■ J1の第16節J1の第16節。8勝6敗1分けで5位の名古屋グランパスはホームの豊田スタジアムで最下位の京都サンガと対戦した。京都は2勝10敗3分けで勝ち点「9」のみ。自動降格圏に位置する。京都は11節のFC東京戦(A)から5連敗中。チョウ・キジェ監督の退任騒動が勃発するなど極めて苦しいシーズンになっている。勝利したのは3節の川崎F戦(A)と10節の神戸戦(A)の2つのみ。ホームではここまで7戦全敗となる。
ホームの名古屋は「3-4-2-1」。GKランゲラック。DF吉田温、ハ・チャンレ、三國ケネディエブス。MF椎橋、稲垣、和泉、小野雅、森島司、永井謙。FWパトリック。2連勝中の名古屋はFWパトリックが1トップの位置でスタメン出場。2023年は京都でプレーしたがJ1で10ゴールを挙げる活躍を見せた。14節のFC東京戦(H)でハットトリックを達成したFWキャスパー・ユンカーは2試合連続でベンチスタートになった。
アウェイの京都は「4-1-2-3」。GKク・ソンユン。DF福田心之助、宮本優、麻田、佐藤響。MF金子大、川崎颯、平戸。FW豊川、原大智、松田天。14節の浦和戦(A)でレッドカードを受けたDFアピアタウィア・久は2試合の出場停止中。今節も不在となる。15試合を終えて11ゴールのみ。ここまで極度の得点力不足に苦しんでいるがFW原大智、FW豊川、MF川崎颯の3人が2ゴールを挙げてチーム内得点王になる。
■ 名古屋が追い付いてドローに・・・。試合はどちらかというとアウェイの京都ペースで始まった。前半6分に191cmのFW原大智が左足でシュートを放った。やや劣勢の展開になった名古屋は前半16分に左WBのMF小野雅のクロスからFWパトリックがシュートを放ったがゴールライン上で京都のCBのDF宮本優がクリア。惜しくも先制ゴールとはならなかった。その後、前半28分にMF小野雅が負傷交代するアクシデントが発生。MF中山克が投入された。
連敗を止めたい京都は前半35分にFW原大智のポストプレーからチャンスを作った。バイタルエリアでフリーになったMF平戸が絶妙なタッチで浮き球のスルーパスを出すと上手く抜け出したFW豊川がダイレクトシュートを決めてアウェイの京都が先制に成功する。FW豊川は今シーズン3ゴール目。今シーズンも出番に恵まれないMF平戸は4試合目の出場で今シーズン2アシストとなった。前半は1対0で折り返した。
後半になると名古屋はFW山岸祐とFWユンカーを投入。同点ゴールを目指した。すると後半30分にエリア内で粘ったFWユンカーのパスを受けたMF椎橋がミドルシュート。ゴール前にいたDF宮本優が頭でクリアしようとしたが失敗。GKク・ソンユンの目の前でコースが変わったのでキーパーはどうすることも出来なかった。MF椎橋は移籍後初ゴールとなった。試合は1対1の引き分け。京都の連敗は「5」で止まった。
■ 最下位の京都を相手にドロー5連敗中で最下位の20位と低迷する京都をホームに迎えた試合だったので上位争いをする名古屋にとっては「勝たないといけない試合」だったが思うような展開にはならなかった。後半30分に1対1の同点に追い付いた後、FW山岸祐などがチャンスを迎えたので逆転できる可能性はあったが仕留めきれず。勝ち点「1」というのは十分な結果とは言えない。名古屋は2連勝中だったがこちらは連勝がストップした。
MF椎橋のゴールはランキーなところもあったがいいポジションを取って正確に枠にシュートを飛ばしたことが同点ゴールにつながった。MF椎橋はJ1通算では6ゴール目。177試合で6ゴールなので得点の多い選手ではない。守備的なキャラクターの強い選手になるがここに来て先発の機会が増えており、好調の名古屋を支えている。ボランチの競争は激しいが長谷川健太監督の信頼を勝ち取りつつある。
名古屋は16試合で19得点/17失点。開幕3連敗を喫したことを考えると「よく持ち直した。」と言えるが攻撃に関しては物足りなさは残る。15節を終えた時点での「ゴール期待値」はわずか0.94。これはJ1ワーストの札幌に次いで下から2番目となる。「シュート数」、「ドリブル数」、「枠内シュート数」がいずれもJ1ワースト。「クロス数」もJ1で19位。攻撃に関するスタッツのほとんどがJ1で下位クラスになる。
「上位争いに参加しているのは不思議と言えるほど攻撃に関するスタッツは低調」と言えるが怪我で序盤戦は満足にプレーできなかったFWユンカーならびにFW山岸祐が戦列に復帰してきたので改善は期待できる。MF森島司、FWパトリック、FW永井謙、MF倍井などもいるので「どのように組み合わせるか?」は注目点になる。オフの補強によって攻撃的なポジションのタレントは豊富になったので上手く生かしたい。
■ 曹貴裁監督の解任はあるのか?アウェイで引き分けた京都はひとまず連敗を「5」で止めることが出来た。15節を終えた時点で2勝10敗3分け。最下位に沈んでいるので曹貴裁監督の交代を求める声は少なくなかったが引き分けで勝ち点「1」を拾ったことで次の17節のC大阪戦(H)までに監督交代が実施されることはほぼ無くなったと言える。1対0とリードを奪った状態で後半の終盤に突入したので何とかして逃げ切りたかったが追いつかれてしまった。
MF椎橋の同点ゴールはアンラッキーだった。シュートコースに入ったDF宮本優が頭を出してクリアをする気持ちは良く分かる。何としてでも止めたかったと思うがエリア外からのミドルシュートだったのでGKク・ソンユンが難なく処理できる確率はかなり高かった。瞬時に判断しないといけないかなり難しいシチュエーションだったが「不運だった。」と言うしかない。連敗中のクラブにありがちな失点の仕方だった。
ポジティブに考えられるのは今シーズン4回目の出場となったMF平戸が先制ゴールをアシストしたこと。町田時代は攻撃の中心として活躍しながら新天地の京都ではほとんど輝きを放つことが出来ずに苦しんでいる中、アイディアのあるパスを出してFW豊川のゴールをお膳立てした。「闘えるタイプの選手」を曹貴裁監督は重宝しているがMF平戸やMF谷内田のような違いを生み出せるアタッカーも必要である。
結果が出ない以上、批判の声が出てくるのは仕方がないが同じように監督交代を求める声が大きくなっている川崎Fや札幌などと比較すると京都は「監督交代によって事態が好転することは考えにくい状況」と言える。曹貴裁監督の教え子をたくさん獲得しており、監督交代となった場合、彼らのうちの何人かが退団を希望することは十分に考えられる。フロントは出来る限り、曹貴裁監督を引っ張ろうとするだろう。
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