■ ルヴァン杯の2回戦ルヴァン杯の2回戦。1回戦でJ2の栃木SCを下して2回戦進出を果たしたJ3のいわてグルージャ盛岡はホームのいわぎんスタジアムでJ1のセレッソ大阪と対戦した。岩手は2勝5敗2分けで勝ち点「8」。J3で18位と苦しんでいる。対照的にC大阪は好調。5勝3分けでついに首位に浮上した。MF香川やMF清武などスター選手のいるC大阪が相手ということもあって平日の試合にもかかわらず、2,362人のお客さんが集まった。
ホームの岩手は「3-4-2-1」。GK稲葉。DF斉藤諒、深川、柳世根。MF水野晃、下上、新玉、桐、松原亘、安達秀。FW都倉。4月14日(日)に行われたFC大阪戦(H)から中2日ということもあってメンバーは総入れ替えとなった。2019年と2020年にC大阪に在籍したFW都倉は古巣対決となるがC大阪時代は怪我の影響で計25試合で2ゴールだった。C大阪U-18出身のMF小暮はベンチ外。MF南野がユースの同期になる。
アウェイのC大阪は「4-1-2-3」。GKヤン・ハンビン。DF阪田澪、鳥海、ジャスティン・ハブナー、奥田勇。MF上門、香川、北野颯。FWクルークス、渡邉りょう、山田寛。こちらもスタメンを大きく入れ替えた。直近の8節から連続スタメンはCBのDF鳥海のみ。10人を入れ替えた。4節の鳥栖戦(A)で前半のみで交代したMF香川がようやく戦列に復帰した。ここまでベンチ外が続いていたMF清武もベンチに入った。
■ 「J3の岩手 vs J1のC大阪」は熱戦に・・・。どちらもメンバーを大きく入れ替えて戦ったがホームの岩手が健闘。ほぼ互角の展開で進んでいく。C大阪は前半7分に右SBで起用されたDF阪田澪のクロスからFW渡邉りょうがボレーシュートを放ったが枠を捉えることは出来なかった。岩手も前半10分にDF斉藤諒の頭でのパスからFW都倉が得意の左足でアクロバティックなシュートを放ったが惜しくも枠を捉えることは出来なかった。前半は0対0で折り返した。
迎えた後半1分にCBのDF斉藤諒のクロスから187cmのFW都倉が豪快なヘディングシュートを放ったがGKヤン・ハンビンがビッグセーブを見せた。岩手にとって最大の決定機だった。0対0で迎えた後半21分にC大阪がメンバー交代を実施。FW渡邉りょう、FW山田寛、MF北野颯、DF奥田勇の4人を下げてFWレオ・セアラ、FWルーカス・フェルナンデス、MFヴィトール・ブエノ、DF舩木翔の4人を同時投入する。
すると直後の後半22分にFWルーカス・フェルナンデスのパスを受けたMFヴィトール・ブエノが右足で巻いたシュートを決めてアウェイのC大阪が先制に成功する。MFヴィトール・ブエノは4節の鳥栖戦(A)以来。来日2ゴール目となった。1対0で何とか逃げ切ったC大阪が3回戦に進出した。5月22日(水)に行われる3回戦でFC琉球と対戦することになった。FC琉球は2回戦でJ1のG大阪を下して勝ち上がった。
■ 格上のC大阪を相手に奮闘した岩手レギュレーションが大きく変わったルヴァン杯は番狂わせが多発しているがC大阪もJ3の岩手を相手に苦戦した。「J1で首位を走る実力」を披露できなかったが何とか勝利した。カテゴリーが下となるJ2やJ3のクラブは高いモチベーションで試合に入ってくるので少々の実力差であれば跳ね返すことが出来る。岩手はC大阪を相手に素晴らしい戦いを見せたがゴールを奪うことは出来ず。2回戦で敗退となった。
今大会は「カテゴリーが上のクラブはターンオーバーを採用する一方で、カテゴリーが下のクラブは本気度の高いメンバーを起用するケース」が多かったがこの試合はどちらもターンオーバーを採用した。岩手は直近の試合から総入れ替えだったがチャンスを与えられた選手が奮闘した。GK稲葉とMF下上とDF柳世根はここまでリーグ戦の出場はゼロ。MF新玉もほとんど出番を得られていないが爪痕を残した。
目立ったのは何と言っても古巣対決となるFW都倉だった。前半10分ならびに後半1分に惜しいシュートを放った。FW都倉もここまで7試合に出場しているが全て途中出場。計146分のプレー時間にとどまっているがJ1を相手に大きなインパクトを残した。身体能力で勝負するタイプのストライカーなので37歳となるとなかなか厳しい。年齢的な衰えをカバーするのは難しいが高さと勝負強さは変わらず相手の脅威になる。
J2やJ3の多くの選手は「より上のカテゴリーのクラブでプレーしたい。」という考えを持っていると思うが上のカテゴリーのクラブとの対戦というのはアピールする絶好のチャンスである。C大阪は昨シーズンは天皇杯の3回戦で当時はJ2だった大宮と対戦したがこの時に大宮の中心とした活躍したMF柴山はその直後の夏の移籍市場でC大阪に引き抜かれた。C大阪のフロントの目に留まった選手は誰だろうか?
■ アピールに成功したのは左SBのDF奥田勇斗C大阪はいい内容の試合ではなかったがとにもかくにも3回戦に進むことが出来た。リーグ戦はここまで5勝3分けと無敗。今シーズンは怪我人が出ていることもあってメンバーを入れ替えながら戦っているのでこの試合でスタメン出場した選手の多くはリーグ戦でも一定の出場機会を得ているがアピールをしたい試合だった。FW渡邉りょう、FW山田寛、MF北野颯などはゴールやアシストでアピールしたかった。
どちらかというと低調な内容だったが怪我明けのMF香川はさすがの存在感を発揮した。ほぼ1か月ぶりの試合だったが精度の高いパスで起点になった。後半33分にMF香川との交代でMF清武がピッチに入ったがMF清武はあまり見せ場を作れなかった。2023年は怪我の影響でJ1は2試合の出場のみ。今シーズンは怪我で離脱しているわけではないがチャンスは回ってこない。コンディションをもう少し上げる必要がある。
左SBで起用されたDF奥田勇は好印象を残した。本職は右SBになるが昨秋のアジア大会のときに左SBのレギュラーとして活躍した。プレースタイルを考えると「左SBでも問題なくプレーできるタイプ」だと思うがポジショニングが良くて正確な技術でビルドアップのときに大きな貢献が出来る。「偽SBの働きができる選手」なので現代的なサイドバックと言える。技術が高くてクレバーなところも大きな武器となる。
高卒2年目となる右SBのDF阪田澪も右サイドハーフが主戦場となる選手なので本職ではない位置でプレーしたがそこまで良さは出せなかった。こちらはスピードを生かした突破やクロスが武器となるが縦に仕掛けてクロスを上げるシーンはほとんどなかった。得点力も高い選手なので「サイドハーフとして大きな可能性を秘めた選手」だと思うが右SBにトライするのは面白い。SBもこなせるようだとチャンスは広がる。
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