釜山国際映画祭20周年、出会えた(出会えなかった)20人に寄せて(五十音順、敬称略)杉田 愉
杉田愉監督にレポートの寄稿をお願いしたところ快諾いただき、
今回、豊富な画像とともに届きましたので一挙掲載します。
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-870.html
読んでて、あの著名な映画俳優と杉田監督は大学の同級生だとは初めて知りました。
今回は杉田監督の【人篇】ですが、
明日は同じく出席した品田涼花さん、丸山桃子さんも含めた【食篇】を送りますので、
あわせてお読みください。
杉田監督ありがとうございます。
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釜山国際映画祭20周年、出会えた(出会えなかった)20人に寄せて(五十音順、敬称略)杉田 愉
【人篇】
「イ・サンフン」
大邱でお会いした今回の旅の救世主。
多忙にもかかわらず公式上映にも来てくださり大勢の方々との橋渡しをして頂いた。
公園の噴水のように続くキユミとサユルの物語をこれからも見守ってください。
「イ・ヨングァン」
東京フィルメックスでは審査委員長として来日された釜山国際映画祭ディレクター。
海雲台グランドホテルでのレセプションパーティーで招待状を頂戴したお礼をジョークを挟み述べたところ満面の笑みを浮かべ笑ってくださったのが印象的。
「キム・ギドク」
海雲台ビーチが眼下に広がるウェスティン朝鮮ホテルで久しぶりの再会を果たす。
私も豊齢線が目立ち始め、彼は白髪がだいぶ増えていたようだが、お互いの映画論を存分に語り合う至福の時を過ごせた。
謙遜しながらも揺ぎ無い自信に満ちた態度は不変なままで、目尻に皺を寄せた柔和な眼差しは慈悲深さに溢れていた。
詳しくは月刊シナリオ教室2016年1月号「青山でお茶を」をご一読ください。
「キム・ヨンウ」
拙作をこよなく愛してくれた釜山国際映画祭プログラマー。
ゆっくりと的確に言葉を選ぶ語り口からも真摯な人柄が伺えた。
「キャリー・シン」
映画祭に再び帰ってきたいと思わせる柔和な笑顔が印象的な釜山国際映画祭担当スタッフ。
誕生日に写真まで送ってくださり感謝しております。
「クロード・ルルーシュ」
堂々と公言するのは何とも気恥ずかしいというか屈折した感情もありこっそり胸に秘めてたのですが、学生時代に浴びるように彼の作品群を観てた時期がありました。
はじめて映画監督として某番組にゲストとして呼ばれた際にスタジオで流れていた曲がフランシス・レイによる『夢追い』。
「是枝裕和」
プラチナチケット化していた『海街diary』韓国プレミア上映を映画の殿堂で満員の観客の方々と拝見。
漫画原作という先入観があったせいかいつもの是枝作品より登場人物たちの輪郭線がやや濃い感覚を抱く。
ご挨拶のタイミングを逃してしまい美味しいケジャンのお店を尋ねるのも忘れてしまった。
「品田涼花」
学業優先のため皆より早い帰国になったが、漆黒のドレスを纏い大勢のスタッフを引き連れて歩く姿は圧巻。
家族や友達のお土産選びに集中してたらうっかり自分の分を買い忘れてしまうらしさは相変わらず。
「諏訪敦彦」
ソンジェ賞審査員。審査する側と審査される側なので、映画祭の意向もあるのか残念ながらお会いできず。
名監督はいづれも名優であるといった真実は『帰郷』での医師役で証明されています。
「ソフィー・マルソー」
代表作は数あれど『狂気の愛』に尽きるのではないでしょうか。
蛇足ですが、劇中で彼女が縄跳びしながら走り回ってたのを思い出したほど釜山が手配してくれた滞在先ホテルの部屋も広大でした。
「ソン・ガンホ」
滞在中に観客の方から「初めて観た韓国映画は何ですか?」と不意に尋ねられ、
CSで見たアン・ソンギが慶州へ旅するロードムービー『神様こんにちは』と即答したのはまあ良いとして、
続けざまに「では最近観た韓国映画は?」と問われたら『シークレット・サンシャイン』の衝撃があまりも強いため
それ以降も沢山観ているはずなの言葉に詰まってしまった。前回は渡辺謙氏が務めた開幕式の司会者。
「チェ・ヨンジョ」
日韓交流パーティーでお世話になった韓国で是枝監督作品などをはじめ多くの日本映画の字幕を担当されてる翻訳者。
送迎までして頂いた上に北野武監督や岩井俊二監督など今まで釜山を訪れた諸先輩方の話を聞くにつれなんとも身が引き締まる思いに。
「長澤まさみ」
舞台挨拶で話題になった大竹しのぶさんの物真似をいつの日か拝見したいものです。ちなみに『海街diary』上司役の加瀬亮さんと私は大学の同級生。
「マーティン・スコセッシ」
本来ならベネチアで公式上映予定だった『The Audition』がキャンセルになり、釜山で急遽ワールドプレミアとなったらしい。
おそらく釜山で上映された作品で最も豊潤な予算と思われ、デニーロもディカプリオもブラッド・ピットもCGじゃないのかと錯覚してしまったほど。
GV(ゲスト来訪)とあったのだがスコセッシをはじめ関係者は誰も登壇せず客席から「カモン!ブラッド」の声がむなしく響く。
「丸山桃子」
カメラマン達の眩いフラッシュを浴びながら司会者の質問に堂々と受け応え、時にはにかむ仕草は紛れもなく女優であり成人式を迎えたばかりの学生でもあり。
「三上智恵」
キェシロフスキの『ふたりのベロニカ』を薦めてくれたにもかかわらず、つい反射的に「学生時代に見たけどすぐ忘れた」と返答してしまったのは、姉御肌でとても気っ風の良い方だったからです。
「行定勲」
至る所で周りに人だかりできていましたが『セブンス アニバーサリー』で家人がお世話になった事もあり初日のレセプションパーティー会場でご挨拶。
「ラブ・ディアス」
5時間15分、7時間30分、9時間。いづれも彼の作品の上映時間。
私の最初の長篇もシナリオにすると百科事典数冊分もしくはひと昔前のタウンぺージ並みの分厚さになりそうな気配。
「ロイストン・タン」
調子に乗っていた訳ではないが拙作がコンペ部門に選ばれたら必ず受賞していた頃、その流れを止めたのが彼の『CUT』でした。
カフェ・ミニでの10年振りの再会でウラジオでウォッカを飲みかわした話や授賞式での若かりし頃の気恥ずかしい思い出話などにも花が咲く。
「観客」
モントリオールから拙作を観に来てくださった淑女、即興と演出について鋭い質問をしてくれた若き作曲家、友人が見たと声をかけてくれた新世界デパートの可憐な店員、すべての観客の皆様に感謝を捧げたい。
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