■ J2の第10節 J2の第10節。1勝4敗4分けで勝ち点「7」のみ。18位と低迷する水戸ホーリーホックはホームのケーズデンキスタジアムで栃木SCと対戦した。栃木SCは3勝4敗2分けで勝ち点「11」。8節の千葉戦(A)は0対8で惨敗したが9節の山口戦(H)はスコアレスドロー。守備陣は少し自信を回復することが出来た。このカードは「北関東ダービー」と呼ばれているが水戸・栃木SC・群馬の3クラブは長きに渡ってライバル関係にある。
ホームの水戸は「4-2-2-2」。GK松原修。DF村田航、牛澤、山田奈、大崎航。MF長井一、前田椋、黒川、新井晴。FW寺沼、安藤瑞。これまではずっと「4-2-3-1」だったが今シーズン初めて2トップを採用。FW寺沼とFW安藤瑞を同時にスタメンで起用するのも今シーズン初となる。9試合でわずか4得点のみ。極度の得点力不足に陥っているのでテコ入れを図った。キーパーはGK春名がベンチ外。GK松原修が起用された。
対するアウェイの栃木SCは「3-1-4-2」。GK丹野。DF藤谷匠、平松航、大谷尚。MF神戸、石田凌、大森渚、大島康、南野遥。FW矢野貴、奥田晃。1つ前の9節の山口戦(H)で負傷交代したDFラファエルはベンチ外。DF大谷尚が先発で起用された。今シーズン初スタメンとなるが過去4試合はいずれも途中出場している。DF福島隼は3節以降はベンチ外が続いている。FW矢野貴はついに40歳に到達した。
■ 「18位の水戸 vs 15位の栃木SC」の北関東ダービー 「18位の水戸 vs 15位の栃木SC」の北関東ダービーは開幕戦以来の勝利を目指すホームの水戸ペースになった。立ち上がりから2トップが機能して押し込んだ。前半33分にボランチのMF長井一とのワンツーで抜け出したMF新井晴が左足でクロスを入れるとファーサイドのMF黒川が頭で合わせて水戸が先制に成功する。移籍期限ギリギリの3月27日(水)に町田からレンタル移籍のMF黒川は移籍後初ゴールとなった。
劣勢の展開になった栃木SCだったが前半42分に右WBのMF石田凌がクロスを入れると19歳のMF南野遥が倒れ込みながら反転シュートを決めて1対1の同点に追いついた。MF南野遥は今シーズン2ゴール目となった。前半は1対1で終了した。迎えた後半28分にも右WBのMF石田崚がファーサイドにクロスを入れるとMF南野遥が頭で合わせて2対1と逆転に成功する。MF南野遥は2ゴールの大活躍だった。
逆転された水戸だったが後半32分にFW寺沼が力強いプレーからシュートを放つとキーパーのGK丹野がはじいたところを途中出場のMF落合陸が押し込んで2対2の同点に追いついた。MF落合陸はJリーグ初ゴールとなった。さらに後半33分に右SBのDF村田航が倒されてPKを獲得。FW寺沼がキッカーを任されたが枠を大きく外してしまう。試合は2対2の引き分けに終わった。水戸はこれで9試合勝ちなしとなった。
■ 「4-2-2-2」が機能して希望の光が・・・。 今節が区切りの10試合目になるが試合前の時点で水戸は9試合で4得点/7失点、栃木SCは9試合で7得点/20失点だった。どちらも極度の得点力不足に苦しんでいるので「ロースコアの試合になるのでは?」と予想した人は多かったと思うが打ち合いの展開になった。水戸が複数得点を記録したのは10節にして今シーズン初めて。ただ、PKを獲得して逆転できるチャンスがあったことを考えると悔しい結果と言える。
トンネルの出口が見つからない状況になっているが「4-2-2-2」が機能したことはポジティブに考えられる。これまではFW安藤瑞 or FW寺沼を1トップの位置で起用してきたが、やはり、2トップの方がゴール前の迫力は増す。FW久保征一郎もいるので「2トップの方がベター」と言える。2トップになるとFW安藤瑞やFW寺沼にかかる負担は軽減される。特にFW安藤瑞は「明らかに2トップ向きの選手」である。
5年ぶりに水戸に復帰したMF黒川は4試合連続出場。9節に続いて2度目のスタメンだったが前半33分にヘディングで先制ゴールをゲット。移籍後初ゴールを記録した。サイドを突破したMF新井晴から素晴らしいボールが入ってきてキーパーのGK丹野は目測を誤った。「しっかりと合わせるだけ。」というシチュエーションだったが見事なヘディングシュートになった。攻撃力UPのためには彼が頑張らないといけない。
