鈴木邦男
文筆家/元一水会顧問
タイトルが凄い。戦争映画かと思ったが従軍慰安婦を取り上げた論争映画だ。
日米韓の政治家、学者、ジャーナリスト、活動家、市民が次々とインタビューされる。
驚いたのはネトウヨの登場だ。彼らに初めて場が与えられた。
今までの恨みもあって彼らの叫びもすさまじい。それに反対する人たちも命がけだ。
監督はそれを丁寧に拾い上げディベートさせる。
映画館だけじゃもったいない。世界中の学校で上映すべきだ。
http://www.shusenjo.jp/昨年、上映会を開いた『主戦場』に推薦コメントを寄せていた鈴木邦男先生を追ったドキュメンタリー映画『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』を再開したばかりのシネ・ウインドで観賞。
右翼活動家としての原点に山口二矢、そして森田必勝を引き入れたとあって、
そうか伝説となった二人は存命なら鈴木邦男氏と同世代、
もし生きてたらどういった思想を持って今の時代と対峙しているんだろうかと。
この映画で最も強く印象に残ったのが築50年は建ってるような古いアパートでインタビューに朴訥と応えるシーン。
新右翼というより売れない純文学作家をイメージさせる本に囲まれたアパートで日々、
孤独と向き合い強固に理論武装を図って読書と執筆に励んでるんだろうと、
華々しく散った伝説の二人からすればある意味、
老いた姿にわびさびを感じがらも生き残った活動家として真っ当な姿に映りました。
そして誰もが称賛するのが違う考えを持つ者に対して決して声高にならず、向き合い耳を傾けて対話をするということ。
「自分自身が正しいと思い込んで自滅した人がたくさんいた」
中村真夕監督のインタビューに鈴木氏の言葉としてありましたが、
活動を通して自戒を込めた結果、威張らず、相手の言葉に耳を傾ける。
これは率直に見倣いたいと思いました。
翻ってこちらは先の『主戦場』上映会前からブログで異なる意見の方との対話も大事だと思い、
やりとりを続けてましたが、先方は間違っても非を詫びることは絶対にせず、
上から目線で罵倒、声高に自分がどれくらい物知りかを主張することにすっかり閉口、
次第に不毛を感じてこれは議論にもならないとコメント欄を閉鎖した次第、
その後もそんなタイプが来ても一切スルーしてるので鈴木邦男氏の境地に達するにはこちらは小さいなぁと思うとともに、
8月15日は毎年靖国神社を参拝、森田必勝の命日も墓参りを欠かさないという、
周りが変わっただけで芯はブレない愛国者”鈴木邦男氏を記録した本作を相手方も観ていただき、
一緒に鈴木氏の爪の垢でも煎じて飲みたいものだと思ったりしますが、
『主戦場』を薦めても陰謀論に染まり、難癖をつけては絶対観ない方だったのでまぁ無理な話かと。
ついでに『主戦場』では日本会議のラスボスが登場し、
その言動に多くの観客はひっくり返ったと思いますが、
その昔、鈴木氏を蹴落とした人たちが、その後に日本会議を設立したそうで、
そう思うと先に寄せた『主戦場』への鈴木氏のコメントも一層、重みを感じました。
あと書いてて思い出したのは『主戦場』上映前夜、
こちらは準備で忙しいのに『主戦場』を上映するのはけしからんと、
非通知で電話してきた女性と1時間たっぷりお話しし、
最後に互いに笑って電話を切ることができたのですが
取り合えず口下手なこちらも論客とやり取りできたのは電話だからか、
それ以上に相手もこちらの話をきちんと聞いてくれたからではないかと思ってます。
さらについでに鈴木邦男氏を知ったの80年代の宝島社が出してたプロレスのムック本にやたらと名前を見かけてて、
プロレス評論家の肩書を持つ氏の側面はサスガに触れてはいませんでしたが、
映画の中で理論とともに肉体も武装することで50代から柔道を始め黒帯というのは率直に参りました。
今は体調が優れないそうですが、回復いただきますことを。
『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』はシネ・ウインドで5月15日(金)12時05分より公開しています。
https://www.cinewind.com/information/2020-5-7/『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』
http://kuniosuzuki.com/冒頭、小林よしのり先生の街頭演説も驚きながら見てました。
これを書いてる際のBGMはもちろん頭脳警察です!