びっくりするほど空が青い

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私にとって小旅行とは、肩に力を入れることなく、ふらりと列車に乗れる、いつもの生活の続き、みたいなもの。私は雨に辟易していた。近頃何処かへ行く日は必ず雨に降られるから、今回も傘を持っての一日となるに違いないと結構悲観的だった。昨夕、バスの窓から雨を眺めながら溜息をついたのは、そんな理由からだった。でも。今朝窓を開けたら灰色の分厚い雲が空を覆っていたけれど、雨が降っていないことを確認して、思った。ツイテイル。今日の私はツイテイル。

列車に乗った。ローマ行きの特急列車で、私は途中のフィレンツェで降りる。僅か30分である。二等車には15人程の男の子たちが座っていた。歳の頃は10歳と言ったところだろうか。付き添いとみられる大人が数人いて、興奮余って大騒ぎの子供達に言った。静かにしなさい。他の人達に迷惑が掛かるから。そうしては静かになり、3分と経たずに騒ぎ出す。まあ、子供というのはそういうものだ。折角皆での旅行に携帯電話でゲームやチャットなどをしている子供より、ずっと健康的でよろしい。学校の旅行に違いない。行き先は終点のローマだろう。色とりどりの小型スーツケースが棚に並んでいるのを眺めていたら、こちらの気分も上がってきた。旅の始まりは誰もがうきうきしている。

アペニン山脈のトンネルを抜けたらトスカーナ州。いつもと違う景色、いつもと違う色合い。びっくりするほど空が青く、いい一日になりそうな予感がした。フィレンツェ街歩きの始まり。




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