8月15日『標的の島 風かたか』長岡上映会は元より、
これまで『標的の村』『戦場ぬ止み』長岡上映会へとお客様にメッセージを送っていただいた
三上智恵監督に、そのお礼を伝えにシネマテークたかさきへ新作『沖縄スパイ戦史』初日に舞台挨拶へと足を運びました。
『沖縄スパイ戦史』上映後、これから舞台挨拶をする三上監督を目にし、
こういった機会は下手をすると失せるので、
すぐさま駆け寄り長岡上映会でメッセージをいただいたお礼を伝えた後、
手土産とともに先の長岡新聞の上映会記事をコピーしてお渡ししました。
「上映会はいかがでしたか?」と聞かれたので上映後にすぐさま拍手が起きたこと、
お客様はとても良かったといってくれたことをお伝えしたら、
「『沖縄スパイ戦史』もぜひ上映してくれます?どうでした?」
と言われて光栄に思いましたが、映画の感想はただ「キツかったです」と。
舞台挨拶の中で『沖縄スパイ戦史』についてこれまでの作品には
文化、希望、民主主義を盛り上げるシーンを入れたけど、
今回はあるシーン一つだけサービスシーンを入れたのみ、
あとはひたすら過酷な証言が綴られていき、戦争時の記録映像も悲惨さを伝えるだけにかなりエグイものでした。
それは映像だけでなく戦争秘話としてようやく明らかになったエピソードが、
このままだと繰り返されるのではという危機感と。
「沖縄戦が忘れられたら、また地獄が始まる」
主に三上監督が沖縄でもあまり知られてないという少年兵「護郷隊」を。
大矢英代監督が軍命の強制移住による多数の被害者を出した戦争マラリアを取材。
この大きなテーマが今の日本と繋がっていることを示すことが
「私にとって焦ることばかりです」という危機感となって伝わり、
『標的の島 風かたか』でも強く取材された先島諸島の自衛隊配備について
「軍隊によって守られたいという幻想がピークにある、
軍隊がくれば守られると本当に考えるのか」
と力をこめて話していました。
あと先ごろ亡くなった「翁長さんの話をすると私は泣く」
と話しながら、「病気にならない方がおかしい」と触れて、
「自分の命を持って8月17日の辺野古の土砂投入を止めた」と語りながら、
何度も目頭を押さえて沖縄県知事選に注目している、
「ここで折れたら翁長さんの思いが、、、」と。
翁長知事についてはこちらを↓見てほしいと紹介。
『三上智恵の沖縄撮影日誌 第83回:ぬちかじり~命の限り抵抗した翁長知事が逝く~』
http://maga9.jp/180822-5/また本土の人間が沖縄に関心を持たないように、
「アメリカ米軍基地に反対しても、自衛隊にはなぜ無関心なのか」と
沖縄本島が宮古島、石垣島に無頓着なのも製作動機のひとつのようなこと、
またわずか22歳で少年兵を率いた「陸軍中野学校」出身のエリート青年将校の二人に
取材を通して惹かれるものを感じたようなのは興味深く思いました。
また共同監督の大矢英代監督はテレビ局入社ほやほやの時に高江の現場に連れて行きカメラを持たせ、
そこで撮影したのが『標的の村』のファーストカットに使われてるそうです。
舞台挨拶後にきちんとサイン会が催され写真をお願いしたら快く承諾。
映画のナレーションで耳にする心地いい声とともに発せられるユーモアもとても笑えて、
やはりとても魅力的な方でした。
鎌仲ひとみ監督をもちょっと想起したりと。
『沖縄スパイ戦史』は8月31日までシネマテークたかさきで、
9月22日から10月5日までシネ・ウインドで公開されます。
http://www.spy-senshi.com/