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2024-12-10

anond:20241210170007

てかどうせみんなテレビカメラごし、写真ごしなんだし、

今時の標準的技術修正できるならするやろ

日本にも「鈴木その子」がいたとおりやで

本当に医学的にブリーチしてるっていわれてるのはマイケルジャクソンくらいだろ

それも病気で白くなった部分がめだたないようにほかの部分を漂白したわけで

けんさぎち稼げなくね

ワイは臨床検査技師免許を持つ旧帝院卒(笑)人間です。

企業研究職として就職したが、手取り19万円です。こんなはずじゃなかった。

4工大の学部卒の恋人の方が3倍以上稼いでいる。

下に見られて悔しい。

と身の上話は置いといて。

ワイの小さい頃の夢は、医療国家資格を所有する研究者になることじゃった。

医学科行けよと思うのは当たり前だが、4年間で大学卒業できるというのが魅力的じゃったし、医学科より難易度が低かったためお得じゃ~んと考えてしまったんじゃ。

ワイの親は国立信仰学歴厨だったので、私立大は許されなかったのじゃ。だから必死になって勉強したのじゃ。数学はもちろんⅢまで履修し、理科も2科目、英語もきちんと勉強したのじゃ。

なのになんだこの仕打ちは?お勉強たくさん頑張ったのに、なんでこんなに給料が低いのじゃ。大学受験はもちろん、大学入学後も数多の課題を乗り越え国家試験合格したんじゃ。

みんな臨床検査技師求人を見たことがあるかね?

恐ろしいぞ。年間休日が少ないのはもちろんのこと、基本給も恐ろしく低いのじゃ。そのうえ、大学病院などは最初から正規職員として雇ってくれないところもあるのじゃ。でも、必死勉強はしなきゃいけないのじゃ。そりゃそうじゃ、医学は日々進歩するからのぅ。やりがい搾取じゃ。

ワイは研究の道を諦めきれなくて、企業就職したのじゃ。生憎もう金がないか博士課程には進まなかったのじゃ。企業で頑張ってみようと思ったのじゃ。働いてみたら手取り19万じゃ。そのため、学んだことを活かせるように、臨床検査技師として一から仕事しようと考えたのじゃ。しかし、これは罠じゃ。院卒だと小さな病院はなかなか雇ってくれないのじゃ。規模が大きめの症例数の多い病院じゃないと雇ってくれないのじゃ。しかしながら、そういうところは正規職員では無い可能性もあるのじゃ。さらに、新たに資格必要なこともあるのじゃ。例えば、病理部に就職するとなれば、細胞検査士を取らなきゃ意味無いのじゃ。養成所に通わなければならないのじゃ。

もっともっと検査技師としての仕事の幅を増やして欲しいのじゃ。しっかり数Ⅲまで勉強したのじゃ。よく医学保健学科は下に見られることがあるのじゃ。でも、保健学受験生全員、きちんと勉強してるのじゃ。それだけはそれだけはばかにしないでほしいのじゃ。皆頑張ってるのじゃ。

正直数Ⅲが必要学部全体の卒業生の中で一番お給料が低いと言っても過言ではないのじゃ。なんとかしてこの医療分野を変えてはくれんかのぅ。だって、ヒトとして生きていくための基本の学問じゃないのかのぅ。

どこから人生選択を間違えたのだろうか。

医学科めざせばよかったのかのぅ。文系に進むべきだったのかのぅ。

でも、ワイは夢を諦めたくないよぅ。

2024-12-09

トランス女性女性です

世界初の子移植から10年、残された医学的・倫理的課題

スウェーデンで今年、ある男の子10歳の誕生日を迎えた。生殖科学者医師たちもこの日を祝った。この小さな男の子誕生特別だった。移植された子宮からまれた、世界初人間だったからだ。

この男の子は、生まれつき子宮がない35歳の母親が、家族ぐるみで親しくしている61歳の友人から子宮提供を受けて、2014年誕生した。当時、この実験的な医療処置を受けた女性わず11しかおらず、彼女はその中の1人だった。

