『牯嶺街少年殺人事件』 in イオンシネマ新潟西
カセットテープとプレスリーのエピソードで締めくくられるラストシーン。
壮大な映画体験に打ちのめされた後にパンフレットに寄稿している江戸木純先生の
「この哀しみは誰とも共有できない。
いい映画を観るというのはとても辛く孤独な作業なのだ」
↑この一文とともに担当者の心に深く刻まれたエドワード・ヤン渾身の傑作『牯嶺街少年殺人事件』が25年ぶりに日本公開されて席巻しているようです。
3時間版、4時間版とあり担当者は3時間版を公開時に劇場で、4時間版は記憶を辿ったらレンタルビデオで見たように思うのですが、いづれにしても少年と少女の埋めることができない深い溝とその背景に台湾の社会背景が大きくかぶさり悲劇へと導かれていく様をワンショット、ワンショットが大きな緊張感を持って描かれて、やはり特別な映画と特別な映画作家だったとこのリバイバル公開の報を聞いて思い出したりしました。
『第2回長岡アジア映画祭』ではこの傑作を撮ったエドワード・ヤンをどうしても長岡で紹介したいと思い当時の新作『カップルズ』を上映。
チャン・チェンはじめ『牯嶺街少年殺人事件』に出演した少年達をバブル期の台北の雑踏に踏み込ませて、今度は理解しがたい青春群像を描写していましたが、エドワード・ヤンが残した作品はたった9作。
そのうちの1本を上映を出来てともかく良かったと思ってます。
確か台湾の戦後初の少年による刺殺事件の犯人が監督の友人だったと記憶し、自身の少年期を渾身の思いで映画で再現したこともあって深い思い入れが映像の中に溶け込んでることもあって紛れもない傑作に仕上がったと思うのですが、今回の25年ぶりの公開とあってぜひ観にいこうと思いますが、当時感じることができた壮大な映画体験は、25年歳をとったこちらはまた感じることができるだろうかと思ったりしてます。
「父さん、未来は努力しだいで決まるんだよね」
『牯嶺街少年殺人事件』は5月27日よりイオンシネマ新潟西で公開されます。
http://www.bitters.co.jp/abrightersummerday/
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