた。

その沈黙の中に、不明瞭な不安が流れていた。

客席最後方の非常口そば、ひとりの男が立ち上がった。

スーツは皺だらけ、足取りは重く、しかし確実だった。

壇上に近づく男にスタッフが反応しきれなかったのは、彼の存在感があまりに“薄かった”からだった。

何者にも見えなかった。ただの、通りすがりの観客。

だが──手には、小さな包丁が握られていた。

照明が一瞬揺れ、次の瞬間、只野の胸元に銀色の軌跡が走った。

時間が止まったようだった。彼はほんの少し顔をしかめ、それから、まるで安心たかのように微笑んだ。

「……やっぱり、そうなるのか」

それが彼の最後の言葉だった。

鮮血が胸元に広がり、ステージに膝をつく。彼の影だけが、すっと沈んでいった。

会場が騒然とし、スタッフが男を取り押さえ、緊急搬送サイレンが鳴るなか、ニュース速報が各局に走った。

『速報:作家只野天才氏、刺殺される/逮捕の男は47歳・自称小説家 黒詩影郎』

テロップは正確だった。

年齢、“自称”の二文字、そして“黒詩影郎”という見るに堪えないペンネーム。

ネットはすぐに湧き上がった。

「黒詩影郎って…中二病にもほどがあるだろ」

「47で“自称小説家”ってことはつまり無職”でしょ」

「これは笑ってはいけないけど、名前で2回殴ってくるな」

だが、只野の死に対するネット空気は、驚くほど整っていた。

「正直、清々した」

あいつの顔見るだけでイラっとしてた。なんかムカつくんだよ、完璧風にしてるのが」

文学バカにした報い。因果応報

Xでは #只野天才 で弔いもされていたが、それ以上に #黒詩影郎 がトレンド1位を奪った。

同時に『石英の肺』は飛ぶように売れた。書店からAI小説コーナーが設置され、重版は四度目に突入

「死んだ後で読むと、意味が変わる」というコメントが並んだ。

あるレビューには、こんな一文があった。

只野小説は嫌いだった。でも、今は認める。だって俺、あの瞬間、泣いたんだ。AIが書いたってわかってても、心が動いた。だったら、それでいいじゃんか」

テレビでは元同僚という男が涙ながらに言った。

「彼は、ほんとに変なやつだったけど、天才でしたよ。変な意味じゃなく」

そして、彼を刺した黒詩影郎について、周囲の情報ほとんど出なかった。

知人は「昔、文学賞に投稿していたようだが、何一つ入選しなかった」とだけ語った。

週刊誌には「彼が投稿していた小説の一部」として、奇妙な一文が転載された。

「人は、誰かを刺すことによって、自分を終わらせる。文学もまた然り」

この事件は、文学におけるAI革命象徴として語られ、同時にそれを殺した“魂”の火種としても、永く記憶された。

只野天才は死に、黒詩影郎は閉じられた鉄の扉の中で沈黙した。

だが物語は、生き残った。

物語は人が語るべきだ」という信仰と、

人を動かすなら手段は問わない」という新信仰が、

今もどこかでぶつかりあっている。

いずれにせよ──。

この事件証明されたのは、文学にとって「誰が書いたか」は、

もう最重要ではなくなった、という事実だった。

誰が書いたっていい。

だって、読者は、

最後に泣いた。

それだけで十分だった。

2025-05-19

コミュ力高めの旧帝院卒 教育YouTuberの人が新卒で入った会社パワハラ発言されたり虐めみたいな待遇受けて1年もせずに辞めたって話を聞いて、社会怖すぎると思った

参政党の政策

子供を3人育てた職歴の無いおばさん35歳を新卒扱い+高い給与で雇う社会しましょう

だっけ?

 

なんつーかあれなんだな

もう世論も、実際そいつがどんな成果を出せるかよりも属性権威収入が決まる世の中でいいって感じなのかな

道徳的に優位な人が金を得るべきって考えなのかな?

この「高い給与ももちろん国から補助金ありきでの考えだろうし

みんなそういう社会を望んでるのかな

 

まあ俺はこの政策には明確に反対だけど

若い時期に子供産んで仕事から離れた女には刺さる演説だったのだろうか

anond:20250519124120

中途だったら実績で取るよ。

新卒はもちろん学生時代研究内容なりその他実績なりは見るけど、そんな周りと差がつくような実績ってそうそうないか学力自分課題解決できる力を考慮するよ。

あくま自分会社の話なんで、特にIT系は違うと思うけど。

F欄の理系

F欄でも資格取れる大学→その仕事

F欄文系飲食なり営業なり

ってイメージはあるんだけど、F欄の理系って新卒で何の仕事に就くの?

ちなみに自分データサイエンス系の会社で働いているけど、新卒だとF欄データサイエンス学部MARCH経済学部数学できる)で採用悩んだら後者取るらしい。

理系特有仕事があるのか、結局文系と同じような仕事に就くのか。周りにF欄出身者がいないので教えてほしい。

※ここでいうF欄は偏差値40未満の大学ということで

2025-05-18

逆に30過ぎの女が真っ新な思想しか持ってなかったら怖くないか

無礼講な席での下ネタに笑ったり若干ブラックめな発言しただけで

「そういうタイプだと思わなかった…」って男性陣に割と本気のトーンで言われるんだが

学校出たての新卒ならともかくこちとら10年は社会で揉まれてるんやぞ

お綺麗な思想だけでやっていける訳ないやろがい

anond:20250518122736

低能先生」として知られる松本英容疑者は、2018年福岡市で発生した「Hagex氏刺殺事件」の加害者です。

事件当時、松本容疑者は42歳で、無職でした 。

この年齢から推察すると、就職氷河期世代1993年2004年頃に新卒就職活動を行った世代)に該当する可能性があります

anond:20250517122952

新卒からずっと働き続けてる俺のほうがえらいだろ

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