S東京特派員が韓国に出張行ったついでに、
映画館をハシゴしたので作品および劇場のレポートを送ってくださったので掲載します。
またよろしくお願いします!
ロッテシネマ金浦空港。4D館がある。
8月30・31の週末の2日間韓国・ソウルでシネコンとミニシアターを巡ってきたのを日記風にまとめました。
韓国に行くと一人でふらふら歩いてこんな感じですごしてます。ちなみに韓国語はほとんどできません。
8月30日(土)
地下鉄を乗り継ぎCGVヨンサンへ。
ぎりぎりで8時からの「ミュータント・タートルズ」IMAX3D版。
日本公開は12月とけっこう先なので見てみようと思った。それに日本でIMAX上映あるかどうかまだわからないし。
かなり早い時間にもかかわらずけっこう入っている。
タートルたちは着ぐるみ+CGらしい。タートルたちのアクションはカンフーアクションが基本で(忍者なのに)戦う相手も巨大ロボットとかではなく人間の悪人たちなのでCGではなく実写にしたのだろう。
俳優の演技をすべてCGに置き換える最近のやりかたよりリアルだし人間くさくて私は好きだ。
カースタントも実際に車を使って撮影しているようだし、こういう生身のアクションと細かなところまで作りこんだリアルなCGを堪能できたのはIMAXのおかげだったと思う。IMAX3Dで見れてよかった。
CGVヨンサンで「ヒックとドラゴン2」4DX版を見る
引き続き10時からは4DXで「ヒックとドラゴン2」3D。
前作以上に緻密さが増したCGに驚嘆。ピクサーに負けてないんじゃないか?
人間、ドラゴンのひとりひとり、一匹一匹に細やかな演技をさせてすばらしい。それにみんなかわいい!
全世界でヒットして続編の製作も決まった傑作なのに日本では公開の目途が立ってないというのはおかしい。ぜひ公開してほしい。
「そばの花、運のよい日、そして春春」ポスター
この後は「海賊」4D版を見る以外は特に決めてなかったのでさてどうしようかとチケットカウンターで考える。
そこで目に留まったのがアニメ「そばの花、運のよい日、そして春春」。
「Green days 大切な日の夢」の監督コンビの新作だ。「Green days~」がとてもよかったので見たかった作品。ちょうど時間も合うしこれにしよう。
この新作は有名な近代短編小説3本をアニメ化したオムニバス作品。あとで原作を調べたら全部岩波文庫に入っていた。
ただ、農村を舞台にした2本はセリフがわからないこともありちょっとつらかった。
だが最後の「運のよい日」は大都市の貧困層の暮らしのやるせなさを描いていてこれには引き込まれた。
日本では高畑勲作品でしかお目にかかれないような容赦ないリアリティ。素晴らしい作品だった。他の作品も字幕つきで改めて見てみたい。
次はロッテシネマでしかやっていない「海賊」の4D版を見るためにロッテシネマ金浦空港に移動。
今年の夏の韓国は「群盗」「鳴梁」「海賊」と3本の時代劇がぶつかる激戦で、日本でも話題になったように「鳴梁」が韓国歴代1位の大ヒットになってしまった。
「鳴梁」の1週間前に公開された「群盗」はこのときソウルでは1館でしかやってない状態(見たかったのだけれど結局見れなかった)。
しかし「鳴梁」の後に公開された「海賊」は同じ時代劇でもアクション・コメディというべき娯楽作品だったためか「鳴梁」とはうまく差別化していたようでかなりお客さんも多かった。
笑えるシーンも多かったし、そのうえ4D版なのでアトラクション感覚で楽しみにきた観客も多いようできゃあきゃあと歓声もあがる楽しい鑑賞だった。
韓国の映画館は笑えるシーンがではみんなゲラゲラ笑うし、時には手をたたいて笑うぐらいでとても反応がいい。最近あまりそういう映画を見てないので久しぶりに楽しかった。
このあと深夜上映を見る予定も立てていたけど体力が持ちそうもないのであきらめて帰る。
韓国歴代興行収入1位の「鳴梁」ポスター
8月31日(日)
