クロッシング
近いのに遠いと思い、ごめんなさい。
知っていながら、知らんぷり。目をふさいでごめんなさい。
一緒に泣いてあげるしかなくて、本当にごめんなさい。
↑韓国映画『クロッシング』に寄せたぺ・ドゥナのコメントだそうです。
『ビヨンド・ユートピア 脱北』はアメリカの女性監督が手掛けたドキュメンタリー映画ですが、
その前に“脱北”をテーマにした映画として真っ先に思い出すのが2008年製作の劇映画『クロッシング』
実際の脱北事件をモチーフに韓国へ脱北した100人余りに取材をし、
北朝鮮のリアルな庶民の生活を再現。
映画は家族と仲つまじく暮らす炭鉱夫の夫が病気となった妻の薬を得るために中国へ脱北、
しかし妻は亡くなり生き別れとなった幼い息子は父に会うために国境を目指す、、、
北朝鮮で生きることの悲劇を描いた本当に辛い作品でしたが、
たぶん、この映画が公開後もこのようなことはかの国で起き、
だとしたらどうやったら世界はこの少年を救うことができるのか、
本当に考えさせる映画でありました。
同じ民族の悲劇を骨太な演出で描き切ったキム・テギュン監督は
「第15回長岡アジア映画祭」で本作の上映とともに
配給した小林三四郎氏のお力添えを得て舞台挨拶に来てくださいました。
人間として観ていただきたい
http://tsukurukai.blog103.fc2.com/blog-entry-1158.html
読み返したら長岡を「凄い平和な都市」という印象を持った一方「拉致のある都市」として認識していたようでした。
ちなみにこの夜の打ち上げで『キャタピラー』の若松孝二監督と意気投合し話し合ってたような記憶が。
キム・テギュン監督は『クロッシング』の後にサッカーを題材にした『裸足の夢』を完成。
活躍を嬉しく思い拝見しましたが、やはり『クロッシング』に及ばずが正直なところでした。
というか『クロッシング』の題材を劇映画で撮るなど、そうそうできず、
それを超えることなど容易ではないと思いますが、これからも注目していきたいです。
映画『クロッシング』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=ZA4H2O7D1qQ
5/26 『ビヨンド・ユートピア 脱北』 長岡上映会
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-4089.html
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=WrK3i399RN8
押し寄せる息をのむ映像に胸の震えが止まらない。
決死で理想郷を抜け出したさきに、理想郷は訪れない。
宿命に戦慄する。
五百旗頭幸男(ドキュメンタリー映画監督・記者)
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