それから10年が経ち、世界中で135件以上の子移植実施され、50人以上の健康赤ちゃんが生まれている。この手術は、家族にとって重要意味を持つ。レシピエント(臓器受容者)たちは、他の方法では妊娠経験することができなかったからだ。

https://www.technologyreview.jp/s/350427/who-should-get-a-uterus-transplant-experts-arent-sure/

2024-12-08

統合失調症話題になると、どうも最初から統合失調症という病名だったかのように歴史修正する人ばかりで嫌になるんだよな。

統合失調症という名前になってから差別され蔑視されているけれど、昔はその比じゃないくらいに酷かったんだよ。

患者やその親族受診拒否理由の一つとして、病名による心理的忌避感情は大きい。

https://www.jspn.or.jp/modules/advocacy/index.php?content_id=58

今回の呼称変更は、全国精神障害者家族連合会日本精神神経学会にその変更を要望したのが契機となった。1993年のことで、「精神が分裂する病気」というのはあまり人格否定的であって本人にも告げにくい、変えて欲しいという主旨であった。同学会1995年に小委員会でこの問題を取り上げ、翌年に「Schizophreniaの訳語歴史」1)をまとめた。そのなかで、schizophreniaを訳出する時に「その訳語当事者にとって社会的な不利をもたらさない」を原則に加えることや、「病」ではなく「症状群」であることを指摘した。その後、「精神分裂病」という病名自体当事者社会参加を阻んでいる可能性に注目し、その侵襲性と病名変更の必要性について調査を始めた。学会員、評議員当事者へのアンケート調査、総会におけるシンポジウム札幌、1996;宜野湾、1998)やワークショップ仙台、2000)を行うとともに、仙台総会の会長講演「精神分裂病はどこまでわかったか」2)では近年の精神医学進歩に基づいて「精神分裂病」概念見直して、発症脆弱性でこの病気規定する医学概念医療に応用することは回復者の余生に深刻な不利益を生じるので危険であり、医療には臨床症状群で規定した疾病概念使用すべきことを提唱した。こうした経緯を経て委員会では呼称変更に関する中間報告を1999年作成し、それを理事会に報告した。2000年に発足した新理事会ではこの問題を重視し、呼称変更のための特別委員会と拡大特別委員会を設置した。その後、家族アンケート一般市民から意見募集公聴会などを行い、新しい呼称候補を3つに絞った。2001年7月よりこの呼称候補3つに関するアンケート実施し、同委員会2002年1月理事会に「統合失調症」への呼称変更を提案し、理事会承認し、6月評議員会でこれを議決し、同年8月の総会で正式に決定した。

2024-12-07

タリバンがどんだけ酷いかというと、

男性医師女性患者見るの禁止女性医学教育禁止で、今かろうじて残っている女性医師がいなくなったら、女に生まれた時点で病気怪我も治してくれる人がいなくなり、治せる病気でも原因すら分からないまま死ぬのをまつしかなくなるんです。

医大入試不正工作してた本邦は思想的には同じだけど。

anond:20241207005552

医師が診断したから確定というのは、確かに医学的、法的な用語定義として、正しい意見だ。

しかし誤診が存在することも事実だ。

自分は躁鬱ではない。はずだ。

2024-12-06

anond:20241206214643

数秒だが主観的には永劫におもえるくらいの苦しみだろうさ

それこそ「ジワジワ」に感じられるような

医学的におかしいとか言うなよ?安楽死なんて主観的ラクそうとか言ってるくせによ

トランス女性女性です

世界初の子移植から10年、残された医学的・倫理的課題

スウェーデンで今年、ある男の子10歳の誕生日を迎えた。生殖科学者医師たちもこの日を祝った。この小さな男の子誕生特別だった。移植された子宮からまれた、世界初人間だったからだ。

この男の子は、生まれつき子宮がない35歳の母親が、家族ぐるみで親しくしている61歳の友人から子宮提供を受けて、2014年誕生した。当時、この実験的な医療処置を受けた女性わず11しかおらず、彼女はその中の1人だった。

それから10年が経ち、世界中で135件以上の子移植実施され、50人以上の健康赤ちゃんが生まれている。この手術は、家族にとって重要意味を持つ。レシピエント(臓器受容者)たちは、他の方法では妊娠経験することができなかったからだ。

https://www.technologyreview.jp/s/350427/who-should-get-a-uterus-transplant-experts-arent-sure/

インタレスティング

2024-12-05

妊婦様の神格化という錯覚

妊婦様は特別扱いされるべきか?

