雨のこと、猫のこと。
- 2015/11/23 23:13
- Category: bologna生活・習慣
今週は雨降りの日が多いらしい。11月だから仕方ないか、と諦めてしまう方が得策と知っているけれど、やはり地面が黒く光っているのは好きじゃない。それから急に気温が下がった。夕方の帰り道はたったの5度。はっーと息を吐いてみたら、白い煙のようになって暗い空に消えていった。誰かが冬と言うならば、納得してしまいそうなほど寒い。でも、11月のうちから冬とは思いたくない。私の小さな抵抗なのだ。
一年前の今頃、家の階の住人に教えて貰ってボローニャ郊外に車を走らせた。猫を貰いたいと思って。其処はうちから数えれば30キロも離れたところにあって、滅多なことでは行かないような町にあった。数日前に子猫が保護されたそうだから行ってごらんと言われたからだ。大いに道に迷って其処に辿り着いた時は、もう夕方の4時を過ぎていて薄暗かった。民間のボランティアが営む猫保護の家。敷地の片隅にある木造の小屋には5匹の子猫が居て、そのうちの3匹は元気に跳ね回っていた。ボランティアの人はこのうちの一匹を薦めているようだった。残りの2匹はと言えば数日前に近くのガソリンスタンドに置き去りにされているのを保護されたばかりらしく、人間なんて信じられない、と言わんばかりに私と相棒の姿を見ると後ろの壁に体をぴたりとつけて暗がりから小さな瞳を光らせながら、シャーと声を発した。いや、人間が怖いのかもしれなかった。その、シャーと声を発していた小さな、びくびくしていた濃い色の痩せた猫、それが後にうちに来た猫だ。あの猫がいい。私が指さしたのは、シャーと言った猫の隣に居た薄い色の小さな猫だった。ボランティアの人も、此処に毎日来る獣医も、一瞬、えっ?と目を丸くして驚いた。何故なら全然人になつく様子もなく、一度だって背中を撫でさせない程警戒している猫だったからだ。どうして? と訊かれたが説明の使用は無かった。一週間後に来てください。其れでも気が変わらなかったらば、そして猫が人間の腕に抱かれるまでになったらば、この猫を譲りましょう。私と相棒はそう言われて、一週間待っている間に他の人にもらわれてしまうのではないかと心配しながら家に帰って来たものだ。あの猫で本当にいいのかい。相棒は何度私に訊ねただろう。その度に、うん、あの猫がいいの、と答えて、相棒は、ふーん、と宙を眺めながら何かを考えていた。そうして一週間後に貰った猫は、あの薄い色の猫ではなくて、隣に居た、いやに警戒心の強いシャーと声を発していた小さな、びくびくしていた痩せた猫だった。濃い色の小さな痩せ猫。私が欲しいのはこの猫ではなかったけれど、私はこれを私達の偶然の出会い、幸運の出会いと思って家に連れて帰ってきた。この猫と私は気が合うに違いない、例えば似た者同士みたいな。第一印象は時として外れることもあるけれど、とても大切なことでもある。この第一印象は、実際大当たりで、私達は大変気まぐれで、熱しやすく冷めやすく、時にはひとりが好きで、窓の外を眺めるのが好きで、雨が嫌いで、樹の葉や、木の枝に止まる鳥を観察するのが好きで、嬉しい時には一緒に喜び、悲しい時には黙って寄り添って、結局いつも隣に居る。間違えてきた猫。でも、来るべくしてうちにやって来た猫。一緒に暮らし始めてもうじき一年になる。
明日は太陽が出るだろうか。
キャットラヴァー
気持ちが落ち込むニュースが、毎日流れている中、ついに、猫ちゃんとの出会いを紹介してくださって、ありがとうございます。去年は、確か猫ちゃんは、クリスマスツリーに興味を持っていたのを記憶しています。今年は、どうなりますかね?
我が家のオス猫と私の出会いも、本当に偶然というか、彼が、私を選んだのです。本来、彼の姉妹猫をもらう予定でいたのです。本当に気の良い性格の猫で、体重12KGと、小型犬のような大きな猫。でも、気が小さく、大きな音が聞こえると、あっという間に隠れてしまう。そんな猫です。今、10歳になりました。私達の大切な家族の一員です。
yspringmindさんの猫ちゃんも、大切なファミリーメンバーなんですよね。
こちらは、木曜日が感謝祭となっています。多くの方々が、平和で素晴らしい感謝祭を過ごせることを願っています。
そして、感謝祭の後は、懐かしいと思いますが、ブラックフライデーです。
私は、一度もこのブラックフライデーのショッピングに入ったことがありません。
どうか、お体にきおつけてお過ごしください。