「映画館休館中に考えたこと」 東京特派員
緊急事態宣言・解除とともに東京でも近々、映画館が再開していくようです。
以前、「映画館の休館で考えたこと」と題して心情を綴った東京特派員より
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-2605.html
再開を前に休館中に考えたことを再び寄稿いただきました。ありがとうございます。

もうすぐ最後まで残っていた東京などでも映画館が再開します。
約2ヶ月これほどの長い期間映画館に行けなかったのはなかなかつらかったです。
映画界もいろんな動きがありました。
一番大きかったのはミニシアターの存続の危機でしょうか。
閉館した映画館も出ました。
そんな間に考えたことなどを書いてみたいと思います。
まず全国で4月7日の緊急事態宣言以降、まったく映画を映画館で見れなくなったのでひたすら家で配信レンタルで映画を見ていました。
見た映画は以下のものです。
『インディペンデントリビング』1800円
『ホドロフスキーのサイコマジック』(アップリンククラウド)1900円
『春を告げる町』(仮設の映画館・新潟シネ・ウインド)1800円
『精神0』(仮設の映画館・高田世界館)1800円
『ハウス・イン・ザ・フィールズ』(ステイホーム今だけおうち映画館)1900円
『巡礼の約束』(仮設の映画館・深谷シネマ)1800円
『ナイチンゲール』(ステイホーム今だけおうち映画館)1650円
『サイゴンクチュール』(ステイホーム今だけおうち映画館)1800円
ほかにも普通のレンタルや定額配信なども見ていたのですが上記の映画配信の特徴は料金から映画館へ分配があること。
この時期はミニシアターエイドなどの募金や各シアターが行うグッズ販売などがありましたがこれらの配信サービスを見ることでもミニシアター支援に繋がるので積極的に利用しました。
中でもユニークなのが「仮設の映画館」で、これはその映画を上映するはずだったミニシアターごとに映画を選べて、その映画館の収益になるというシステム。
例えば『春を告げる町』なら北海道のシアターキノから福岡のKBCシネマまで全国20の映画館で上映されているのでその中から好きな映画館を選んで観賞するとその料金の半分ぐらいが選んだ映画館の収益になります(ちなみに私はシネ・ウインドを選びました)。
このやり方は現実の映画館が再開しても継続してもいいんじゃないかと思ってます。
例えば『春を告げる町』は16の都道府県でしか上映されていません。
それ以外の地方に住んでいる人は県をまたいで上映している映画館に見に行くしかないわけです。
これは大変な労力と時間とお金を使うことになります。
配信で東京と同時に見れるなら映画館と同額の料金でもメリットはあると感じるのではないでしょうか。
しかもそのお金が上映しているミニシアターにもいくとなれば日々経営に苦しんでいるミニシアターの援助にもなります。
一方気になったのはアメリカで『トロールズ』の続編を映画館が休館になったのでいきなり配信レンタルを開始したところ前作にせまる収益をあげたためこれからは映画館で公開せず直接配信が増えるだろう…というニュース。
映画製作者や配給が映画館がつぶれても自らの利益を追及するというのは映画を滅ぼすことになるように思います。
映画とは「映画館で上映するもの」だと思うからです。
配信で家庭のモニターで見ることを目的で作られたもの―明るい照明、家庭の雑音の中、食べたり会話しながら、よそ見をしても大丈夫なように作られたもの―それは映画ではなくドラマではないでしょうか(ドラマがいいか悪いかということではなく単純に映画ではないという意味です)。
また映画館で上映される前提で作られてきた映画の表現技法(脚本や演出、撮影、演技、音響、編集などなど)は映画館あってこそです。
映画館がなくなればそれらはなくなると思います。
映画館がないのにそんなことをする必要がないからです。
映画館がなくなることはひとつの文化の損失になると思います。
映画館の再開後はこれからはもう配信でいいやではなく映画館と配信を両立させてよりよい映画の未来を作っていってほしいと思っています。
