■ J3の第11節J3の第11節。3勝3敗4分けの松本山雅はホームのサンプロ・アルウィンで隣県のカターレ富山と対戦した。富山は3勝2敗5分け。どちらも「昇格候補の1つ」に挙げられていたが出遅れてしまった。松本山雅は8節の金沢戦(A)は1対6で大敗したが10節の奈良戦(A)は2対2の引き分け。1つ前の9節の讃岐戦(H)はオウンゴールで決勝ゴールを奪って2対1で勝利した。ここ2試合はいずれも2ゴールを奪っている。
ホームの松本山雅は「4-2-3-1」。GK大内。DF馬渡、野々村、橋内、山本龍。MF山本康、安永、村越、菊井悠、滝。FW浅川。5節の岩手戦(H)の前半途中に負傷して6節以降はずっとベンチ外だったエースのFW浅川がようやく復帰。リーグ戦に限定すると6試合ぶりのスタメンとなる。MF安藤翼はベンチスタート。3月末にJ2の長崎から獲得した195cmの大型CFのFWジョップ・セリンサリウはベンチ外となった。
対するアウェイの富山は「4-2-3-1」。GK田川。DF大迫暁、下堂、神山、安光。MF高橋馨、末木、松岡大、佐々木陽、伊藤拓。FW碓井聖。加入8年目となる31歳のMF佐々木陽がトップ下でスタメン出場。FW松本孝はベンチスタートとなった。10試合で8得点/8失点。得点力不足に苦しんでいる富山は大卒1年目のFW碓井聖が2ゴールを挙げている。チーム最多の3ゴールを挙げているMF吉平翼はベンチ外となった。
■ 浮上のきっかけを掴みたい2チーム浮上のきっかけを掴みたい2チームの対戦はホームの松本山雅が主導権を握る展開になった。前半8分に右SBのDF馬渡が得意の右足でゴール前に鋭いクロスを入れると中央で待っていたFW浅川がダイビングヘッドで合わせて幸先よく成功する。FW浅川は3節のY.S.C.C.横浜戦(H)以来。移籍後2ゴール目となった。前半17分には中盤でボールを奪ってカウンター。左SHのMF滝がドリブルから決定機を迎えた。
1点を追う富山は前半30分に高い位置で相手ボールを奪うとMF佐々木陽がドリブルから左足で決めて1対1の同点に追いついた。MF佐々木陽は今シーズン初ゴールとなった。その後は富山がペースを握ったが後半7分に松本山雅がキーパーのGK大内のロングキックからチャンスを作った。富山のキーパーのGK田川が胸でコントロールしようとしたボールを奪ったFW浅川が決めて2対1と勝ち越しに成功する。
怪我明けのFW浅川は復帰戦で2ゴールの活躍だった。さらに後半27分にはロングスローの流れから途中出場したDF佐相が利き足ではない左足でミドルシュートを決めて松本山雅が大きな追加点を奪った。オフにSC相模原から加入したDF佐相は右SBで途中出場したが移籍後初ゴールとなった。3対1で勝利した松本山雅は2連勝。3試合負けなしとなった。富山は3試合負けなし中だったが4試合ぶりの敗戦となった。
■ 新・エースのFW浅川隼人。復帰戦で2ゴール!松本山雅にとって8節の金沢戦(A)の1対6の大敗はショッキングだったがそれ以降は2勝1分けと負けなし。「最悪の時期からは抜け出した。」と言える。当然のことながら、FW浅川が戻ってきたのは大きい。5節を終えた時点では5試合で1ゴール。決定機でシュートを外す場面は多かったが、やはり、少ないサポートであっても独力でチャンスを生み出せる選手である。「J3の中ではトップクラスのストライカー」と言える。
彼のところにいいボールを供給できると高確率で仕留めてくれるので計算はしやすい。松本山雅と比べると攻撃的なポジションのサポーティングキャストには恵まれていなかった昨シーズンの奈良クラブで16ゴールを挙げた選手なので新天地の松本山雅では「それ以上のゴール数」が期待できる。本人は20ゴールを目標に掲げているが(ここまでやや出遅れたものの)到達不可能な目標というわけでは全くない。
1点目のFW浅川のゴールをアシストしたのは新加入のDF馬渡だったが素晴らしいクロスだった。スピードもあってコースも完璧なクロスを供給した。松本山雅はオフにJ1やJ2などで実績のあるDF高橋祥、DF馬渡、MF山本康、MF高井の4人を獲得して話題になったが右SBのDF馬渡は不動のレギュラーとして大きな存在感を発揮している。このポジションにはDF藤谷壮もいるがDF馬渡の指定席になっている。
反省材料と言えるのは1失点目になる。CBのDF野々村がボランチのMF安永に出したパスをカットされてそのままゴールを奪われた。ボールを受ける準備が出来ていなかったMF安永にパスを出したのはまずかった。DF野々村は後半の最初にも危ないロストがあったがCBの定位置を確保しつつある状況なので致命的なミスは無くさないといけない。失点あるいは大ピンチにつながるロストというのは印象が良くない。
■ 富山はこれで3勝3敗5分け富山はこれで3勝3敗5分けとなった。11試合で勝ち点「14」というのは想定以下と言える。11試合でわずか9得点のみ。J3で5位となる「ドリブル数」を除くと攻撃に関するスタッツのほとんどがJ3で真ん中以下。「シュート数」は15位、「枠内シュート数」は14位なので、1試合平均の得点数が0点台になるのも仕方がないと言える。複数ゴールを奪ったのは10節の鳥取戦(H)の1試合だけ。得点力不足は深刻と言える。
開幕当初はFW碓井聖とFW松本孝の2トップを採用するケースが多かったが結果が出なかったのでここ最近は「4-2-3-1」を採用する試合が増えている。この日はトップ下で起用されたベテランのMF佐々木陽が同点ゴールを奪ったので「トップ下を置くシステムはある程度は成功した。」と言えるが、やはり、1トップなのでゴール前の厚みはかなり不足している。FW碓井聖やFW松本孝に相手のマークは集中してしまう。
ストライカー系の選手であるMF吉平翼が左SHにいるとゴール前の迫力は増すがこの日は欠場。右SHのMF松岡大も、左SHのMF伊藤拓も、どちらもチャンスメーカー色の強い選手なのでゴール前の見せ場はあまり作れなかった。今年のJ3は大宮を筆頭に上位チームが順調に勝ち点を積み上げているので富山は早くも黄色信号が灯りつつある。GWに突入してここから連戦になるので早く気持ちを切り替える必要がある。
富山も2失点目が勿体なかった。前半30分にMF佐々木陽のゴールが決まって1対1の同点に追いついた後はどちらかというと富山が主導権を握る展開だったので痛恨の失点だった。相手キーパーのGK大内のロングキックが嫌らしいところに飛んできてGK田川にとっては難しい状況になってしまった。胸でコントロールしようとしたがかっさらわれてしまった。得点力の低い富山にとっては手痛い2失点目だった。
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