3試合連続スタメンのFW寺沼は大きな存在感を発揮した。MF落合陸の同点ゴールにつながった一連のプレーはすさまじかった。「背は高いが空中戦は苦手。ポストプレーも苦手。」という「見掛け倒しの長身フォワード」は日本にも世界にもたくさんいるがFW寺沼は長身でありながら空中戦に強くてポストプレーもこなせる。残念だったのはPK失敗。右足で思い切って蹴ったがさすがに力加減がおかしかった。
■ MF石田凌太郎が2アシストの活躍! 栃木SCはMF南野遥の2ゴールで一時は2対1とリードを奪ったが逃げ切りには成功せず。2試合連続のドローとなった。ただ、劣勢の時間帯が長かったことを考えると「アウェーでドロー」という結果は全く悪くない。8節の千葉戦(A)で0対8と惨敗したことが強いマイナスイメージを生んでいるが10節を終えた時点で3勝4敗3分けという成績はまずまずである。前評判が低かったことを考えると奮闘していると言える。
19歳のMF南野遥は北関東ダービーで才能の豊かさを証明した。左足のシュートに定評があるが1点目は鮮やかすぎた。ストライカー、しかも、特別な能力を持ったストライカーにしか出来ないような素晴らしいゴールだった。利き足ではない右足でボールをコントロールすると回転しながら、かつ、倒れこみながら左足でシュート。元・スペイン代表のFWラウールのようなファンタスティックなゴールだった。
MF南野遥の2ゴールをお膳立てしたのは右WBのMF石田凌だった。フォワードや2列目などもっと攻撃的なポジションでもプレーできるほどの高い攻撃性能を有しているが栃木SCではWBで起用されている。運動量の多さや高い身体能力を生かした守備がとにかく目立っており、J2有数の右SB/WBになりつつあるがこの日は2アシスト。攻撃面で目立った。闘争心もあるのでタフで頼りになるサイドプレーヤーである。
176cmなのでWBの選手としてはサイズもある。名古屋ではそこまで出番を得られなかったがまだ22歳。楽しみな選手と言える。栃木SCの右WBというとMF福森健やMF黒崎もいるが前者は2月10日の練習試合のときに右膝前十字靭帯を損傷して全治8か月。長期離脱している。MF黒崎については3月13日(水)に行われたルヴァン杯の1回戦の岩手戦(A)で途中出場。11分プレーしたがリーグ戦はずっとベンチ外になる。
※ 投稿日:2024年3月20日(水) (総再生数:5,116回) ※ ナレーションは「音声読み上げソフト」を使用しています。 ※ 一部、訛りがありますが気にせずにスルーしてください。 VIDEO 関連エントリー 2024/01/14 【J1:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:344名) 2024/01/09 【J2:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:187名) 2024/01/10 【J3:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:91名) 2024/02/09 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~1:山形、2:岡山、3:千葉、4:鹿児島、5:群馬~ 2024/02/10 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~6:栃木、7:清水、8:藤枝、9:山口、10:愛媛~ 2024/02/10 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~11:秋田、12:仙台、13:横浜FC、14:長崎、15:徳島~ 2024/02/11 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~16:水戸、17:いわき、18:大分、19:熊本、20:甲府~ 2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (前編) 2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (後編) 2024/04/15 全エントリーの一覧 (2018年-2023年)
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