■ J2の第9節 J2の第9節。昇格1年目ながら4勝3敗1分けで勝ち点「13」。6位と好位置に付ける愛媛FCはホームのニンジニアスタジアムで首位のファジアーノ岡山と対戦した。岡山は5勝1敗2分けで勝ち点「17」。開幕から7試合負けなしだったが4月3日(水)に行われた横浜FCとの上位対決で1対3で敗れて今シーズン初黒星を喫した。就任3年目の木山監督にとって愛媛FCは古巣になる。2015年と2016年に愛媛FCで監督を務めた。
ホームの愛媛FCは「4-2-3-1」。GK辻。DF尾崎、森下怜、小川大、前野。MF深澤佑、谷本、窪田稜、石浦、茂木駿。FW松田力。エースのFW松田力は7節の藤枝MYFC戦(H)でようやくの今シーズン初ゴールを挙げた。MF谷本とMF菊地俊がチーム最多の2ゴールを挙げている。左SBはDF山口竜が2試合連続でベンチ外。大ベテランのDF前野が先発で起用された。FWベン・ダンカンなどがベンチスタートになった。
対するアウェイの岡山は「3-4-2-1」。GKブローダーセン。DF本山遥、柳育崇、田上。MF藤田息、田部井涼、柳貴博、末吉塁、木村太、太田龍。FWグレイソン。岡山U-18出身で大卒1年目のMF太田龍は6節の群馬戦(A)以来でプロ2回目のスタメンとなった。明治大で活躍して即戦力になることが期待されている。ボランチのMF藤田息は2015年~2017年まで愛媛FCで活躍。ここで出番を得て大きく飛躍した。
■ 激闘となったが2対2のドロー 試合の序盤は愛媛FCペースになった。前半12分にDF田上の中途半端な縦パスをカットしたMF谷本がダイレクトで前方に。ボールを受けたFW松田力がキックフェイントで相手をかわしてから左足でミドルシュートを突き刺してホームの愛媛FCが先制に成功する。2023年のJ3のMVPのFW松田力は今シーズン2ゴール目となった。前半は1対0で折り返した。岡山は後半開始からMFガブリエル・シャビエルを投入する。
先制されたものの、前半の半ば以降は優勢に試合を進めた岡山は後半23分にCKの場面でファーサイドにいたDF本山遥が折り返したボールがゴール前にいたMF深澤佑の体に当たってゴールイン。オウンゴールとなって岡山が1対1の同点に追いついた。追いつかれた愛媛FCは直後の後半25分にFKを獲得するとMF深澤佑の蹴った鋭いボールに反応したDF小川大がヘディングシュートを決めて勝ち越しに成功する。
逃げ切りたい愛媛FCだったが勝ち越した直後の後半27分に途中出場したMFパク・ゴヌがラフプレーで一発レッド。10人になった。数的優位の岡山は後半47分に途中出場したMF仙波のクロスから同じく途中出場のFW齋藤恵が頭で合わせて2対2の同点に追いついた。後半52分にFWベン・ダンカンに決定機が訪れたが懸命に戻ってきたDF本山遥がブロックして勝ち越しゴールとはならず。2対2の引き分けだった。
■ エースのFW松田力が今シーズン2ゴール目 岡山県と愛媛県は近いこともあってニンジニアスタジアムにはたくさんの岡山サポーターが来場した。この日の観客動員数は5,313人だったが「6位の愛媛FC vs 首位の岡山」の上位対決は熱戦になった。いい試合になったと言える。昇格1年目ながら上位争いに顔を出している愛媛FCはこれで4試合負けなし。藤枝MYFCと仙台に勝利して山口と岡山にはドロー。攻撃的なサッカーで旋風を巻き起こしている。
前半12分のFW松田力の先制ゴールはゴラッソだった。相手の縦パスをカットしたMF谷本は、一旦、ボールを落ち着かせても良かったがダイレクトでパス。ミスになりやすい難易度の高いプレーを選択したがダイレクトでパスを出したことでFW松田力はいい状態でボールを持つことが出来た。ボランチのMF谷本はテクニックがあってアイディアも持っているテクニシャン系の選手になるが意外とボール奪取力も高い。
エースのFW松田力は今シーズン2ゴール目。開幕から6試合は無得点。2023年のJ3で主役になったチームの顔に初ゴールが生まれていなかったことは愛媛FCにとって気掛かりなポイントだったがようやくエンジンがかかってきた。彼の前線からの守備やボールキープ、フリーランニングは愛媛FCの肝になる部分なのでFW松田力のゴール数が順調に伸びてくるようだと愛媛FCは良いシーズンになるだろう。
