■ J2の第17節J2の第17節。4勝7敗5分けで勝ち点「17」のロアッソ熊本はホームのえがお健康スタジアムでモンテディオ山形と対戦した。山形は5勝9敗2分けで勝ち点「17」。開幕前は「有力な昇格候補の1つ」に挙げられたがここまで16位と下位に沈んでいる。熊本は17位。下位同士の直接対戦になった。16位の山形と17位の熊本はともに勝ち点「17」。18位の鹿児島は勝ち点「13」なのでどちらも残留争いに巻き込まれている。
ホームの熊本は「3-4-2-1」。GK佐藤優。DF黒木晃、江崎、大西遼。MF上村周、豊田歩、大本、岩下航、藤井皓、伊東俊。FW大崎舜。福岡大出身で大卒2年目のFW大崎舜が1トップの位置で起用された。FW大崎舜は1つ前の16節の徳島戦(A)でプロ初先発。J2で37試合目の出場にしてようやくのリーグ戦初ゴールを記録した。怪我明けのFW石川大はこの日もベンチスタート。13節の鹿児島戦(A)で戦列に復帰した。
アウェイの山形は「4-2-1-3」。GK後藤雅。DF岡本一、西村慧、安部崇、吉田泰。MF小西雄、南、後藤優。FWイサカ・ゼイン、藤本佳、氣田。5試合未勝利の山形はオフに群馬から完全移籍のDF岡本一が移籍後2度目のスタメンとなった。同じく新加入でCBのDF安部崇は10節の仙台戦(A)以来のスタメンとなる。怪我で欠場が続いていたFW藤本佳は開幕の千葉戦(A)以来で今シーズン2回目のスタメンとなった。
■ 後半49分に山形がPKで先制ゴール5月末の試合でありながらこの試合の公式の気温は30.0℃。暑い中での試合になった。ホームでは5試合勝ちなし中の熊本は2試合連続スタメンとなったFW大崎舜が最前線で存在感を発揮。持ち味であるスピードを生かして相手の脅威になった。前半23分にはこぼれ球を拾ったボランチのMF豊田歩が得意の左足で巻いたシュートを放ったが惜しくも左ポストに直撃する。「決まっていてもおかしくないシュート」だった。
前半27分には右WBのMF大本のクロスからFW大崎舜が上手く足で合わせたがキーパーにキャッチされた。前半48分に今度は山形が右サイドのFKを獲得するとCBのDF西村慧が頭で合わせたがキーパーのGK佐藤優がしっかりとセーブした。前半は0対0で折り返した。後半はギアチェンジした山形が攻め込む時間が長くなった。古巣対決となるFW坂本亘やFW杉山直を投入。攻撃的な選手を次々に突入した。
後半46分にエリア内でボールを受けたDF安部崇が相手のファールを誘って山形にPKが与えられる。これを途中出場のFW高橋潤が決めて土壇場で先制ゴールを奪った。FW高橋潤は今シーズン5ゴール目となった。1対0で勝利した山形は6試合ぶりに勝ち点「3」を獲得。16位から14位に浮上した。敗れた熊本は連勝とはならず。ホームでの勝利は3月30日(H)の千葉戦が最後。長らく勝利から遠ざかっている。
■ 熊本は17位、山形は16位と低迷中試合前の時点で熊本は17位、山形は16位。どちらも思うような序盤戦にはならなかった。降格圏に位置する下位3クラブ(鹿児島・栃木SC・群馬)の結果がかなり気になる状況になっているが山形がアウェイで貴重な勝ち点「3」を獲得した。決勝ゴールはPKによるもの。スッキリした形の勝利にはならなかったが勝ち点「20」に到達。降格圏に位置する3クラブとの差は広がって少しだけ安心できるポジションになった。
決勝ゴールを決めたのは途中出場したFW高橋潤だったがプレッシャーのかかるPKをしっかりと決めた。PKを蹴るときにキーパーのタイミングを外そうとしたがあまり上手くいかず。キーパーのGK佐藤優がシュートコースと同サイドに飛んだのでヒヤッとしたと思うがそれなりにスピードのあるシュートだったのでGK佐藤優は止めることは出来なかった。FW高橋潤はこれで5ゴール目。プチブレイクしつつある。
5試合勝ちなし中ということもあってここまで出番に恵まれなかった選手を何人かスタメンで起用したが右SBのDF岡本一は持ち味である攻撃参加で貢献。CBのDF安部崇は貴重なPKをゲットしたが得意の左足を生かしたビルドアップでも貢献した。今シーズンの山形はオフに大型補強を敢行しながら新戦力をほとんど生かせていなかった。新戦力の良さを引き出せていなかったがようやく新加入選手が勝利に貢献した。
エースのFW藤本佳は開幕戦以来のスタメンだったがまずまずのプレーを見せた。後半15分に脳震盪の影響でプレー続行不可。FW高橋潤と交代したので怪我の状態は気になるが随所に持ち味を発揮した。山形は「ボール支配率」がJ2で1位。攻め込むことは出来ているがフォワードがなかなかゴール前で仕事が出来ない。FW藤本佳は典型的なストライカーであり、万能型のフォワードなので彼が戻ってきたのは大きい。
■ 後半46分に痛恨のPKを献上16節の徳島戦(A)で勝利して8試合ぶりに勝ち点「3」を獲得した熊本だったがホームで完封負けを喫した。すでに触れたとおり、前半は189cmのFW大崎舜が目立った。長身でありながらスピードがあってリーチの長さも魅力。山形の守備陣を苦しめた。ただ、2つほどあったチャンスを生かせず。動き自体はなかなか良かったが2試合連続ゴールとはならず。彼に限らず、「ラストの精度」は大きな課題と言える。
後半46分に痛恨のPKを献上したが「かなり不用意な対応だった。」と言える。DF安部崇がいい位置に走り込んで角のスペースでボールを受けたがDF安部崇はゴール方向に背を向けている状態だった。DF安部崇は攻撃力のある選手ではあるが本職はCBの選手なのであの状況から何か大きな仕事をするのはかなり難しかった。DF江崎が焦って足を出す必要性は全くなかった。「大きな判断ミス」と言わざる得ない。
PKのシーンのリプレーを見ても「どのくらいの接触があったのか?」ははっきりしない。個人的には「そこまで強い接触は無かったのでは?」と思うがDF安部崇は笛が鳴ってPKが宣告された後、長い時間、立ち上がれずにピッチに倒れていた。「演技をした。」というわけではないと思うので「かなりのダメージを受けた。」と推測できる。ただ、熊本のサポーターにとってはすぐには納得しにくい判定だったのは確か。
熊本はこれで4勝8敗5分けとなった。下位3クラブ(鹿児島・栃木SC・群馬)は開幕後に監督交代を実施したが熊本が大木監督を斬ることは考えにくい。大木体制のままでこれからのシーズンも戦っていくと思うがFW大崎舜、FWべ・ジョンミン、FW道脇、FW神代、MF藤井皓、MF古長谷などがリーグ戦で起用される中、どこまで成長できるか?がキーになる。ポテンシャルを秘めた選手は多いので彼の成長に期待したい。
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