森達也監督 長岡なう。
長岡なう。生まれて初めて使う「なう」だ。明日は午後1時半から長岡市内の本願寺新潟別院で戦争について語ります。入場無料だって。
https://twitter.com/MoriTatsuyaInfo/status/939358759209418752
↑最近、自らツイッターを書き始めた森達也監督が昨日突如、このような更新をしたので慌てて先ほど与板の浄土真宗のお寺に伺いました。
オウム真理教を題材にした初監督作『A』以来、常に刺激的な映画作品、著作を連打し担当者がいつも関心を寄せてる映画作家であり、昨年の大ヒット作『FAKE』を長岡でも上映したかったという思いを抱いてたので、やはり生の姿と言葉に触れたいという思いがありました。
フジテレビでオウム真理教を題材にした番組を制作してたのが中止となったこと、
撮影してた信者が普通すぎたためにこれではテレビで放映できないという話から、
メディアは不安と恐怖を煽る、
例として日本の殺人事件の件数は戦後最小を更新していること、
実は治安に関しては年々良くなっている、しかも世界随一なことも例を挙げて話し、
これはメディアでは流せない、なぜならそれでは視聴率が取れず、雑誌も新聞も売れないから。
そこから自身が取材したNHKのドキュメンタリーを流して、
厳罰化でなく寛容化として社会に囚人が溶け込みやすくしてる姿を流し、
日本人からみればファンタジーのような刑務所の姿をあげて受講者に問いかけていきます。
実は以前の講演会でもこのテーマで話し、
監督の読者であるならばよく知った話でもあるのですが、
おそらく監督の映画を観たことのない人たちにとっては、
たぶんこの日のお寺の檀家の人たちの集まりでは
間違いなくこれまでの常識が覆されるような話ではないかと。
口を酸っぱく話していたのが
「情報は信じてはいけない、ひとつの情報に接していろんな見方をしてみることを心がけること」
受講者からの北朝鮮の質問の中で話したエピソード
6年前にピョンヤンに行った際に市場へ足を運び行き交う男性が人民服を着ており、
自分も欲しいと思ったものの、
そんな大柄でもない監督のサイズに合うものがなく、
店のおばちゃんにないかと尋ねたら
「あんたみたいな大きな人のサイズはここにはないよ」と言われたので
「キム・ジョンイルはどうなんだ」と返答したら周囲が大爆笑となった。
自分にとってテレビで流れるピョンヤンからの映像とは違う、人肌の伝わるエピソードに思いました。
と、同時に昨今の北朝鮮からの遭難船に関して、
乗員はどのような思いで漂流していたのか、
逮捕された者は、今どんな思いで拘留されているのか、
おそらくメディアが伝えない部分に思いを馳せるのが大事なことだと受け取りました。
演題は「世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい」
これからもこちらを揺さぶり続けてほしいと思いました。
あと司会者も聴講者も「先生」と呼んでいましたが、
どこかで違和感があるのは、一時期文筆業に精を出してたとはいえずっと返り血を浴びる覚悟で対象と格闘している「映画作家」という思いがあるからかと。
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