30代後半で妊娠した女性を、世間はなぜか過剰に持ち上げる傾向があるようだ。「妊娠」という行為女性としての一大事であることは間違いない。しかし、それは特権的存在になり得る理由になるだろうか?結論を先に言えば、答えは「否」である妊娠は確かに祝福されるべき出来事だが、他人生活社会の仕組みを超えてまで配慮を強いるのは違う。

高齢出産」の意義を考える

30代後半の妊娠は、医学的には「高齢出産」に分類され、リスクを伴うものだ。そのため、周囲が必要以上に気を使うことも理解できなくはない。しかし、問題はそれが妊婦本人の振る舞いにどう影響するかだ。「高齢妊娠した私はすごい」と思う気持ちが生まれると、態度が傲慢になり、周囲に不快感を与えることになる。謙虚さを持つ妊婦と、そうでない妊婦との違いは、周囲の反応を見れば明らかだ。

周囲に要求される「妊婦サービス

電車での席譲りは当然、重い荷物を運ぶ手伝い、職場での負担軽減……こうしたこと妊婦権利として主張する「妊婦様」が少なから存在する。もちろん、身体的な負担を考えればサポート必要だ。しかし、それを当然視する態度は、他人の親切心を踏みにじるものだ。「ありがとう」一言言えば済む話を、「当然でしょ」と受け取る態度が、周囲にどれほどのストレスを与えるか想像できているだろうか?

妊婦である前に、一人の人間であるべき

妊娠個人選択であり、社会全体に特別配慮要求する理由にはならない。もちろん、サポート必要な場面はあるし、妊婦自身健康を守る努力をするべきだ。ただし、妊娠理由特別扱いを求める態度は慎むべきだろう。妊娠しているからといって、他者負担を当然視して良いわけではない。一人の人間としての品位を保ちながら、周囲に感謝を示すことが、最も美しい妊婦の姿だと思う。

千葉大学学長選考話題にしてくれ

東大教授ごにょごにょ話題だが、千葉大学学長ごにょごにょ話題にして欲しい。

2023年11月千葉大学学長が急死したため、新学長選考が急遽行われることになった。

全体の流れを簡単にまとめると次のような感じ。

①新学長への候補者が3人でた。(医学系2人、人文系1人)

教職員が一人一票を投じる「学内意向聴取」が実施された。

③結果、人文系教授が最多得票(554票)。2位は446票で医学系①氏、3位は350票の医学系②氏となった。

教員や学外の委員で作る選考会議で、聴取の結果を踏まえた学長選考が行われた。

選考の結果、「学内意向聴取」で2位だった医学系①氏が学長に決定した。

複数学部大学院がキレて、声明意見書質問書を出した。

大学側はだんまり。回答期限を過ぎてからようやくしょぼい説明っぽいもの公表された。

⑧風化される←イマココ



今、新大学長になった医学系①氏はコミュニケーションの一環として、1ヶ月に1回のペースで全教職員学生宛に一斉メールを送っている。(メールの内容は小学校とかで配られるような「学校だより」みたいな感じ。まぁまぁ長い)