悔やまれるのは勝ち越した直後のMFパク・ゴヌの一発レッド。オウンゴールで追いつかれた直後にFKからDF小川大のゴールで勝ち越しに成功。いい展開になりかけたが水を差すようなプレーだった。非常に危ないプレーだったのでレッドカードが出るのは当然と言える。若い選手や経験の少ない選手にはありがちな話ではあるが「途中出場なので攻守に貢献しなければいけない。」という思いが空回りした。
■ 初昇格に向けて最初の正念場 岡山はこれで3試合勝ち無し。初昇格に向けて最初の正念場を迎えた。気になるのはセットプレーの守備になる。1つ前の8節の横浜FC戦(A)はDF福森晃のプレイスキッカーから3失点したがこの日の2失点目もセットプレーだった。MF深澤佑から素晴らしいボールが入ってきたので対応するのは難しいシーンではあったが「セットプレーの守備」が課題になっている。これだけ失点が続くと苦手意識が生まれるだろう。
岡山は9試合でわずか7失点になるがそのうちの6失点がセットプレーになる。この試合の1失点目のFW松田力のゴールが「今シーズン初めて流れの中で喫した失点」になるので本当に守備は堅いがさすがに6失点は多すぎる。逆にセットプレーから5得点を奪っているのでセットプレーは大きな武器になるはずである。高さ自体は十二分にあるクラブなので「ちょっとした心がけ」などで改善されると思われる。
2度リードを許したことを考えると「負けなかったこと」はポジティブに考えられるが能力の高い選手がたくさんベンチに控えている点は今シーズンの岡山の強みと言える。途中出場したMF仙波は同点ゴールをアシスト、同じく途中出場したFW齋藤恵はヘディングで同点ゴールをゲット。FWルカオやMFガブリエル・シャビエルも途中出場で大きな存在感を発揮した。特に攻撃陣の充実度は目を見張るものがある。
オフに秋田から完全移籍したFW齋藤恵は開幕戦で途中出場した後、ベンチ外が続いていた。7節と8節はベンチに入ったが出番はなかった。この日が2度目の出場だったが後半47分に起死回生の同点ゴールを奪った。Jリーグ屈指のスピードを持っているが181cmなので高さもある。2023年はJ2の秋田で23試合に出場して5ゴールを挙げたが使い勝手のいい選手である。MF仙波の同点アシストも見事だった。
※ 投稿日:2024年3月20日(水) (総再生数:5,116回) ※ ナレーションは「音声読み上げソフト」を使用しています。 ※ 一部、訛りがありますが気にせずにスルーしてください。 VIDEO 関連エントリー 2024/01/14 【J1:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:344名) 2024/01/09 【J2:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:187名) 2024/01/10 【J3:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:91名) 2024/02/09 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~1:山形、2:岡山、3:千葉、4:鹿児島、5:群馬~ 2024/02/10 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~6:栃木、7:清水、8:藤枝、9:山口、10:愛媛~ 2024/02/10 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~11:秋田、12:仙台、13:横浜FC、14:長崎、15:徳島~ 2024/02/11 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~16:水戸、17:いわき、18:大分、19:熊本、20:甲府~ 2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (前編) 2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (後編) 2024/04/12 全エントリーの一覧 (2018年-2023年)
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