■ J2の第11節 J2の第11節。3勝3敗4分けで12位とやや出遅れた大分トリニータはホームのレゾナックドーム大分でいわきFCと対戦した。いわきFCも3勝3敗4分けで勝ち点「13」。12位の大分 vs 11位のいわきFCの顔合わせとなった。片野坂監督が復帰した大分はここ5試合は1勝2敗2分けと低調。10試合で10得点/9失点なのでロースコアの試合が多くなっている。逆にいわきFCは10試合で18得点/10失点。得点力が高い。
ホームの大分は「4-2-2-2」。GK濵田。DF野嶽惇、安藤智、藤原優、香川勇。MF保田、弓場、松尾勇、薩川。FW渡邉新、長沢駿。2トップを組むFW渡邉新とFW長沢駿はここまで4ゴール。この2人がチーム内得点王になるが2人以外でゴールを奪っているのはボランチのMF保田のみ。リーグ戦でゴールを奪っている選手は3人しかいない。キーパーは開幕から大卒3年目で24歳のGK濵田が起用されている。
対するアウェイのいわきFCは「3-1-4-2」。GK立川。DF五十嵐、照山、石田侑。MF大西悠、加瀬、大迫塁、西川潤、山口大。FW有馬幸太郎、谷村海。開幕からしばらくは「3-4-2-1」を採用していたがここ最近は大卒1年目のMF大西悠をアンカーの位置に置く「3-1-4-2」にトライしている。FW谷村海とMF山口大のポジションが少し高めになった。10試合で5ゴール2アシストのFW谷村海が攻撃陣を牽引している。
■ 3勝3敗4分け同士の対戦 3勝3敗4分け同士の対戦はアウェイのいわきFCがペースを握る展開になった。立ち上がりから激しいプレスをかけて大分に攻撃の機会を与えなかった。劣勢の展開になった大分は前半14分にMF薩川がクリアをしたときにハムストリングを痛めてプレー続行不可。前半14分という早い段階でMF宇津元が投入された。いわきFCはパリ世代のMF西川潤が左足で積極的にシュートを放って相手ゴールを脅かした。
0対0で迎えた前半49分にはエリア内からMF山口大がシュート。キーパーがセーブしたところをFW谷村海が押し込んでネットを揺らしたがオフサイドの判定でゴールとは認められなかった。0対0で迎えた後半14分にいわきFCが右サイドでFKを獲得するとMF大迫塁の蹴ったボールは少し長くなったがGK濵田が処理しきれず。途中出場したFW近藤慶が押し込んで優勢だったいわきFCが先制に成功する。
FW近藤慶は今シーズン3ゴール目となった。さらに後半29分には右ストッパーのDF五十嵐のクロスからファーサイドで待っていたCBのDF照山がヘディングで合わせて大きな追加点を奪った。J3のFC今治から加入したDF照山はCBながら早くも今シーズン4ゴール目となった。いわきFCが2対0で勝利した。いわきFCは4勝3敗4分け、敗れた大分は3勝4敗3分けとなった。大分のシュートはわずか3本のみだった。
■ セットプレーから早くも10ゴール目 前評判は低かったものの、開幕からいい戦いを見せているいわきFCは11試合で20得点。若手主体のメンバー構成ながら攻撃陣が結果を残している。この日の2ゴールはともにセットプレーから。20得点のうち、ちょうど半分の10得点がセットプレーから生まれているのでセットプレーは大きな武器になっている。ここ最近は19歳のMF大迫塁がキッカーを務めているが精度の高いボールを供給することが出来る。
貴重な追加点のゴールを決めたDF照山はCBながら4ゴール目。11試合で4ゴールと驚異の得点力を発揮している。昨シーズンはJ3のFC今治で大活躍。J3のベスト11に選ばれる活躍を見せていわきFCへの個人昇格を果たしたがJ2でも大きな存在感を発揮している。いわきFCでは3バックの中央で起用されており、守備の中心になっているが、攻撃力も非常に高い。クレバーでテクニカルな選手なので現代的なCBと言える。
先制ゴールを奪ったのは途中出場したFW近藤慶だった。後半の終盤に怪我をして途中交代となったが後半12分に投入されて後半14分に先制ゴールを奪った。CFのレギュラーは固定されておらず。FWブワニカ啓太もいる中、FW近藤慶とFW有馬幸太郎の2人が激しいポジション争いを繰り広げているがFW近藤慶は高さがあってパワーもある。大卒1年目になるが早くも今シーズン3ゴール目。結果を残している。
