「座C!nema」で見つけたものと思ったこと
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↑こちらで紹介したヤングアート長岡「座C!nema」に参加してきました。
この日は一般作家作品チョイスというプログラムで期間内で上映される作品から、
主催の長岡造形大学教授でお世話になってるビューラ先生がセレクションした10作を上映。
ビューラ先生は今回の上映作で心に残った作品が2,3本あればいい、という旨で話されてましたが、担当者はこの中で一人の映像作家が大変印象に残りました。
『Ninja&Soldier』
アフリカの小国の子どもが描いたようなアニメーションで自国の少年兵と日本の忍者が登場し、戦争と平和について考察していく、、、というようなストーリーと解釈しましたが、
というのもナレーションがそのアフリカの言語のようでそれを子どもが語り、日本語字幕はつかず劇中にシンプルな英語がト書きのように語られ、なるほどアフリカからそのまま届いた作品なのかと思ったら言語はデタラメで子どもが描いたようなアニメも実際はフェイクという大変懲りながらも芯の部分でやはり戦争と平和について考えさせるような作品。
『633144』
66年ゼミというホントにいるのか?ともかく66年経ってようやく地上に出てきたセミの幼虫を繊細に描写していき、いよいよ成虫になったところで、あの東日本大震災に襲われてしまうという、震災関連の作品は結構作られた中で、こんな形の短編アニメで挑んだのは初めて観たように思いましたが、どうも本当に2011年3月11日直後に制作されたようでそのせいかブラックなラストは正直引いてしまいました。
『Doron』
映画のオーディションに参加した俳優と審査員のやりとりをオフビートなタッチで描いた実写短編。
俳優さんがとある特殊な能力があるものの、それを評価する審査員はそれを共有しているというナンセンスな設定でしたが驚いたのは、そのナンセンスさを一発ギャグとして終わらせれば傑作になったように思うものの、そうはせずにインパクトを与えた後も延々としつこく引っ張っていくのは呆れながらもよくやるなぁ、と感心しました。しかしオチが想定内だったのは大変惜しかった、、、、
以上、3本が平林勇という映像作家の作品だと後で知り、なるほど今回上映された10本の中で飛びぬけたセンスを感じさせてくれました。
その平林監督は4月8日(土)17時より特集上映が組まれ舞台挨拶に来場するそうです。
確かに今回の「座C!nema」の中でビューラ先生が一推しなのも、この三本を観て納得できました。
それとは別に今回上映された作品で最もお客さんに受けていたのが『サイキッカーZ』という特撮のパロディで、特殊能力を持つヒーローが登場するたびに歓声が上がるほどバカ受けでしたが、そんな空気の中で担当者はくすりともせずに自分がなぜこの映画がダメで乗れないのかを考えながらスクリーンと対峙していました。
去年の座C!nemaでも特撮パロディがありましたが、やはり館内は大受けでも一人醒めていて、なんというか身内だけで盛り上がっているのを感じながら、こちらの立ち位置はこれではないなと。
まず特撮パロディにオリジナルへの敬意が感じられず、このノリがわかればいいいという作り手の傲慢さが垣間見れてそれがとてつもなく嫌味に感じられるのが苦手なこと、もっと言えば特撮という強大なジャンルの中で遊んでるだけで、自主映画とはいえ先人たちが切り開いたような強靭な映画・映像への覚悟が全く感じられないことが、生温く感じたことなど、こんなにお客さんを沸かせる映画を撮るセンスがあるならもっともっと戦えよ、先人が本来の意味で戦っていたのはこんなものではないだろ、というのが大きな不満へと連なったように思いました。
生意気ですが謝ったところで許して貰わなくても構わず、正直もう短編映画を連続して観る機会は久しくなかったので、こんな形で続けてみて改めてこちらの立ち位置を確認した「座C!nema」でした。
http://www.nagaoka-id.ac.jp/young-art/%e5%ba%a7cnema/
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