昨日、映画「別れる決心」(レビュー記事はこちら→「別れる決心」と「マリー・ローランサンとモード」)を見たあと
同じBunkamuraのザ・ミュージアムで「マリー・ローランサンとモード」を見てきました。
マリー・ローランサンの絵は私が物心ついた頃からちょっと怖いと思っていた何冊かの絵本の挿し絵だったいわさきちひろさんの絵に似ていて(大人になってからは子どもの絵など可愛いと思うようになりました)実は家に飾りたい絵ではないのですが
彼女を取り巻いていた人達のことも色々と出てくるのではないかと見てきました。
例えばコクトーとかシャネルとかピカソとかアンリ・ルソーとか。
アンリ・ルソーは多分出てこなかったように思いますが見逃したか?
1920年代の絵は上の絵のようなとても淡い、そして作品によってはちょっと暗い感じの絵が多かったのですが1930年代になるともう少し色合いが濃く使う色ももう少しカラフルになってきます。
同い年のシャネルとローランサンの関係もなんだかちょっとクスッとする関係で仲がいいのか悪いのか。
お互いに気が強くて意地っ張りな感じではありますが嫌っていたわけではないのでしょう。
社交界で「ローランサンに自画像を描いてもらう」というのが流行っていたのでシャネルもローランサンに描いてくれるように注文。
ところがその出来が不満で描き直してくれるように頼んだけれどローランサンは拒否。
それでシャネルは買い取らなかったということから二人はギクシャク。
でもローランサンはどうやらシャネルのお店には通っていたようでシャネルのデザインは気に入っていたのかな。
ローランサンもシャネルも舞台芸術にも手を広げて行き
ロシア·バレエ団のバレエ·リュスが前衛芸術家達も取り入れて、例えば音楽ならエリック·サティとか画家·装飾家ならアンリ·マティス、ユトリロ、ピカソ、ローランサン、シャネル等、文人ならコクトー等といった具合で
バレエ·リュスの「青列車」という演目は台本がジャン・コクトー、衣装がシャネル、舞台幕がピカソ、舞台装置(デザイン?)などにローランサン···と、今考えると贅沢な感じですね。
この展覧会では1910年代から1930年代のパリの女性のファッションの移り変わりも見ることができます。
1910年代、窮屈なコルセットから解放し動きやすく尚且つ女性らしいファッションのポール·ポワレ。
1920年代、もっとシンプルで実用的でスカートも短いシャネル。
「ポワレが去り、シャネルが来る」(ジャン・コクトー)
1930年代、バイアスカットのマドレーヌ·ヴィオネの頃にはロングドレスが復活。
2011年、シャネルのカール・ラガーフェルドがローランサンからインスピレーションを受けてデザインしたドレス。
その他1910年代のシャネルが作った帽子や1927年頃シャネルがデザインしたデイ·ドレスの展示もあります。
追記:
この頃の写真も映像で見ることができたのですが、
女性の爪を見ていたらマニキュアと思われるネイル装飾の人はいることはいたものの、ローランサンも含めて(シャネルもだったかな?)皆さん短く切りそろえられていたのが印象的でした。
さて、「マリー・ローランサンとモード」を見たらまたロビーラウンジに戻ります(^^)
映画を見る前のランチに続いてまた「マリー・ローランサンとモード」タイアップメニューのフレーズ·オレ。
「マリー・ローランサンの絵画で印象的なパステルカラー。その中でもピンクは特によく用いられ、象徴的な色です。そんなピンクをイメージして、イチゴを使ったドリンクを用意しました。春の訪れを感じられる一杯となっておりますので是非ご賞味ください。」
とのことです。
昨日は一箇所、一日で2度美味しい芸術鑑賞日でした。
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