重要なことはろくに説明しないくせにね。

本当におかしいと思う。

2024-12-04

anond:20241204074750

文盲すぎるだろ

そもそも性器機能として勃起して入り口に挿入できて射精できれば何の問題もないかチンコが小さかろうが医学関係ないんだから保険もなにもないの

顔面の整形と変わらないんだから保険適用になんかなりよう無いだろ

2024-12-03

anond:20241128175440

BMI21の普通体系から吐きづわりの妊娠悪阻で8kg落ちて、今妊娠後期妊婦です。

夫側のサポート身体的に救われることは一つもないが結論かも。

5w〜18wくらいまで毎日嘔吐して、ピーク時の9wは1日10回は嘔吐してた。

自分の夫はかなり献身的に心身サポートしてくれたけど、結局妻側の体の中で起きてしまことなので、何をしてもらってもつわりの症状が改善することは絶対にない。

からといって何もしないで放置しても、メンタルダウンして予後が悪いので、心身サポートを続けるのを推奨する。


という、夫としては弱ってく妻を見るのも、自分の施しが意味なさそうなのも辛い

妻としてはこんな肉体状態で明確な改善につながる医療サポートがあるわけでもなく、医者に行っても付け焼き刃みたいな点滴されて耐えることを指示される、夫がサポートしてくれてるのもわかるんだけど効いてる感じもない、今はもう意識がある間の全てが辛い

みたいなお互い相当辛い状態になるのが妊娠悪阻が起きた夫婦なんだよな。わかる。わかるよ。

つわりは人によって症状もさまざまだし、予想できない部分が大きいからびっくりするよね。妻が突然こんなんなっちゃった、というのも夫側は精神的にくるものがあると思う。


本当にこれは耐えるしかないんだよ。解決してくれるのは時間だけなんだ。

ポテトなら食べられた、つわりのツボマッサージが効いた、いろはすの何味なら飲めた、ネットを漁ると色々な情報があると思う。

でもそれも医学的な根拠ひとつもないんだ。ただその人なら大丈夫だったというだけの話で。



だいたい20wくらいにはほとんどの人が嘔吐は治る。

もし妻が胃腸弱いタイプなら、それ以降も食べたものによっては消化不良で嘔吐がたまに起きてしまうかもしれないけども、ホルモン由来の嘔吐なら20wには必ず治る。




からあと10週間くらいはそういう生活が続くと思う。

早い人なら15wには楽になってる〜とか意見もあるだろうけど、念の為で20wまでは続く心づもりでいたほうがいいと思う。

正直15wだとネットにいる悪阻経験妊婦たちはまだまだ嘔吐していた印象もあるし、自分全然嘔吐してたから。

長期戦になるので、夫側がメンタルダウンしないためにも気晴らしは忘れないようにね。

10wなら、ひと月もすれば少しずつ嘔吐の回数は減っていくし、微熱も下がるし、動悸や頻脈も落ち着いてくる。

ちょっとだけ調子よさそうな日があったりしたら、高めのフルーツアイスドリンクを買って一緒に食べたり飲んだりするのも心が明るくなっていいよ。

共倒れしないようにね。

anond:20241203123046

最初元増田が「女は摂食障害じゃない30kg台の人間存在するの肌感覚で分かるが男はわかんないか勝手ガリガリから摂食障害に違いないって決めつけるんだろうな」って言ったじゃん?

そんで次増田が「女の人周りにたくさんいるので 摂食障害で苦しんだ人とか死んだ人も含めて 周りにいる女の人の人数は自分性別関係ないよ あと医学的に言えば「酒好き」の多くはアルコール依存症だよ 僕も含めてね」って言ったじゃん?

それってつまり、「酒好きの多くが医学的に言えばアルコール中毒だ」っていうことを比喩にして、「ガリガリなのは医学的に言えば摂食障害だ」って言って差し支えないって言ってるように解釈したんだけど違ったかな?

別に噛みついたつもりもなくて、酒好きの話もガリガリの話も、相手にいきなりそう言ったら両方とも変だって思うし、それはインターネットに書いてもやっぱりなんか変なんじゃないかね?ってことを伝えたかっただけなんだけど…

すごい非難してるみたいに見えちゃったならごめんね。

かにそこで性別によって見え方が変わるかのように言うのは変だよね。それはそう思う。

anond:20241203125540

158cmで38kgとかもっと厳しい条件はまあ間違いなく摂食障害

医学的な診断ならもっと上で摂食障害になる


往生際悪すぎワロタ

ごまかそうとしても無駄なんだよなあ

あと医学的に言えば「酒好き」の多くはアルコール依存症だよ


酒好きの多くはアルコール依存っていうのもソースとなる診断基準まだですかー?

anond:20241203115215

医学的に診断する必要すらないんだよね。

エビデンスが蓄積されていて既にアルコールは一滴でも毒。

そんな毒を医者に診察されなければ依存症じゃないもん、とか屁理屈こねるの、まさに小2のクソガキ。

anond:20241203113859

自分の嫌いなものを好んでる人は医学的な診断基準も何も無視して異常な依存症だ!っていうの面白い

anond:20241203111532

一行目からまりにも酷いのでそれ以上読まないけど

周りで摂食障害で人を亡くしてるという人間にそういうバカとかアホとか言い出す時点で君の人格もかなり荒廃してるので

一回医者に診てもらいなさい

おわり

P.S.

