■ J2の第12節J2の第12節。6勝1敗4分けで3位のファジアーノ岡山はホームのシティライトスタジアムで首位の清水エスパルスと対戦した。降格2年目の清水は8勝2敗1分けで勝ち点「25」。2位の長崎との差は「1」ながら首位を走っている。3位の岡山は勝ち点「22」。J2の昇格争いの行方を大きく左右するだろう注目の一戦となった。岡山は7節から4試合未勝利と苦しんだが1つ前の11節はホームで熊本に2対0で勝利した。
ホームの岡山は「3-4-2-1」。GKブローダーセン。DF阿部海、田上、本山遥。MF藤田息、輪笠、柳貴博、末吉塁、木村太、岩渕弘。FWグレイソン。新加入のMFガブリエル・シャビエルは欠場。怪我で出遅れていたMF輪笠は11節の熊本戦(H)で今シーズンのリーグ戦初出場。いきなりゴールを決めた。J2の2月・3月のMVPに選出されたFWグレイソンは11試合で2ゴール4アシスト。ただ、6試合連続で無得点中となる。
対するアウェイの清水は「4-2-2-2」。GK権田。DF吉田豊、高橋祐、住吉ジェラニレショーン、山原怜。MF宮本航、中村亮、ルーカス・ブラガ、矢島慎。FWカルリーニョス・ジュニオ、北川航。こちらもMF乾が怪我で欠場中。元・岡山のMF矢島慎が左SHでスタメン出場。FWカルリーニョス・ジュニオは2トップの一角でプレーする。絶好調のFW北川航は9試合で5ゴール3アシスト。年間MVP級の活躍を見せている。
■ 「3位の岡山 vs 首位の清水」「3位の岡山 vs 首位の清水」という上位対決は3連勝中の清水が主導権を握る展開になった。立ち上がりから優勢に試合を進めた。前半28分にはゴール前の混戦からPKを獲得。先制の絶好のチャンスを迎えたがキッカーを任されたFWカルリーニョス・ジュニオのキックは弱くてコースも甘かった。GKブローダーセンがキャッチして清水は大きなチャンスを逃した。どのプレーがPKの対象だったのか?は分かりにくかった。
PK失敗で流れは変わるかに思えたが直後の前半35分にFW北川航がワンツーから抜け出してキーパーと1対1の決定機を迎えると右足で巻いたシュートを決めてアウェイの清水が先制に成功する。絶好調のFW北川航は早くも今シーズン6ゴール目。10試合で6ゴール3アシストとなった。好パスでゴールをアシストしたFWカルリーニョス・ジュニオはPK失敗をすぐに挽回した。前半は1対0と清水がリードして折り返した。
1点を追う岡山は後半16分にFWグレイソンがMF岩渕弘とのワンツーから抜け出して左足でシュートを放ったが威力のあるシュートにはならず。GK権田がキャッチした。岡山はMF田中雄、FWルカオ、FW齋藤恵などを投入。攻撃的なカードを次々に投入したが最後まで大きなチャンスは作れなかった。1対0で逃げ切った清水は4連勝。首位をキープした。敗れた岡山は今シーズン2敗目。6勝2敗4分けとなった。
■ 清水はこれで4連勝清水はこれで4連勝となったがいずれも1点差での勝利となる。2023年は14節のいわきFC戦(H)の9対1を筆頭にゴールラッシュを見せて大差で勝利する試合も多かったが今シーズンは12試合で20得点。爆発力は昨シーズンと比べるとやや落ちているが安定した戦いを見せてしっかりと勝ち点を積み上げている。得失点差が「+7」というのは9勝2敗1分けで首位を走るチームにしてはかなり控えめな数字になる。
攻撃陣を引っ張っているのは何と言ってもFW北川航になる。2023年は33試合で4ゴール7アシスト。味方を生かすプレーを見せてアシストの数は増えたが4ゴールのみ。得点はあまり奪えなかった。ただ、今シーズンは10試合で6ゴール3アシスト。高い決定力を発揮してFWチアゴ・サンタナが抜けた影響をあまり感じさせない。新戦力のFWドウグラス・タンキがまだ不発の中、FW北川航が復活したのは非常に大きい。
決勝ゴールの場面は鮮やかだった。中央突破がものの見事に決まった。MF乾を欠く中、ここ最近は2トップを採用しているがFWカルリーニョス・ジュニオのポジションが前になると攻撃は多彩になる。昨シーズンはMF乾が不在の試合で勝ち点を取り逃がすケースが多かったが「MF乾が不在の時にどう戦うのか?」という問題も解決しつつある。次節からの3試合は下位との対戦が続く。いい流れになってきた。
J2は早くも12節が終了したが首位の清水が勝ち点「28」、2位の長崎が勝ち点「27」、3位の岡山が勝ち点「22」、4位の横浜FCが勝ち点「21」。首位の清水と2位の長崎の上位2つが頭半分ほど抜け出す形になった。どちらもここ最近はほとんど勝ち点を取りこぼさないので3位以下との差が広がってきた。清水は5月18日(土)に行われる16節が横浜FC戦(A)になる。両クラブにとって極めて重要な試合になる。
■ 岡山は踏ん張りどころ3節から4連勝を達成するなど開幕6試合は5勝1分けと突っ走った岡山は踏ん張りどころを迎えている。7節以降の成績は6試合で1勝2敗3分け。急失速している。8節は横浜FC、12節は清水とのホーム戦。直接対決を落としたのは痛すぎる。5月は山形(A)→徳島(H)→長崎(A)→甲府(H)→仙台(A)なのでJ1経験があってJ2の中では規模の大きいクラブとの対戦が続いていく。5月の5試合は極めて大事になる。
「力の差」ならびに「勢いの差」を見せつけられる試合になったと言える。清水は14本のシュートを放ったが岡山は6本だけ。ほとんどチャンスを作れなかった。12試合で14得点なので総得点は3位に位置するクラブとしてはかなり少ないが爆発力に欠ける点は否めず。12節を終えた時点で複数ゴールを記録しているのはFWグレイソンとMF田中雄の2人だけ。しかも、共に2ゴールのみ。ゴールを量産できる選手はいない。
FWグレイソンはここまで4アシストを記録している。ポストプレーは正確で献身性もあって周りの選手をうまく使えるタイプのセンターフォワードになる。岡山のフォワードの軸になっているが、過去、J1昇格を果たしたクラブのほとんどにゴールを量産するストライカーがいた。2シャドーの選手のゴール数が積みあがっている状態であればFWグレイソンが無得点のままでも問題はないが現状はそういう状況ではない。
FWグレイソンにもゴールは求められる。セットプレーは上手く活用したい。今シーズンは12試合で5得点/6失点。ここ最近はセットプレーから失点するシーンが多い。「DF柳育崇をスタメンで使う。」というのは1つの解決策になる。今シーズンは控えに回っており、スタメンは4回だけ。途中出場した試合がすでに8回もある。DF鈴木喜が離脱していることを考えると「DF柳育崇はスタメンの方がベター」と言える。
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