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【レノファ山口×水戸ホーリーホック】 19歳のGK春名竜聖。凡ミスで失点もファインセーブで汚名返上。 | | |　

■　J2の第11節

J2の第11節。4勝3敗3分けで6位とプレーオフ圏内に位置するレノファ山口はホームの維新みらいふスタジアムで水戸ホーリーホックと対戦した。水戸は1勝4敗5分けで17位と下位に沈んでいる。水戸はいわきFCとの開幕戦で勝利した後、9試合勝ちなし中と苦しんでいるが2節から4連敗を喫した後、5節以降は5試合連続でドロー中。極端な成績になっている。山口は10試合でわずか7失点のみ。堅守が光っている。

ホームの山口は「4-2-2-2」。GK関。DF前貴之、板倉洸、ヘナン、新保。MF池上、相田、野寄、河野孝。FW若月、梅木翼。CBながら3ゴールを挙げているDF平瀬大は3試合連続でベンチ外。DF板倉洸が2回目のスタメンとなった。フォワードの軸になっているFW梅木翼は9試合で2ゴールを挙げているが「空中戦勝利数」がJ2最多の105回。2位のFW近藤慶(いわきFC)は57回なので2位以下に大差をつけている。

対するアウェイの水戸は「4-2-2-2」。GK春名。DF村田航、牛澤、山田奈、大崎航。MF前田椋、長井一、黒川、新井晴。FW寺沼、安藤瑞。開幕からずっと「4-2-3-1」を採用していたが1つ前の10節の栃木SC戦(H)から「4-2-2-2」を採用しており、FW安藤瑞とFW寺沼の2トップになった。キーパーは10節の栃木SC戦(H)はベンチ外だった19歳のGK春名がスタメンに復帰した。今シーズン6回目のスタメンとなる。

■　2対1で水戸が逆転勝利

試合の立ち上がりは水戸ペースになったが前半11分にミスから失点を喫した。バックパスのボールをGK春名がコントロールミスをして相手にボールを奪われるとFW若月のパスを受けた右SHのMF野寄が左足で決めてホームの山口が先制に成功する。MF野寄は今シーズン2ゴール目となった。先制された水戸だったが直後にFKを獲得するとこの流れからMF長井一のミドルシュートが決まってすぐに同点に追いついた。

さらに前半30分には高い位置でボールを奪ってカウンター。MF長井一の縦パスを受けたFW寺沼がミドルシュートを放つと山口の選手に当たってコースが変わってゴールイン。1点目のMF長井一のミドルシュートもゴール前にいた山口の選手の体に当たってコースが変わっているので水戸は2ゴールともかなりラッキーだった。FW寺沼はようやくの今シーズン初ゴールとなった。前半は2対1で折り返した。

迎えた後半13分に水戸のボランチのMF前田椋が2枚目のイエローカードを受けて退場。10人になった。その後は山口が圧倒的に攻め込む展開になった。水戸はFW安藤瑞を下げてCBのDF楠本を投入。5バックに変更して逃げ切りを図った。何度か危ない場面はあったがキーパーのGK春名を中心に何とか耐えて試合終了。2対1で逆転勝利の水戸は10試合ぶりに勝ち点「3」を獲得。2勝4敗5分けとなった。

■　凡ミスで失点もファインセーブで汚名返上。

水戸はようやくの今シーズン2勝目となった。後半13分にMF前田椋が2枚目のイエローカードを受けて退場。数的不利になった後は防戦一方の展開になったが何とか逃げ切った。途中出場したDF楠本は2018年に大卒で山口に加入して2021年まで山口でプレーした。古巣対決だったが体を張った守備で逃げ切りに貢献した。退場者を出した後、すぐにDF楠本を投入して5バックに切り替えた判断は良かった。

水戸にとって悔いが残るのは退場シーンになる。MF前田椋は後半4分に1枚目のイエローカードを受けたがそのすぐ後にも危ないシーンがあった。ボールをロストした後、相手のカウンターになりそうな状況でファールで止めた。このプレーで2枚目のイエローカードが出ても不思議はなかったが何とか見逃してもらえた。「次、やったらほぼOUT(退場)」という状況だったのでMF前田椋は交代させたほうが良かった。

前半に相手と激突したMF長井一が脳震盪の疑いでハーフタイムで交代。MF長尾を投入したので「ボランチを代えにくい状況」だったのは間違いないがベンチにはMF落合陸が控えていた。MF長尾の投入は交代回数にはカウントされないことを加味すると「ベンチの判断はまずかった。」と思う。そのままプレーさせて退場になってしまったのはかなり悔やまれるが選手の頑張りで何とか1点リードを守ることが出来た。

開幕戦は1対0で勝利しているので「今シーズン初の逆転勝利」となったがボランチのMF長井一は1ゴール1アシストの活躍だった。GK春名は1失点目の対応は良くなかった。ボールコントロールをミスしてロスト。失点につながってしまったが味方がすぐに追いついてくれたので少しは気分的に楽になったと思われる。攻め込まれた後半は何度も好プレーを見せた。ハイボールの処理もかなりアグレッシブだった。

■　雨の中で10人の水戸を崩しきれず・・・。

敗れた山口は4勝4敗3分けとなった。試合前の時点では6位だったが中位グループは大混戦なので10位まで後退した。この時期なので順位を気にする必要は全くないが「9試合未勝利中の水戸とのホーム戦」なのでしっかりと勝ち点「3」を積み上げたい試合だった。相手キーパーのGK春名のミスを突いて前半11分にMF野寄が左足で先制ゴールをゲット。いいスタートを切ったがその直後に追いつかれてしまった。

先のとおり、2失点ともミドルシュートだったが2つともゴール前にいた山口の選手の体に当たってコースが変わってゴールイン。GK関はどうすることも出来なかった。ここまでの10試合でわずか7失点のみ。J2屈指の堅守を誇るがこの日はかなりアンラッキーだった。2失点目に関しては山口の方もボールの失い方が非常に悪かった。前からプレッシャーをかけられてかなり危険な形でボールを失ってしまった。

後半13分に相手に退場者が出て数的優位の時間帯がずっと続いたが攻めきれなかった。試合を通して16本ものシュートを放ったが決定機はそこまで多くなかった。水戸は5バック気味の布陣に変更して後ろを固めたが崩しきれず。サイドから上げたクロスを相手キーパーのGK春名にキャッチされて攻撃が終了する場面も少なくなかった。「11人対10人になった後の山口の攻撃はやや単調だった。」と言える。

山口は残念な結果となったがここに来て右SHで出場機会が増えている大卒2年目のMF野寄は今シーズン2ゴール目を記録した。左足でのシュートだったがねじ込んだ。163cmと小柄でありながらテクニシャン系の選手でドリブルは大きな武器となるがゴール数やアシスト数など数字がついてくると相手にとってかなり怖い選手になる。昨シーズンは22試合で1ゴール。今シーズンは7試合で2ゴール目となった。