寺内貫太郎の母
“おごらず、人と比べず、面白がって、平気に生きればいい“
↑こちらの名言が表紙に添えられた
いつも心に樹木希林~ひとりの役者の咲きざま、死にざま~
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-2162.html
↑こちらで紹介したキネマ旬報が発刊した樹木希林さんのムック本を文進堂書店に取り置きしてもらい購入。
やはり人気があるらしく、発刊したばかりでなかなか冊数がこちらに来ないとのことでした。
活動の場を舞台からテレビ、そして映画へと移していくに合わせてご本人のエッセイを何篇か収録、読んでてエッセイストでも一流だったことがよくわかり、中でも岸田森との新婚時代について書かれていたのが貴重でした。
担当者が最も注目したのが現在のプロインタビューアーの旗手・吉田豪さんによるインタビュー。
訃報後にネットでいかに希林さんがトンデモナイ人なのか畏敬の念とともに語られて伝説と化した10年前のインタビューが、そのまま採録。
これが最初からガチンコで攻めてくる希林さんにたじろぎながらも、事前のリサーチから得た情報を投入しながら懐の中へと入っていく、おそらくこれ以前のインタビューもこんな形で取材者を手こずらせていたと想像しますが、それらはオブラードに包まれて記事になったと思い、こんな形でさらけださせていたのは歴戦の雄である吉田豪さんのインタビューでもベストバウトなるほど読みごたえがありました。
このうち主演作『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』について歯に衣を着せずに監督を批判し読んでて実にスリリング、そしてチャールズ・マンソンから取ってマンソンと呼んでた二度目のご主人、内田裕也氏への複雑な感情も漏らしてて長年、裕也ファミリーを取材している吉田豪さんが涎を垂らしながら聞き込んでる図が想像できました。
吉田豪さんが以前ラジオでモックンと二世帯住宅で豪邸を建てた希林さん宅に毎晩、別居中で寂しさから裕也さんが怒鳴り込みに来るので、怒った希林さんがある晩、モックンとともに家に入れて本気でボコボコにしたら、殺されかけた裕也さんが「これじゃぁ、林檎殺人事件だよ」と言ったエピソードがたまらなく好きなのですが、このインタビューで「殺しかけたことがある」と語ってるので、あれは本当だったのかと片鱗が垣間見えました。
そして『人生フルーツ』『神宮希林 わたしの神様』の東海テレビ放送の阿武野勝彦プロデューサーが「希林さんのお金の話」と題して、お金の面から見たエピソードを。
希林さんはマネージャーも付けず作品選定もギャラの交渉も自ら行うため、プロデューサーが直談判しなければならず、大手映画会社に比べて余裕のないテレビのドキュメンタリーで用意したギャラがはたして妥当なのか、最初の出演交渉をした『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』の際の赤坂の高級料亭でのエピソードでの希林さんの気遣いについてなかなか感動的なエピソードを綴った後に、後に『神宮希林』にも登場するエピソードをぶち込んで、人間観察の達人と評した希林さんと互角までいかなくても追随した阿武野プロデューサーの人間観察の妙も感じさせてくれました。
そして東海テレビへの信頼が2014年の『戦後70年 樹木希林 ドキュメンタリーの旅』に出演したことが挙げられ、お金を巡ってのエッセイで「お金では買えない何かを希林さんは私たちの仕事で感じてくれているようだった」と希林さんとの交流を振り返り、先の吉田豪さんのインタビューとともに一筋縄でいかない希林さんの人柄が伺えるエッセイとなってました。
件名は収められた向田邦子先生の珠玉のエッセイ。
向田先生が脚本を書いた『寺内貫太郎一家』の中で「ジュリー」と身悶えしてた希林さんが29歳で演じお婆さん寺内きんさんのプロファイル。
ここにも収められてる是枝弘和監督の弔文の中で
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-2142.html
希林さんが向田邦子先生への複雑な思いを併せて読むと一層感慨深くなりましたが、この寺内きんさんは新潟生まれという設定なのは初めて知りました。
http://www.kinejun.com/book/detail/tabid/89/pdid/978-4-87376-858-8/Default.aspx
樹木希林さん&伏原健之監督 『人生フルーツ』『居酒屋ばぁば』『神宮希林 わたしの神様』長岡上映会
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3月10日 『おだやかな革命』長岡上映会
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-2135.html
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