■ J2の第11節 J2の第11節。4勝4敗2分けで10位のジェフ千葉はホームのフクダ電子アリーナでブラウブリッツ秋田と対戦した。秋田は4勝3敗3分けで8位。まずまずのスタートを切った。千葉は7節を終えた時点では2勝4敗1分けだったが8節の栃木SC戦(H)は8対0で大勝。歴史に残る試合になった。ここ3試合は2勝1分けと調子を上げてきた。秋田は開幕2連敗スタートだったが3節以降は8試合で4勝1敗3分けと結果が出ている。
ホームの千葉は「4-2-3-1」。GK藤田和。DF高橋壱、久保庭、鈴木大、日高大。MF品田、田口、田中和、横山暁、椿。FW小森。5節から4試合連続で欠場したMF田口がスタメンに復帰。直近の2試合はいずれも途中出場だった。3月26日(火)にJ1のFC東京からレンタル移籍で加入したボランチのMF品田は5試合連続でスタメン出場。新天地で主力になっている。出遅れていた新戦力のFW林誠道が初めてベンチ入り。
対するアウェイの秋田は「4-2-2-2」。GK圍。DF村松航、岡崎亮、小柳、蜂須賀。MF小野原、諸岡、畑潤基、佐藤大。FW小松蓮、梶谷。ここまでフルタイム出場だったCBのDF河野貴がベンチ外。DF岡崎亮とDF小柳のCBコンビになった。左SHのMF佐藤大は9試合で4ゴール1アシスト。新天地で攻撃の中心になっている。一方、「補強の目玉」だったFW小松蓮は10試合に出場しているもののまだ無得点となる。
■ 「10位の千葉 vs 8位の秋田」 「10位の千葉 vs 8位の秋田」の試合は稀に見る激闘になった。試合を優位に進めたのはホームの千葉だった。立ち上がりから圧倒的にボールを保持して攻め込んだ。4節以来のスタメン復帰となったMF田口は積極的に前に出て行ってシュートチャンスに絡んだ。0対0で迎えた後半2分にMF田中和の突破を止めようとした秋田の左SBのDF蜂須賀が2枚目のイエローカードを受けて退場。秋田は10人になった。
その後はさらに一方的な展開になった。なかなか先制ゴールを奪えない千葉だったが後半21分にMF品田のクロスからゴール前に残っていたDF鈴木大が折り返し。FW小森のヘディングシュートはGK圍がビッグセーブで防いだがゴール前に詰めていたMF田口に当たってゴールイン。前半から何度もシュートチャンスに絡んでいたMF田口は今シーズン初ゴールとなった。MF品田のボールは精度が高かった。
1点を追う秋田だったが後半45分にロングスローからチャンスを作ると途中出場したFW半田航が左足で豪快なミドルシュートを決めて1対1の同点に追いついた。さらに後半49分には相手のハンドでPKを獲得。FW青木翔のPKはGK藤田和が防いだがその流れで得たCKから途中出場のDF才藤が起死回生の逆転ゴールを決めて2対1で秋田が劇的な勝利を飾った。千葉にとっては悪夢のような試合になった。
■ 「これぞ秋田」という試合 シュート数は千葉が25本だったのに対して秋田は5本だけ。90分を通してほぼ千葉が主導権を握る展開だったが後半45分にFW半田航の同点ゴールが生まれて後半52分にはDF才藤の劇的な逆転ゴールが生まれた。逆転ゴールの直前には「PK獲得」と「PKセーブ」もあった。これだけ後半の終盤に試合が動きまくるケースは珍しい。10人で逆転まで持っていった秋田にとってはあまりにも劇的な勝利となった。
10人になった後、後半21分にMF田口に先制ゴールを許したがそれでも集中を切らすことなく0対1というスコアを維持したままで後半の終盤を迎えることが出来たのは大きかった。GK圍はビッグセーブを連発した。劇的な同点ゴールを決めたのは途中出場したFW半田航だったが利き足ではない左足でゴラッソミドルを突き刺した。2023年はJFLのヴェルスパ大分で7ゴールと活躍したが嬉しい復帰後初ゴールとなった。
同点ゴールはロングスローから生まれた。数的不利の中、ほとんどチャンスを作れなかったがロングスローを含めたセットプレーは秋田の大きな武器となる。「いい位置でロングスローを獲得できたこと」が大きかった。後半52分のDF才藤の逆転ゴールは鮮やかだったが「決まっていたら逆転」というPKを外してしまったら普通であれば意気消沈する。PK失敗の流れで得たCKからゴールが生まれるのは珍しい。
