高岡にいた時に目にしたフリーペーパー“遊んどこっ”
手に取ったのは常盤貴子さんが表紙で「野のなななのか」公開に合わせたインタビュー記事が掲載されてるからでした。
もっともこのフリーペーパーは新潟でも入手できるようですが初めて目にしました。
「複雑で見ている人を迷路に飛び込ませてくれるような、そういう魅力を持つ作品」
「これまでやってきたようなお芝居でなく、すべてグレーというか、答えのない芝居、自分の存在が分からない芝居にすることを心がけてみました」
などと「野のなななのか」の魅力について語ってます。
これはインタビューには触れてませんが「野のなななのか」への出演は
長岡花火を大林監督と観たことがきっかけだそうで、
“繋がり”をテーマにした映画だけにいい話だと思いました。
担当者は出世作「悪魔のKISS」は当時毎週欠かさず見ており、
借金地獄から風俗嬢に落ちていく常盤さんの今や欠番となってる、
あのシーンもリアルタイムで見ておりましたが、
その後の「連ドラの女王」として君臨してた頃はあまり興味も抱かず、
むしろ一時期香港映画に連続出演していたのは、
面白い活動をしてるなぁ、と思ってました。
レスリー・チェンと共演した「もう一度、会いたくて 星月童話」
アンディ・ラウと共演の「ファイターズ・ブルース」と
いづれも評価が微妙なダニエル・リー監督作に果敢に挑んでたのは好感を持ってました。
そして市民映画館をつくる会で2007年に上映会を開いた
「筆子、その愛」において石井筆子さんという福祉という概念さえない時代に
弱いものの側に立ち社会福祉を率先した真に尊敬すべきヒロインを常盤さんは演じており、
どうみてもこれまでの常盤さんの作品に見合わない低予算の映画の中で
石井筆子を演じる喜びがほとばしるほど情熱を込めて演じているのを見て
常盤さんの姿勢に敬意を抱くようになりました。
また石井筆子というほぼ無名の人の映画を紹介するのに
“常盤貴子”というのは本当に大きな名前で上映会を開く側は本当にありがたかったです。
「野のなななのか」もこれまで大林映画に関心のなかった方も
常盤貴子という名前に惹かれて興味を抱いた映画ファンも大勢いるかと想像します。
実際に映画に謎めいた役で常盤さんが登場したら抜群のオーラですぐに惹きこまれたばかりか、
制服姿の16歳を演じ違和感がさほどないのはサスガだと思ったりしました。
「筆子、その愛」の出演後は明らかに出演作に変化があるように思う常盤さんの新作は
反原発映画として物議を呼んだ「朝日のあたる家」の太田隆文監督の「向日葵の丘」。
書きにくいですが、これまで反原発映画監督の作品に常盤さんクラスの女優さんが出演することなど、
極端に言えばあり得ないように思いますが、おそらく内容に惚れ込んだ常盤さんの意向が大きく反映しての出演ではないかと想像します。
これは昭和プロレスのファンならわかる例えと思うのですが、
メジャーでない作品にあえて出演することで自身と作品に目を向かせ集客含めて価値を高めていく姿勢は
ブルーザー・ブロディのように映ったりします。
それも含めて常盤さんの活躍に注目したいと思いました。
すみません、わかる人にはわかる話です。