■ J2は早くも10節が終了J2は10節が終了した。早くも全日程の26.3%を消化したことになるが開幕前から「昇格候補の大本命」と言われていた清水が7勝2敗1分けで勝ち点「22」。首位を走っている。2023年は開幕から7試合未勝利。0勝2敗5分けとスタートで大きく躓いたが今シーズンは開幕6試合を5勝1敗。好スタートを切った。ホームのIAIスタジアム日本平では3勝1分けと負けなし。4試合でわずか1失点。ホームで強さを発揮している。
「2022年以来のJ1復帰」に向けていいスタートを切ったが、ただ、圧倒的な強さを発揮しているとは言い難い。7勝2敗1分けと素晴らしい成績を残しているが10試合で16得点/11失点。7勝のうち、1点差での勝利が4つあって、2点差の勝利が3つ。4得点以上を奪った試合は1つも無い。清水の「ゴール期待値」は意外と低くて10節を終えた時点では「1.30」。これはJ2では12番目。J2平均の「1.30」を下回っている。
FWチアゴ・サンタナ(→浦和)が流出してFWドウグラス・タンキを獲得したが期待の新戦力のFWドウグラス・タンキはまだ1試合の出場のみ。1分のプレー時間にとどまっている。8節の徳島戦(H)の後半44分に途中交代したのみ。ベンチに入ったのも他には10節のいわきFC戦(A)だけ。コンディションが万全ではないのか、全く貢献できていない。FW北川航が8試合で4ゴール3アシストと活躍しているが爆発力には欠ける。
2位の長崎との差は「1」、3位の岡山との差は「3」、4位の横浜FCとの差は「4」、5位の仙台との差は「5」となる。まだエンジンがかかっていない中、粘り強く戦って勝ち点を積み上げて首位に立っている点はポジティブに考えられるが楽観視は出来ない。DF鈴木義(→京都)が流出して不安だった守備陣は広島からレンタル移籍のDF住吉ジェラニレショーンが大活躍中。J2でベストイレブン級の活躍を見せている。
■ 2018年以来のJ1復帰を目指す長崎2018年以来のJ1復帰を目指す長崎は6勝1敗3分けで勝ち点「21」。首位の清水との差は「1」。好位置に付けている。10試合で22得点というのは千葉と並んでJ2最多タイとなるがとにかく外国人が強烈である。FWエジガル・ジュニオが9試合で6ゴールを挙げており、MFマテウス・ジェズスはインサイドハーフでありながら10試合で5ゴール、途中出場が中心のFWフアンマ・デルガドも10試合で5ゴールを挙げている。
FWエジガル・ジュニオとFWフアンマ・デルガドはJリーグで実績のある選手なのでここまでの活躍は全く驚きではないがMFマテウス・ジェズスの活躍はサプライズと言える。昨夏に長崎に加入してG大阪時代以来のJリーグ復帰を果たしたが2023年はコンディションがあまり良くなかった。主にスタミナ面に課題を抱えていたが今シーズンはコンディションが非常に良くてJ2で「明確な違い」を生み出している。
187cmの長身でありながら技術が高くて得点力は高い。アンストッパブルな選手になりつつある。長崎が挙げた22ゴールのうち、17ゴールを外国人選手が記録しているので「外国人選手が中心のチーム」という印象になるのは仕方がないが脇を固める日本人選手の頑張りも目立つ。右ウイングのFW増山は10試合で3ゴール1アシスト、インサイドハーフのMF加藤大も10試合で1ゴール3アシストを記録している。
「ノビシロの大きい若手有望株をたくさん抱えている点」は最大のポジティブ要素と言える。高卒3年目のFW笠柳は左ウイングの定位置を確保。10試合で1ゴール3アシストを記録している。DF飯尾竜がケガで離脱した右SBは不安要素の大きいポジションだったが大卒ルーキーのDFモヨ・マルコム強志が驚きのプレーを続けている。181cmの長身でスピードもある。「異次元のポテンシャルを秘めた右SB」と言える。
■ 「初のJ1昇格」を目指す岡山「個の力に関しては清水以上」と言えるほど今シーズンの長崎はタレントが揃っている。9節の熊本戦(A)は4対3、10節の徳島戦(H)は6対1。今、一番、いい状態のチームと言える。「J2で独走体制に入る可能性が最も高いのは清水ではなくて長崎」と言えるほど充実した戦いを見せている。柏からレンタル移籍となる20歳のCBのDF田中隼も好プレーを続けている。カリーレ監督の電撃退任はプラスに作用したと言える。
逆に岡山は下り坂に入っている。開幕から6試合は5勝1分け。3節から4連勝を達成するなど首位に立ったが大雨の中での開催となった8節の横浜FC戦(H)で初黒星を喫するなど4試合未勝利中。ここ4試合の成績は0勝1敗3分けとなる。10節を終えた時点では5勝1敗4分けとなった。ここ5試合のうち、4試合がアウェイ戦なので「アウェイ戦が多かったこと」も大きく関係しているとは思うが勢いが落ちてきている。
10試合で7失点というのは6失点の仙台に次いでJ2で2番目に少ない数字になるが10試合で12得点というのは上位チームにしては非常に少ない。栃木SCとの開幕戦で3ゴールを奪ったが2節以降は9試合で9得点のみ。長崎や横浜FCなどと比較すると爆発力に欠けるのは否めないところ。FWグレイソンとMF田中雄が2ゴールを記録しているがこの2人がチーム内得点王になる。ゴールを量産できる選手がいない。
新戦力のFWグレイソンは10試合で2ゴール3アシスト。ポストプレーが上手くて味方を使える選手なのでフォワードの軸になっているがここ5試合は無得点。シュートチャンスにあまり絡めなくなってきた。「1トップ+2シャドー」はFWグレイソンが中心。MFガブリエル・シャビエル、MF岩渕弘、MF木村太、MF田中雄、FWルカオ、MF齋藤恵などもいるので駒は揃っているが、「2シャドー」は固定しきれていない。
DF田上を中心とする守備陣は安定しているので「岡山は攻撃陣次第」と言えるが「ゴール期待値」は1.63でJ2で3位となる。一方、「被・ゴール期待値」は0.80でJ2で最小。「+0.82」というのは横浜FCに次いでJ2で2番目となる。ここに来て勝利から遠ざかっているものの、充実した戦いを見せているのは間違いない。「悲願のJ1初昇格」のためには次の次のホームの清水戦(12節)で勝って勢いを取り戻したい。
※ 投稿日:2024年3月20日(水) (総再生数:5,116回)
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