今日最初の映画は目下韓国歴代1位の成績で公開中の「鳴梁」。これはやはり見ておかなければ。
4DXで見たかったけど数日前に惜しくも終了。「ミュータント・タートルズ」と「イントゥ・ザ・ストーム」が始まってしまうのだから仕方ない。
どこのシネコンでもやっているのだけれどできれば他と違うスクリーンで見たいな…ということでCGVヨンドンポのSOUND X館で見ることにする。
SOUND XというのはCGVのブランドで音響にこだわっているシアター。
朝9時台の上映ながら日曜なのでかなり客席は埋まっていた。早起きして見に来てよかった。年齢層ははば広い。さすがヒット作。
豊臣秀吉による朝鮮侵略に立ち向かった韓国最大のヒーロー、イ・スンシン将軍を主人公にした映画なのでそりゃ受けるはずだけど、社会現象といっていいレベルになったのは制作者の想像を超えていたように思う。
このあたりの分析を誰かしてほしいものだ。
スポンジハウス
次は「群盗」「トンネル」「サンタバーバラ」どれを見ようと悩んだ末、「サンタバーバラ」を見にスポンジハウスへ。なぜこれを選んだかといえばユ・ジンソが出ていたから。
スポンジ・ハウスはミニシアターで市庁前駅の近く。来るのは今回が初めて。周りは朝鮮時代の宮殿などもありふだんソウルの中心部に行ってないので新鮮だった。
時間が空いたので食堂に入るがメニューに日本語も入っているので頼みやすくてよかった。このあたりの店は完全に観光客目当てで日本語があふれている。
スポンジハウスは1スクリーンのみだけど1本1回づつの上映で4本ぐらいの映画を上映している。
その中に「昆虫王国 3D」という子供向けドキュメンタリーもやっていて、3D映画なら見てみるかと思っていたのだがここでは2D上映だった。
でも時間があるので一応見ることにする(というか2Dだとわかったのはチケット買った後だった)。
「サンタバーバラ」は大人のラブストーリー。ユ・ジンソは等身大の美人。イ・サンユンの妹役のイソムは個性的と女優がよかった。
劇中スポンジハウスが出てくる。それで上映してたのかな。
スポンジハウスの平らな床に傾斜を足して座席を配置している構造はかつて渋谷にあったシネカノンみたい。
でも天井から床まで大きく使ったスクリーンは客席の広さに比べて大きい。客が立つとスクリーンに影が映るのはあまりよくないけどこの限られた空間の中ではせいいっぱいがんばっていると思う。
韓国の映画館は昔からエンドロールが流れ出すと客席が明るくなるがここは映画が終わる寸前まで明かりがつかないというのもよかった。
次は「海霧」。キム・ユンソク主演のサスペンス・スリラーでこれは見たかった作品。しかしブロックバスター大作ではないせいか上映館はそこそこだけど上映回数が少なくてうまく合う劇場があまりない。
スマホで調べてCGVヨイドに行くことにする。ソウルの映画館の上映スケジュールが検索できるサイトがあってなかなか便利。ただ「昆虫王国」の上映が3Dになっているとかミスはあったりする。
「海霧」は150席程度の小スクリーンでの上映。
HAMILTONという座席がゆったりして背もたれも倒せる豪華仕様で料金も1000ウォンほど高いスクリーン。でもそこそこ混んでいる。
見終わってもう1本ぐらい見れるかなと「イントゥ・ザ・ストーム」の4DXの座席の状況を見たがもう今日は最後までほぼ満席状態であきらめる。
最後に見たのが「海霧」なら満足かな。
実はこの後韓国ホラー「トンネル」を見ようかとも思っていたのだけれど上映時間が23時すぎとかなり遅い時間で、もうかなり疲れていたので断念。
しかし日曜のそんな時間に上映して観客はいるのだろうか?しかもその後深夜2時からも上映がある。ソウルではそんな深夜上映ともう1館、こちらは昼間だが1回のみでしかも2D上映。
「トンネル」は20日公開なのにわずか10日でこんな状態。ヒットしなかったのかもしれないが見限るのが早すぎだと思う。