「マリー・ローランサンとモード」
2023.02.18(16:00)
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昨日、映画「別れる決心」(レビュー記事はこちら→「別れる決心」と「マリー・ローランサンとモード」)を見たあと
同じBunkamuraのザ・ミュージアムで「マリー・ローランサンとモード」を見てきました。
マリー・ローランサンの絵は私が物心ついた頃からちょっと怖いと思っていた何冊かの絵本の挿し絵だったいわさきちひろさんの絵に似ていて(大人になってからは子どもの絵など可愛いと思うようになりました)実は家に飾りたい絵ではないのですが
彼女を取り巻いていた人達のことも色々と出てくるのではないかと見てきました。
例えばコクトーとかシャネルとかピカソとかアンリ・ルソーとか。
アンリ・ルソーは多分出てこなかったように思いますが見逃したか?
1920年代の絵は上の絵のようなとても淡い、そして作品によってはちょっと暗い感じの絵が多かったのですが1930年代になるともう少し色合いが濃く使う色ももう少しカラフルになってきます。
同い年のシャネルとローランサンの関係もなんだかちょっとクスッとする関係で仲がいいのか悪いのか。
お互いに気が強くて意地っ張りな感じではありますが嫌っていたわけではないのでしょう。
社交界で「ローランサンに自画像を描いてもらう」というのが流行っていたのでシャネルもローランサンに描いてくれるように注文。
ところがその出来が不満で描き直してくれるように頼んだけれどローランサンは拒否。
それでシャネルは買い取らなかったということから二人はギクシャク。
でもローランサンはどうやらシャネルのお店には通っていたようでシャネルのデザインは気に入っていたのかな。
ローランサンもシャネルも舞台芸術にも手を広げて行き
ロシア·バレエ団のバレエ·リュスが前衛芸術家達も取り入れて、例えば音楽ならエリック·サティとか画家·装飾家ならアンリ·マティス、ユトリロ、ピカソ、ローランサン、シャネル等、文人ならコクトー等といった具合で
バレエ·リュスの「青列車」という演目は台本がジャン・コクトー、衣装がシャネル、舞台幕がピカソ、舞台装置(デザイン?)などにローランサン···と、今考えると贅沢な感じですね。
この展覧会では1910年代から1930年代のパリの女性のファッションの移り変わりも見ることができます。
1910年代、窮屈なコルセットから解放し動きやすく尚且つ女性らしいファッションのポール·ポワレ。
1920年代、もっとシンプルで実用的でスカートも短いシャネル。
「ポワレが去り、シャネルが来る」(ジャン・コクトー)
1930年代、バイアスカットのマドレーヌ·ヴィオネの頃にはロングドレスが復活。
2011年、シャネルのカール・ラガーフェルドがローランサンからインスピレーションを受けてデザインしたドレス。
その他1910年代のシャネルが作った帽子や1927年頃シャネルがデザインしたデイ·ドレスの展示もあります。
追記:
この頃の写真も映像で見ることができたのですが、
女性の爪を見ていたらマニキュアと思われるネイル装飾の人はいることはいたものの、ローランサンも含めて(シャネルもだったかな?)皆さん短く切りそろえられていたのが印象的でした。
さて、「マリー・ローランサンとモード」を見たらまたロビーラウンジに戻ります(^^)
映画を見る前のランチに続いてまた「マリー・ローランサンとモード」タイアップメニューのフレーズ·オレ。
「マリー・ローランサンの絵画で印象的なパステルカラー。その中でもピンクは特によく用いられ、象徴的な色です。そんなピンクをイメージして、イチゴを使ったドリンクを用意しました。春の訪れを感じられる一杯となっておりますので是非ご賞味ください。」
とのことです。
昨日は一箇所、一日で2度美味しい芸術鑑賞日でした。
GREEN TEA
「別れる決心」と「マリー・ローランサンとモード」
2023.02.18(01:53)