人格の荒廃は医学用語です

P.S.S.

俺はアル中ぶぶ漬けでもどうどす?

anond:20241203110744

それこそ「 いかかでしたかサイト斜め読み」してる人の返事だね

僕は副業救急関係なので勉強はしてるし、本業では英文論文も読むよ

繰り返すけど医学的にいったらもっとBMIが高くても摂食障害だよ

僕はアル中でも普通に生きてるので人にも甘いけどね

まず君が「 いかかでしたかサイト斜め読み」じゃなくてちゃんと調べなさい

anond:20241203110639

でもお前医学を学んでないじゃん

いかかでしたかサイト斜め読みしただけじゃん

anond:20241203110332

女の人周りにたくさんいるので

摂食障害で苦しんだ人とか死んだ人も含めて

周りにいる女の人の人数は自分性別関係ないよ

あと医学的に言えば「酒好き」の多くはアルコール依存症だよ

僕も含めてね

anond:20241203012719

元増田は、実際の医療訴訟での医療機関側の圧倒的な勝訴率も知らずに「法律界は医学を解っとらん!」って怒りたいだけなんだから、実際には当該病院診療問題判断したのが当の医療界だと書いてあっても視界に入りはしないのよ。

元増田日本語を読む能力は無い。

2024-12-02

麻酔科から見る最近産科関連ニュースについて

2024/12/3追記

コメントで厳しい指摘のある通り、つがる病院の件は裁判を経た賠償ではなく、「産科医療保障制度原因分析委員会や県外の複数産婦人科専門医意見等を踏まえ」て病院責任を認めて賠償金を支払ったものだった。

また、事態の詳細記事を寄せてくれた増田もいた。ありがたい限り。

以下の本文は自戒を込めて元記事のままにしておくので、該当部分は「コイツ日本語読めてねーわ」と思って読んでほしい。

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2024年11月だけで、産科とりまく嬉しくないニュースが続いてしまった。

双子出産時に医療事故・第2子に重い脳性まひ 「つがる総合病院」が責任を認め患者家族損害賠償金約9100万円を支払いへ 青森県

https://news.yahoo.co.jp/articles/2632e03d1c188d54560b78feb4a26de359d2c6f0?source=sns&dv=pc&mid=other&date=20241128&ctg=loc&bt=tw_up

検討会で弁護士暴論「産科医は医療安全に前のめり」

https://reiwa-kawaraban.com/politics/20241116/

市中病院で、帝王切開という形で産科医療に関与する麻酔科医の目線から上記ニュースを考えてみる。

【前提】

まず話の根底として、妊娠から出産過程で低確率ながら母子の死亡が起こりえる。

厚労省データ(https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001118039.pdf)によれば妊産婦の死亡事例は減少傾向にありつつも、令和3年で2.5/100000出産例とされる。(死亡の原因は様々だが、こちらのスライド(https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2021/12/20211208_2.pdf)によると、「産科危機出血」「脳出血」「羊水塞栓」で半分近くを占める)

平成12年には6.3であったというから、およそ20年で半減してきている計算で、これは原因の究明や対応できる組織構築を行った医療従事者や、薬剤や機材の開発・流通を整備する関連企業不断努力の賜物に違いない。

日進月歩医学的取り組みをしてなお死亡率をゼロにできないもの妊娠出産である、という点がまず客観的事実として存在する。

そうした妊産婦死亡を防ぐ手段の1つに帝王切開がある。

経腟分娩でなく帝王切開選択する理由について信頼できる統計データネット上には見つけられなかったが、職務で見てきた中では「双子」「胎盤位置異常」「前回が帝王切開=今回の分娩がハイリスク」「合併症(妊娠血圧など)予防のためやむをえず」といった背景が多い。

