栃尾もロケ映画 「小さいおうち」
珍しくチケットプレゼントにあたり観賞してきました。
山田洋次監督の新作「小さいおうち」
担当者は現役の映画監督で最も尊敬してるのが山田洋次監督で、
前作「東京家族」から1年ですぐさま新作が公開されとても嬉しく劇場へと。
「東京家族」は正直、この時代に「東京物語」をリメイクすることが、
どこかズレてて堅苦しい印象を覚えましたが、
今回は戦前のハイカラな家に田舎から出てきて奉公した女中さんの目を通して描く不倫劇。
山田監督にとってここまで"性”をあからさまに描いた作品は初めてのように思いましたが、
火照った松たか子さんの姿と帯の結び目でことの事態を描く上品さと、
ヒロインの黒木華さんを見つめる男どもの視線の下衆っぷりの対比も面白かったです。
山田映画初出演だと思う蛍雪次郎さんが傑作。
この女中さんは現代も生き、その回想で語られるのですが、
よくよく思えば生きながらえたことが残酷にも映ったりし、
そこが山田監督作品の根底に決して暖かさだけでない厳しさも感じたりしました。
観終わってからも核になる謎が謎のままなのもイイです。
寅さんのマドンナから山田監督の女優さん、特に若手にいつも注目しており、
かつて「学校Ⅱ」に浜崎あゆみさんを出演させてたセンスは今も凄いと思ってます。
本作では主役の黒木華さんはもちろん、
妻夫木聡さんの彼女役の木村文乃さんが気になりました。
今後活躍していくのでしょうか。
ついでに以前からフランソファ・トリュフォー、ウォン・カーウァイへと連なる
“脚フェチ”作家だと思ってましが、今回存分に見せていただき満腹です。
戦前のモダンな家庭へ徐々に戦争の影が忍び寄る様は
いやおうなしに現代と重ねており、
山田監督の危うい時代への警鐘のようにも響きましたが、
二時間を越えるにもかかわらず全く無駄なシーンがなく堪能させてくれた“映画”でした。
山田洋次監督“82歳”、改めて脱帽です。
エンドクレジットに“長岡フィルムコミッション”と出てくるように、
本作の雪のシーンは栃尾で撮影されたそうです。
事前に知って、そのシーンにも注目してましたが、
スクリーンを覆う猛吹雪と雪景色の雪は紛れもなく越後の雪質。
ヒロインが故郷を後に上京するシーンで登場しますが、
山形出身という設定とはいえ、これで勝手に栃尾出身のヒロインに変換してその後を観てました。
現在、長岡のフリーペーパー“MY SKIP"に栃尾ロケのレポートが掲載されています。
http://www.chiisai-ouchi.jp/
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