「これぞ秋田」という試合になったが試合前の時点では4勝3敗3分けだった。あのまま負けていたら4勝4敗3分けになったが逆転勝利を飾ったことで5勝3敗3分けとなった。大きな違いがある。秋田はJリーグの60クラブの中で異質と言えるほど独特なサッカーを展開しているが「相手にとっては嫌らしいサッカー」である。これ以上ないほど弾みのつく勝利だった。「クラブ史に残る劇的な逆転勝利」となった。
■ 「チームの勝利が一番に優先されないチーム」 対照的に千葉にとってはあまりにもショッキングな敗戦と言える。25本のシュートを放ったが決定機はたくさん作った。「決まっていたら逆転」というPKも守護神のGK藤田和がセーブしたがその直後に失点。気持ちを切り替えるのは難しい試合になった。千葉はこれで4勝5敗2分け。またしても黒星が先行した。8対0の勝利をきっかけに少しいい流れになっていたがまたしてもクラブを取り巻く雰囲気は悪くなるだろう。
「2点目を取れなかったこと」が痛かったが最大のチャンスは後半36分にやってきた。相手CBのDF小柳のキーパーへのバックパスが弱くなってFW小森がボールを奪取。キーパーのGK圍は大きく前に出ていたので「流し込むだけ」というシュートだったが枠を捉えることは出来ず。少し後ろからMF岡庭がフリーで走りこんできたので「MF岡庭にパスを出していたら追加点のゴールになっていた可能性大」と言えた。
このプレーに関して試合後に小林慶監督は「一番悔しいのは、チームの勝利が一番に優先されないチームであるんだなと、そういうプレーがピッチ上で出てしまったことが一番悔しいです。」とコメントしている。MF岡庭へのパスではなくて自らのシュートを選択したFW小森の選択をかなり強い言い回しで批判しているがFW小森の持つストライカー特有のエゴイスティックな部分がマイナスに作用してしまった。
勝ち点にはつながらなかったが久々のスタメンだったMF田口は躍動した。ゴール前に入っていってシュートを放つ場面は5回ほどあった。176cmなのでJリーガーとしては標準的なサイズになるがもともとヘディングは強い。ヘディングシュートは武器の1つになるがそれにしてもこの日はセットプレーのときにヘディングでシュートを放つ場面が多かった。先制ゴールの場面は「ゴールへの執念」が実を結ぶ形になった。
※ 投稿日:2024年3月20日(水) (総再生数:5,116回) ※ ナレーションは「音声読み上げソフト」を使用しています。 ※ 一部、訛りがありますが気にせずにスルーしてください。 VIDEO 関連エントリー 2024/01/14 【J1:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:344名) 2024/01/09 【J2:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:187名) 2024/01/10 【J3:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:91名) 2024/02/09 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~1:山形、2:岡山、3:千葉、4:鹿児島、5:群馬~ 2024/02/10 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~6:栃木、7:清水、8:藤枝、9:山口、10:愛媛~ 2024/02/10 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~11:秋田、12:仙台、13:横浜FC、14:長崎、15:徳島~ 2024/02/11 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~16:水戸、17:いわき、18:大分、19:熊本、20:甲府~ 2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (前編) 2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (後編) 2024/04/23 全エントリーの一覧 (2018年-2024年)
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