2点目のDF照山のゴールをアシストしたのは右ストッパーのDF五十嵐だったが特別指定選手ながらすっかりレギュラーに定着している。ストッパーの位置はDF大森理やDF生駒仁やDF速水などもレギュラー候補に挙げられるが桐蔭横浜大の4年生のDF五十嵐は攻撃力も高くていわきFCのサッカーに上手くはまっている。右WBで起用されることもあるが攻撃の時も守備の時も落ち着いてプレーすることが出来る。
■ 大分の放ったシュートはわずか3本のみ 敗れた大分はこれで3勝4敗4分けとなった。黒星が先行したがホームでは2連敗。3試合勝ちなしとなった。9節の秋田戦(H)も1対3で敗れたが今シーズンはホームで1勝2敗3分けと苦しんでいる。この日の大分市内は朝から雨だったのでレゾナックドーム大分の屋根は閉じられており、屋内空間での試合になったが、8,748人が集まった試合で放ったシュートはわずか3本のみ。決定機はあまり作れなかった。
10節を終えた時点で大分は「30mライン進入回数」が1位、「ボール支配率」は2位となる。ボールを保持して攻め込むことは出来ているが「シュート数」は16位、「枠内シュート数」に至ってはJ2最少になる。アタッキングサードでの精度やアイディアはかなり不足している。FW渡邉新とFW長沢駿の2トップはともに4ゴールを挙げているので結果を残しているが左右のサイドハーフの選手の貢献がかなり少ない。
この日は右SHにMF松尾勇、左SHにMF薩川を起用したが、ともにアタッカーというよりはサイドバック or ウイングバック系の選手になる。台所事情は苦しい。MF薩川が早い段階で負傷交代して前半14分にMF宇津元が投入されたが彼のプレーはまずまず良かった。後半1分には左サイドから素晴らしいボールをゴール前に供給してFW渡邉新の決定機をお膳立てした。途中交代でアグレッシブにプレーした。
昨シーズンの夏に「左膝前十字靭帯損傷」という大怪我を負って長期離脱していたMF茂がようやく復帰できたのは良かった。後半の頭からはMF野村直も起用されたが後半の序盤はMF野村直がいい位置でボールを受けて起点になった。ただ、MF茂は31歳、MF野村直は33歳。MF梅崎も37歳で、MF町田は34歳。攻撃的なポジションの選手(特にアタッカー)の年齢が総じて高めなので「若い力の台頭」が待たれる。
※ 投稿日:2024年3月20日(水) (総再生数:5,116回) ※ ナレーションは「音声読み上げソフト」を使用しています。 ※ 一部、訛りがありますが気にせずにスルーしてください。 VIDEO 関連エントリー 2024/01/14 【J1:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:344名) 2024/01/09 【J2:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:187名) 2024/01/10 【J3:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:91名) 2024/02/09 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~1:山形、2:岡山、3:千葉、4:鹿児島、5:群馬~ 2024/02/10 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~6:栃木、7:清水、8:藤枝、9:山口、10:愛媛~ 2024/02/10 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~11:秋田、12:仙台、13:横浜FC、14:長崎、15:徳島~ 2024/02/11 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~16:水戸、17:いわき、18:大分、19:熊本、20:甲府~ 2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (前編) 2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (後編) 2024/04/22 全エントリーの一覧 (2018年-2023年)
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