胎盤位置異常や帝王切開歴などは妊婦検診の過程で分かることであり、予め調整して計画的帝王切開をすることで上記出血などによる死亡例を防ぐことができる。

問題は、全ての帝王切開が予定通りには進まないということだ。

予定帝王切開の日程を定めていたとしても、まったく予期せぬタイミング(予定の数週間前など)で破水したり陣痛が始まってしまうことは日常茶飯であるし、経腟分娩で予定されていたお産が胎児心拍低下などで緊急に帝王切開となる事態もよくある。帝王切開ではないが、経腟分娩を終えたもの出血が止まらないため緊急手術になる事例も時折ある。

短く纏めるなら「妊産婦死亡を防ぐには帝王切開がどうしても必要場合があり、そしてそれは緊急に起こりえる」となる。

現場実態

では、緊急帝王切開が決まったとして、手術はどのように進むのだろうか。

緊急という言葉から一分一秒を争う事態想像するかもしれないが、実は事情に応じてどの程度待てるか段階分けされている。

施設によって呼び方規定時間はある程度幅があるものの、こちらの資料(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/42/1/42_57/_pdf/-char/ja)に示されるものが一つの指標になるだろう。

日中に娩出すれば問題ないものは大きなトラブルになることはまずなく(見たことがない)、1-2時間以内に子供を出したいとなると手術室は忙しくなってくる。

そして、我々麻酔科医にとって最も恐ろしいものが、超緊急帝王切開、いわゆるGradeAの宣言だ。

資料中にもあるように、GradeAでは可及的速やかに胎児を出す必要があり、以前所属していた施設では「宣言から30分以内」を目標としていた。この30分という数字をどう受け取るかは人によって様々であろうが、手術室の動きと所要時間から考えてみたい。

帝王切開全身麻酔で行う場合、手術室看護師必要な器械(メス、各種鉗子、血液吸引機などなど)を準備し、麻酔科麻酔器のセットアップや薬剤・器具の準備を大急ぎで進めていく。

麻酔器のセットアップを全くゼロから行う場合は、機種にもよるが10分近く時間をとられる。どんなに短くても3-5分という印象だ。

また、使用する薬剤の種類は通常の全身麻酔とあまり変わらないものの、一部の薬剤は鍵付きの金庫で保管されているため、鍵の持ち主である看護師に持ってきてもらう必要があるのだが、看護師も器械の準備に全力を注いでいるのですぐにとはいかない。

全ての薬剤を準備するのに(鍵を無視しても)最速でも2-3分。人工呼吸のための気管挿管デバイスを準備するのにもう1-2分。麻酔器のセットアップと並行で行えるので単純に足し算ではないが、これに移動時間、各所へ電話連絡の時間、薬剤と道具をかき集める時間を加味すると、連絡を受けて10分後に独力で全ての準備を整えられるかは分の悪い勝負になりがちだ。

マンパワーがあれば多少改善するものの、夜間や休日であれば人員は最低限に留められているため、素早いヘルプも期待できない。

大抵の場合産科医も連絡をしてきた時点で手術室へ患者と向かっているので、慌てて手術室へ飛び込んだら患者が先に入室していた、ということも珍しくない。

全ての道具の準備を整え、産科医は滅菌ガウン手袋を装着し(これにも1-2分はかかる)、全身麻酔をかけると同時に執刀を初めて数分後に胎児を体外へ出す。

言葉だけ並べると案外間に合いそうに見えるが、必要検査結果を最低限確認したり、患者を手術台へ移動したりと無数の手順が間に挟まることで時間はどんどん圧迫され、時間が経過するごとに胎児(と場合によっては母体)の生命は目の前で消えようとしていく。

今まさに苦しむ母体と、見えないところで死に向かっていく胎児を目の前にして、正確に、安全に、迅速に全ての手順を協同して進めていく緊張感が伝わるだろうか。

そして上記描写は、近隣でも有数の規模の病院で、スタッフ経験値と各種対策が練り上げられた環境のものである比較的規模の小さい病院では経験値マニュアルも整備されておらず、これより時間がかかってしまうだろうことは想像に難くない。

