■ J1の第8節J1の第8節。昇格1年目ながら1勝2敗4分けと奮闘している東京ヴェルディはホームの味の素スタジアムで宿敵のFC東京と対戦した。FC東京は3勝2敗2分けで勝ち点「11」。6位とまずまずの位置に付けている。両クラブがリーグ戦で対戦するのはともにJ2所属だった2011年10月30日(日)以来。J1の舞台で対戦するのは2008年8月23日(土)以来。かなり久しぶりになる。味スタには31,746人という大観衆が集まった。
ホームの東京Vは「4-2-2-2」。GKマテウス。DF宮原、林尚輝、谷口栄、深澤。MF稲見、森田晃、齋藤功、見木友。FW染野、木村勇。U-23日本代表に選ばれたMF山田楓はU-23アジア杯に参加するので最長で1か月ほど欠場することになった。新戦力のMF見木友が左SHに入ってMF稲見がボランチでスタメン出場となった。開幕後に緊急補強した元・山形のMFチアゴ・アウベスが初めてベンチ入りを果たした。
対するアウェイのFC東京は「4-2-2-2」。GK波多野。DF白井康、土肥幹、エンリケ・トレヴィザン、バングーナガンデ・佳史扶。MF高宇洋、小泉慶、安斎颯、俵積田。FW仲川、小柏。こちらはMF松木玖、MF荒木遼、GK野澤大志ブランドンの3人がU-23アジア杯のメンバーに選ばれたのでチームを離れた。これまでは「4-2-1-3」を採用するケースが多かったが2トップを選択。FW小柏が移籍後初スタメンとなった。
■ 激闘となった東京ダービー試合は歴史に残るダービーになった。序盤の序盤はどちらかというと静かな展開になったが前半26分に左サイドの裏を取ったMF見木友がエリア内で倒されてPKを獲得。自ら決めて東京Vが先制に成功する。J1初挑戦となるMF見木友は嬉しいJ1初ゴールとなった。さらに前半34分にDF宮原のパスカットからカウンター。パリ世代のFW染野が右足で美しいボレーシュートを決めて東京Vが大きな追加点を奪った。
2点を追うFC東京は前半43分に右SHのMF安斎颯が2枚目のイエローカードを受けて退場。10人になった。前半は2対0で折り返した。迎えた後半は数的優位の東京Vがペースを握る展開になった。FC東京はほとんどチャンスを作れなかったがGK波多野の頑張りもあって何とか0対2のスコアを維持すると後半23分に右SBのDF白井康のグラウンダーのクロスから途中出場したMF遠藤渓が決めて1点差に迫った。
さらに後半49分には攻撃参加したDFエンリケ・トレヴィザンが競り勝ってチャンスを作るとFW仲川の横パスを受けたMF遠藤渓が左足で巻いたシュートを決めて土壇場でFC東京が2対2の同点に追いついた。MF遠藤渓は途中出場ながら2ゴールの大活躍で東京ダービーの主役になった。激闘となった試合は2対2で終了。数的優位の中、2点リードを守れなかった昇格1年目の東京Vにとっては痛恨のドローと言える。
■ 2011年以来の東京ダービーリーグ戦に限定すると2011年以来の東京ダービーだったが白熱した展開になった。稀に見る激闘になったが数的不利の中、2点差を追いついたFC東京にとっては価値あるドローと言える。11人対11人であれば2点ビハインドであっても追いつく可能性はあるが「10人対11人で2点ビハインド」となると「ほぼthe End」である。前半のうちに退場者を出す極めて苦しい流れだったので「勝ちに等しいドロー」と言える。
東京ダービーの主役になったのは途中出場したMF遠藤渓だった。2点を追う中、後半16分に投入されたが数的不利ということもあってなかなか見せ場は来なかった。FC東京が攻め込むシーンすらほとんど作れない時間帯が長く続いたがワンチャンスを生かして後半23分に追撃のゴールを奪った。これで会場の雰囲気は大きく変わった。MF遠藤渓の1点目をアシストしたDF白井康の後半の奮闘ぶりは称賛に値する。
FC東京はオフに大型補強を敢行。FW荒木遼とMF高宇洋が定位置を確保する中、MF遠藤渓はインパクトを残せずにいた。同ポジションにMF俵積田がいることもあってここ3試合はいずれもベンチスタート。MFジャジャ・シルバもいるので「過酷な環境」と言えるが「FC東京への完全移籍」が発表された直後の試合で大きなインパクトを残した。この日の彼の活躍(2ゴール)は永遠にサポーターの間で語り継がれるだろう。
FC東京は10人になりながらもいい戦いを見せたがMF安斎颯の退場は残念だった。相手にPKを献上したときに1枚目のイエローカードを受けていたが前半43分にラフプレーで2枚目のイエローカードを貰ってしまった。どちらのシーンも「全力で守備をしなければいけない。」という思いが裏目に出てしまったが両場面とも状況判断があまり良くなかった。2枚目のイエローを受けたシーンはかなり危険なプレーだった。
■ 「悔やんでも悔やみきれないドロー」東京Vにとっては「悔やんでも悔やみきれないドロー」と言える。最高の形で前半に2ゴールをゲット。退場者も出たので「絶対に逃げ切らないといけない試合だった。」と言える。仮に、今シーズン、東京VがJ1残留に失敗するようだと「8節の東京ダービーでのドローが痛恨だった。」と高確率で言われるだろう。東京ダービーで宿敵のFC東京を叩くことが出来ると勢いに乗れたので極めて残念な結果になった。
1点差だと何が起こっても不思議はない。東京Vにとっては「後半23分に1失点目が極めて勿体なかった。」と言える。先のとおり、MF安斎颯が退場になった後、FC東京はほとんどいい形を作れなかった。MF山見などを投入した東京Vがカウンターから3点目を奪って試合を決める確率の方がはるかに高い時間帯がずっと続いたがDF山越康が左サイドに出した展開のパスが相手ボールになってカウンターを食らった。
「味方選手の多くが攻めあがったタイミングでのパスミス」は痛すぎた。東京Vにとって前半は「ほぼ理想通りの展開」だったが唯一の誤算は前半39分にDF谷口栄がケガをして交代となったこと。経験のあるDF山越康が投入されたが2失点目も最初にDF山越康とDFエンリケ・トレヴィザンが空中戦をしてDFエンリケ・トレヴィザンがマイボールにつなげたプレーから始まった。DF山越康にとってはきつい試合になった。
東京Vは勝ち点「2」を失う形になったがPKとは言ってもMF見木友に移籍後初ゴールが生まれたのは良かった。2点目のFW染野のゴールはゴラッソだった。完璧なボレーシュートだった。あのまま2対0や3対0や3対1あたりのスコアで東京Vが逃げ切っていたらFW染野のボレーシュートは大きくクローズアップされたと思うがMF遠藤渓の2ゴールに全てを持っていかれた。これで1勝2敗5分け。2勝目もなかなか遠い。
※ 投稿日:2024年1月29日(月) (総再生数:19,121回)※ 投稿日:2024年2月8日(木) (総再生数:8,180回)※ 投稿日:2024年2月11日(日) (総再生数:11,002回)
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