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渋谷Bunkamura ル・シネマ1で今日から公開の「別れる決心」を見てきました。
非常に前評判が高く、カンヌ国際映画祭監督賞受賞、アカデミー賞国際長編映画賞部門韓国代表(残念ながらノミネートならず)、「パラサイト 半地下の家族」の次はこれ!等絶賛されていたので気になっていました。
2022年韓国 138分
監督:パク・チャヌク 脚本:チョン・ソギョン、パク・チャヌク
史上最年少で警視に昇格したチャン·ヘジュン(パク·ヘイル)は非常に真面目でとにかく良い人。
途中からは佐々木蔵之介さんにしか見えなくなってました(^^)
ヘジュンには仕事の関係で別居しているが毎週末に一緒に過ごす妻アン·ジョアン(イ・ジョンヒョン)がいる。
寝ずに捜査をするヘジュンに部下スワン(コ・ギョンピョ)が「ちゃんと寝ないと車の運転も危ないですよ」と言えば「寝られないから仕事をするんだ」と言い、実際不眠症に悩んでいる。
登山をして落下し死亡した男性は自殺か他殺か、自殺だと主張している中国人の妻ソレ(タン·ウェイ)に疑いを持ち調べていくうちにお互いになんとも言えない感情が静かに滲んできて
ある時ソレに言われるとおりにソレの呼吸に合わせて呼吸をし、まるで催眠術のような言葉を聞きながらヘジュンはぐっすりと眠ってしまう。(これ、子どもたちが赤ちゃんの頃に私がいつも使っていた手に似ています。生まれたときから一人で寝かせていたのですが私の場合は真っ暗な中で手を握って私がわざと寝息をたてて聞かせるのです。そうするとすぐに安心して寝てくれました(^^))
容疑者とも言えるソレに刑事のヘジュンは心許してしまったのでしょう。
とにかく犯人は逃したくない必ず捕まえたいと、この仕事を誇りに思ってやってきたヘジュンが
「僕は完全に崩壊しました」
というほどにソレへの想いが強くなる。
ソレの事件との関わり方が「ザリガニの鳴くところ」(過去記事はこちら→「ザリガニの鳴くところ」)に似ている気がする。
最初の事件後しばらく離れ、妻といたヘジュンと新しい夫と一緒のソレが偶然?再会した直後にまたソレの夫が何者かに殺される事件が起こる。
ヘジュンがソレになぜその人と再婚したのかと聞くと
「別れを決心しようと思って」と。
そういうことなのでしょう、ソレもずっとヘジュンを想っていた、そして忘れるために···
「あなたの未解決事件になりたくて」なんていうことも言っていました。
ヘジュンは事件について真実を追求することはやめないが、そこにどうしても感情が···
そしてラストは···
う〜ん、今回に関して言えば見ているときの環境がちょっとだけ良くなかった部分もあって集中できず見逃した、聞き逃した箇所もちょっとあったので決めつけることはできません。
が、何でしょう、とても静かで複雑で熱い心を描いていたのはとても良いですし、ミステリーとかサスペンスとかそういうのも味わえるのですが
すごく感動したとか、ものすごく良かったとまではまだいけませんでした。
でももう一度全て見逃さず見たらジワリジワリ好きな映画になる可能性もあります。
この映画のパンフレットなのですが
こんな封筒に入っています。わざとインクで汚れたようなデザインでこんなの初めて。
後ろには傷テープのようなシールで封がされています。
映画の中に出てくるからでしょう。
中を開けたら
パンフレットの他にポストカードが8枚も入っていました♪
映画の前にいつものようにロビーラウンジでランチを。
「マリー・ローランサンとモード」タイアップメニューの「アッシ·パルマンティエ(パン、サラダ付き)」にしました(紅茶とセットで)。
フランスではポピュラーなお料理だそうで簡単に言うとミートソースの上にマッシュポテトと野菜を乗せてグリルした物という感じです。
美味しくてお腹もいっぱいになってしまいました。
菜の花も茹でるだけではなくシンプルにグリルしても美味しいのですね。
このあとすぐ下の階のザ・ミュージアムで「マリー・ローランサンとモード」も見てきました。
そちらはまた次の記事で。
こちら→「マリー・ローランサンとモード」