記事の内容について】

こういった現状を踏まえた上で双子判決についての記事を読むと>> 10分以内に新生児を取り上げる超緊急帝王切開体制が取られておらず、重大な障がいに至ったなどとする判断を受けました <<とある

当時のつがる総合病院体制がどのようなもので、どこまで準備できた時点から計測された制限時間かは調べた範囲で詳細不明であったが、全くゼロから始めたとすればまず不可能時間であるし、ある程度準備が出来た状態(麻酔器はセットアップされていたなど)からでも厳しいだろう。

実際に病院側の落ち度があった可能性も無論あるが、ベストを尽くしても達成しうるかからない「10分以内」という数字をどこからか持ち出してきて賠償を命じられるというのは、あまり理不尽に感じられる。

10分以内に取り上げられたら後遺症を防げたか、あるいは程度が軽く済んだ可能性はもちろんあるが、それが現実に達成不可能数値目標だとしたら、処罰理由として据えられてはたまったものではない。

この記事から読み取れる法律サイドのスタンスは、「もっと安全対策をとるべきであった」とできるだろう。それが現実的なものかはさておいて。

翻ってもう一つの記事である

これは厚生労働省保険局での話し合いであり、その結論の着地点は広い範囲に影響することが予想される。

産科医療保険適用にした場合問題点はそれだけで独立した論点になってしまうため割愛するが、記事フォーカスしている井上弁護士発言は以下である

>> バランスを見ます産科医療安全にかなり前のめっていすぎるというふうに私自身は判断しまして(中略)結果が異常である可能性があるということで水準を簡単に上げすぎるために、産科世界バランスが他の診療科に比べて崩れているのではないかと(中略)医療安全、悪く言えば原理主義的になりすぎないように、ということを是非ご注意いただく <<

この発言に対して亀井氏が即座に怒りを感じさせるコメントを出しているが、むべなるかなと言わざるをえない。

関係各所が不断努力を続けていても妊産婦死亡はゼロではなく、突然で理不尽な不幸に見舞われたご家族の悲哀を想像するだに辛い気持ちになる。

にも関わらず、どれだけ真摯に取り組んでも、双子の事例にもあるように時として理不尽な法的判断を下されうるのが現状の産科医療実態だ。

無論この井上弁護士見解法曹会の総意でないことは理解しているし、記事執筆者がやはり弁護士非難的な論調であることからも間違いない。

とはいえ一部の弁護士(そしてそれ以外の人々)に、「産科医療医療安全コストをかけすぎではないか」という見解を持っている人が相応にいるだろうことが推測される。

【両記事共通点

双子記事厚労省記事は、個別に見るとかたや「医療安全をより追及せよ」であり、かたや「医療安全コストを割きすぎではないか」という真逆要求をつきつけている。

どうしろというのだ、という困惑から一歩引いて、何故このように食い違う見解が同一の業界から出てしまうのかを考えてみると、「妊娠出産に対するリスクの軽視または無理解」が両者の根底にあるのではないか個人的に考える。(業界が同じなだけで個人思想が違うだけだろうという結論は一旦置く)

出産安全に済むものから」という補助線を引くと、「(安全に済むものからその水準を当然満たすべく)医療安全をより追及せよ」「(安全に済むものからそんなにコストをかけなくても良いはずで)医療安全コストを割きすぎではないか」というように、一見相反する見解が綺麗にまとまる。

記事の冒頭に掲げた前提の「日進月歩医学的取り組みをしてなお死亡率をゼロにできないもの妊娠出産である」という事実が、過小評価されているかよく理解されていないことに原因があるのではないか、と考える次第である

これはある意味仕方のないことで、実際に超緊急帝王切開に直接関わる産科医・麻酔科医・看護師でもなければ医療職であってもそのリアリティにはピンとこないはずなので、一概に無理解批判することはナンセンスだ。