以前、「映画館の休館で考えたこと」と題して心情を綴った東京特派員より
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-2605.html
再開を前に休館中に考えたことを再び寄稿いただきました。ありがとうございます。

もうすぐ最後まで残っていた東京などでも映画館が再開します。
約2ヶ月これほどの長い期間映画館に行けなかったのはなかなかつらかったです。
映画界もいろんな動きがありました。
一番大きかったのはミニシアターの存続の危機でしょうか。
閉館した映画館も出ました。
そんな間に考えたことなどを書いてみたいと思います。
まず全国で4月7日の緊急事態宣言以降、まったく映画を映画館で見れなくなったのでひたすら家で配信レンタルで映画を見ていました。
見た映画は以下のものです。
『インディペンデントリビング』1800円
『ホドロフスキーのサイコマジック』(アップリンククラウド)1900円
『春を告げる町』(仮設の映画館・新潟シネ・ウインド)1800円
『精神0』(仮設の映画館・高田世界館)1800円
『ハウス・イン・ザ・フィールズ』(ステイホーム今だけおうち映画館)1900円
『巡礼の約束』(仮設の映画館・深谷シネマ)1800円
『ナイチンゲール』(ステイホーム今だけおうち映画館)1650円
『サイゴンクチュール』(ステイホーム今だけおうち映画館)1800円
ほかにも普通のレンタルや定額配信なども見ていたのですが上記の映画配信の特徴は料金から映画館へ分配があること。
この時期はミニシアターエイドなどの募金や各シアターが行うグッズ販売などがありましたがこれらの配信サービスを見ることでもミニシアター支援に繋がるので積極的に利用しました。
中でもユニークなのが「仮設の映画館」で、これはその映画を上映するはずだったミニシアターごとに映画を選べて、その映画館の収益になるというシステム。
例えば『春を告げる町』なら北海道のシアターキノから福岡のKBCシネマまで全国20の映画館で上映されているのでその中から好きな映画館を選んで観賞するとその料金の半分ぐらいが選んだ映画館の収益になります(ちなみに私はシネ・ウインドを選びました)。
このやり方は現実の映画館が再開しても継続してもいいんじゃないかと思ってます。
例えば『春を告げる町』は16の都道府県でしか上映されていません。
それ以外の地方に住んでいる人は県をまたいで上映している映画館に見に行くしかないわけです。
これは大変な労力と時間とお金を使うことになります。
配信で東京と同時に見れるなら映画館と同額の料金でもメリットはあると感じるのではないでしょうか。
しかもそのお金が上映しているミニシアターにもいくとなれば日々経営に苦しんでいるミニシアターの援助にもなります。
一方気になったのはアメリカで『トロールズ』の続編を映画館が休館になったのでいきなり配信レンタルを開始したところ前作にせまる収益をあげたためこれからは映画館で公開せず直接配信が増えるだろう…というニュース。
映画製作者や配給が映画館がつぶれても自らの利益を追及するというのは映画を滅ぼすことになるように思います。
映画とは「映画館で上映するもの」だと思うからです。
配信で家庭のモニターで見ることを目的で作られたもの―明るい照明、家庭の雑音の中、食べたり会話しながら、よそ見をしても大丈夫なように作られたもの―それは映画ではなくドラマではないでしょうか(ドラマがいいか悪いかということではなく単純に映画ではないという意味です)。
また映画館で上映される前提で作られてきた映画の表現技法(脚本や演出、撮影、演技、音響、編集などなど)は映画館あってこそです。
映画館がなくなればそれらはなくなると思います。
映画館がないのにそんなことをする必要がないからです。
映画館がなくなることはひとつの文化の損失になると思います。
映画館の再開後はこれからはもう配信でいいやではなく映画館と配信を両立させてよりよい映画の未来を作っていってほしいと思っています。
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