サッカーコラム J3 Plus+　

J1・J2・J3・日本代表などを幅広くカバーするサッカーコラムです。基本的には毎日更新しています。よろしくお願いいたします。

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【Jリーグ】 18段階の個人別補強の評価 (2022年-2023年オフの移籍市場) (その17) | | |　

161人目： FW 丹羽詩温 (ツエーゲン金沢→ブラウブリッツ秋田)　・・・　B++

→　珍しいアメリカ出身のJリーガー。2017年に大卒で愛媛FCに加入するとJ2でコンスタントに年間6ゴール程度の活躍を続けてきた。金沢に加入して1年目の2021年は40試合で9ゴールを挙げたが2022年は23試合で1ゴールのみ。秋田に期限付き移籍となったのは驚きだった。運動量があって献身的なプレーも期待できる。愛媛FCのときはWBで起用される試合もあった。決定力は高くなくて簡単なシュートを外す場面は少なくないが意外性があってファインゴールを決めることも多い。良くも悪くも計算しにくい選手である。

162人目： MF 荒木駿太 (サガン鳥栖→町田ゼルビア)　・・・　A+

→　長崎総合科学大附属高出身。FW安藤瑞(水戸)が同級生になる。彼らが3年生だったときに冬の高校選手権で青森山田高に勝利。金星を獲得したがその時の相手の監督が町田の黒田監督になる。駒澤大で華々しい活躍を見せて鳴り物入りで鳥栖に加入したが1年目は低調。思うような活躍は出来ずにレンタル移籍となった。豊富な運動量を生かして攻守に貢献するアタッカー。鳥栖への入団が内定したときの鳥栖の監督が町田の金明輝コーチになる。つながりはあると思うので「金明輝コーチの人脈を生かした補強」だろう。

163人目： FW 森本ヒマン (FCティアモ枚方→カマタマーレ讃岐)　・・・　S+

→　父親がコンゴ人、母親が日本人。矢板中央高のときはDF星キョーワァンと同級生。彼も父親はコンゴ人になる。似た境遇の2人として注目されたが2022年にJFLのティアモ枚方で覚醒。24試合で14ゴールを挙げて得点ランキングは2位タイ。目覚ましい活躍を見せた。187センチながらスピードがあってパワーもある。桁外れのスケールを持っている。フィニッシュの精度が向上してシュートテクニックがある点も武器となる。昨オフに続いて讃岐は「下部リーグで分かりやすい結果を出したフォワード」の獲得に成功した。

164人目： GK 渋谷飛翔 (名古屋グランパス→ヴァンフォーレ甲府)　・・・　B++

→　関東第一高出身。2013年に高卒で横浜FCに加入したが争奪戦に発展した末の横浜FC入りだった。高卒1年目からJ2で3試合に出場、高卒2年目の2014年もJ2で3試合に出場。将来を嘱望されたが名古屋に移籍してからは出番に恵まれず。初年度の2017年こそ、J2で4試合に出場したがJ1に昇格してからは5年連続で未出場。「サブキーパーの役割も大事」であることは間違いないがサッカー選手として一番いい時期をずっとベンチ or スタンドで過ごしたのは極めて勿体なかった。GK河田とのポジション争いになる。

165人目： GK 柴崎貴広 (SC相模原→カターレ富山)　・・・　C+++

→　キャリアの大半を東京Vで過ごしてきた189センチの大型キーパー。5月で40歳を迎えたが2022年もJ3で5試合に出場した。2020年は5試合、2021年は8試合。これだけの大ベテランになってもしっかりと出場機会を得ている。SC相模原との契約は満了になったがGK山田(→秋田)がレンタル終了となった富山への移籍が決定。40歳なので年齢的なハンディを抱えながら、早い段階で移籍先が決まるというのは素晴らしい話である。プレー面だけでなく人間性も高く評価されているのだろう。横浜FCに在籍した時期もある。

166人目： DF 飯泉涼矢 (FC今治→ガイナーレ鳥取)　・・・　B++

→　三菱養和SCユース出身。ユース時代の2013年に年代別代表に召集された経験を持っている。181センチながら高い身体能力を生かしたヘディングが武器。フォワードでもプレーできるが最近はCBがほとんどになる。2022年の前半戦はCBのレギュラーとして活躍した。2018年に大卒でFC今治に加入したが当時の所属はJFLだった。2019年のJ3昇格にも貢献したが5年間、所属したFC今治を離れることになった。最終ラインの高さ不足が慢性的な課題である鳥取にとっては良い補強。CBの定位置を確保する可能性が高い。

167人目： GK 永井堅梧 (清水エスパルス→横浜FC)　・・・　B+

→　こちらも三菱養和SCユース出身。2013年に高卒で松本山雅に加入した。2015年からずっと期限付き移籍。「6年連続の期限付き移籍」というのはJリーグでは極めて珍しかった。2015年～2018年は富山、2019年は徳島、2020年は北九州でプレーしたが富山時代は絶対的な守護神として活躍。北九州時代の2020年はJ2で5位と躍進したチームを最後尾から支えた。184センチなのでサイズのあるキーパーではないが反射神経を生かしてスーパーセーブが多い。清水での2年間はJ1での出場機会はなかった。

168人目： MF 井川空 (コンサドーレ札幌→ファジアーノ岡山)　・・・　C++

→　180センチとサイズに恵まれた大型ボランチ。CBでもプレー可能。札幌U-18のときは年代別代表の常連として活躍した。筑波大を経由して札幌に復帰。即戦力の期待がかかったがJ1では未出場。期待を大きく裏切った。11月に行われたタイ遠征のブリーラムU戦で出場機会を得たが無気力と言われても仕方がないプレーを何度か見せて評価は失墜した。プロの世界は厳しい。公式戦でも練習中でもあのようなプレーをしてしまうと周囲からあっさりと見限られてしまう。まだ大卒1年目ではあるが早くも正念場と言える。

169人目： MF 土肥航大 (水戸ホーリーホック→ヴァンフォーレ甲府)　・・・　A+++

→　豊富な運動量が武器となるレフティ。ボランチでも2列目でもプレー可能。広島ユース出身で甲府で飛躍したMF野津田のような成長&活躍が期待される。J1では過去に8回先発で起用されているが先発出場した8試合の「90分あたりの走行距離」は驚異の12.46キロ。運動量の多さはJリーグでもトップクラスと言える。2022年は水戸でプレーして26試合で2ゴール。スタメンは14回。期待されたほどの活躍は見せられなかった。ACLに出場する甲府への期限付き移籍というのはいい選択と言える。甲府はいい補強が出来た。

170人目： FW 高橋利樹 (ロアッソ熊本→浦和レッズ)　・・・　B++

→　大卒3年目のストライカー。J3で結果を残した後、J2でも40試合で14ゴールと活躍。熊本の4位躍進の立役者の1人になったが浦和への個人昇格となった。自身にとって浦和は憧れのクラブになる。元・日本代表のFW巻を連想させるアグレッシブなプレーが武器となる。前線からの激しいチェイスでもチームに貢献する。いい選手であることは間違いないがFWユンカーとFW松尾とFWブライアン・リンセンに加えてFW興梠の復帰も濃厚な浦和のフォワード陣でどこまで出番を得られるか？埋もれてしまう可能性もある。

表1. 18段階の個人別補強の評価 (一覧)