数字として見るデータ客観的事実として揺るがないとしても、起きてしまった不幸とそれを防ぐための緊張感は、両方を目の当たりにして初めてリアル根拠としてデータを活かす。

改善策としては実際の現場映像と音声で記録して周知と理解を促す手段も思いつくが、倫理的問題マンパワー的な問題が立ちはだかる。この点は医療サイドで働きかける余地があるだろう。

【今後の影響に対する推測】

産科医療における有名な出来事としては2006年の大野病院事件があり、そのあらましと影響についてはこれまで散々議論されているので割愛する。

最終的に産科医は無罪を勝ち取ったものの、福島県内における産科医療への影響として、事件前後産科医が減少したという分析がある。(https://keizemi-keio.info//wp-content/uploads/2017/01/bessyo_mitaron.pdf)

産婦人科医会の調査(https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2023/02/48dc1841822ac2ca56d3d7ee4b107c28.pdf)では総数としての産科医は2006年から2022年にかけて19%増えているとあるが、厚労省データ(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/22/dl/R04_1gaikyo.pdf)から算出した同期間についての総医師数の伸び率が23%であることを合わせると、新たに産科医を志望する割合は減少していることが見て取れる。

産婦人科医会の資料中には産婦人科施設の推移も載っているが、婦人科病院が微増するもの一般病院診療所が明らかに減っていることが分かる。

ハイリスク妊娠出産を高次機能病院対応するために人員を集約することは理にかなっているものの、妊婦にとって移動はかなりの労力を伴うことから、集約によって移動距離が長くなることは身体的にも経済的にも負担が増す。

この推移に大野病院事件がどの程度影響したか評価が難しいが、無関係でないことは明らかだ。

そういった過去の事例があった上に今回のような事例が積み重なると、施設の減少と人員相対的な不足傾向が加速するリスクがある。

施設の減少は患者にとって負担であるし、人員の不足はスタッフ疲弊患者リスクを招く。

件のつがる総合病院事態が起きたのは2017年ということだが、2024年現在施設としては第二次救急医療機関指定を受けており、日本産科婦人科学会専門医制度専攻医指導施設としての教育施設指定を受けている(https://www.tsgren.jp/tsugaru-general-hospital/hospital/situation.html)ことから、緊急帝王切開を含む産科医療を行っているものと推察される。

産科医療資源の集約を考えた際に集約される側ということになるが、その医療水準を支えるスタッフHPによると産婦人科3名と麻酔科2名のみだ。

始めに述べた通り、帝王切開は通常の分娩でも突然発生しうるし、それは夜間も休日関係が無い。

当番制でシフトを回すと考えても、麻酔科は2日に1回は夜間呼び出しに備える必要があるし、産婦人科も1人で手術はできないので同程度以上の体制をしいていると推測される。

この通りであれば当然スタッフ疲弊するし、疲れた状態での医療危険を伴う(だからこそ働き方改革が叫ばれる)。そして、疲弊さらなるスタッフ離脱と不足を招く。

事態が進んで最終的に誰が不利益を被るのかというと、分娩をしたい妊婦胎児家族に他ならない。

冒頭の記事にある判断見解は、将来生まれてくる新生児生命リスク晒すもので、人命と健康を至上とする立場からは許容できない。(そうでない立場の人からはそうでもない、という批判はありうる)

【まとめ】

記事では2024年11月に公開された産科医療に関連する法的判断見解について、産科医療に関与する麻酔科医の立場から考察した。

医療安全の推進と削減という矛盾するような見解が同一の業界から出てくることについて、「妊娠出産が死亡リスクを伴う」という点の理解がされていないのではないか仮定することで1つにまとめ、現状の問題の発生源を推察した。

GradeA帝王切開いかに厳しい時間的制約のもとで行われるかや、妊婦胎児に起きうる不幸について一概に法曹側の無理解批判するものではないが、このような法的立場判断見解の影響が及びうる範囲を想定すると受け入れがたい。

現場をよく知る人々の意見が反映されることを祈りつつ、実際に1人の麻酔科から見た現場がどういった物かを誰かに共有できればと思い本記事作成した。

少しでも将来の妊婦胎児安全寄与できればと願う。

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