■ J1の第6節 J1の第6節。首位の町田ゼルビアはホームの町田GIONスタジアムでサンフレッチェ広島と対戦した。町田は開幕戦こそ、1対1の引き分けだったが、2節以降は4連勝中。4勝1分けと快進撃を見せている。広島は2勝3分けで5位とまずまずのスタートを切った。首位の町田 vs 5位の広島という注目の上位対決となった。両クラブがJリーグの舞台で対戦するのは初めてとなる。ここまで無敗同士の対決になる。
ホームの町田は「3-4-2-1」。GK谷。DFチャン・ミンギュ、ドレシェヴィッチ、昌子。MF柴戸、仙頭、平河悠、林幸多郎、藤尾、藤本一。FWオ・セフン。これまでは4バックだったが初めて最初から3バックを選択。鹿島から完全移籍のDF昌子が「3バックの左」で起用された。右SBのDF鈴木準はベンチスタート。U-23日本代表のMF平河悠が右WBでプレーする。同じくU-23日本代表のMF藤尾はシャドーの位置に入った。
対するアウェイの広島は「3-4-2-1」。GK大迫。DF塩谷、荒木隼、佐々木翔。MF松本泰、川村、中野就、東俊希、満田、加藤陸。FW大橋祐。こちらはいつも通り。ほぼベストと言えるスタメンになった。オフに湘南から完全移籍したFW大橋祐はここまで3ゴールを挙げている。昨秋に行われたU-17W杯の本大会に出場したFW井上愛とMF中島洋がベンチ入り。MF中島洋は5節のG大阪戦(H)でJリーグデビューを飾った。
■ 2対1でサンフレッチェ広島が勝利! 試合はあいにくの雨模様となった。難しいピッチコンディションだったがアウェイの広島ペースになった。町田は3バックを採用したが最前線でプレーするFWオ・セフンがやや孤立してシュートチャンスを作れなかった。ただ、前半15分に広島にアクシデントが発生。「3バックの中央」のDF荒木隼が太腿を痛めて負傷交代。守備の要を失うことになった。新加入のMF新井直が投入されたがMF中野就がCBの位置に移った。
怪我人がたくさん出ている広島にとっては極めて痛い離脱になるが前半31分に先制に成功する。左WBのMF東俊希のパスを受けたMF満田が絶妙なタイミングでスルーパス。抜け出したFW大橋祐がゴールゲット。FW大橋祐は早くも今シーズン4ゴール目となった。オフサイドなのか?否か?は微妙かと思われたがDF昌子が後ろに残っていたので全くオフサイドではなかった。前半は1対0で折り返した。
迎えた後半開始から町田はボランチのMF柴戸を下げてレフティのMF下田北を投入。テコ入れを図ったが後半5分に投入されたばかりのMF下田北がエリア内でDF佐々木翔を倒してしまう。主審はファールを宣告しなかったがVARで確認した結果、広島にPKが与えられた。MF満田が決めて大きな追加点を奪った。後半37分にFW大橋祐のオウンゴールで1点差になったが追いつくことは出来ず。2対1で広島が勝利した。
■ 上位対決を制したのはサンフレッチェ広島 「どこが町田を止めるのか?」が2024年のJ1の序盤戦の最大の注目ポイントになっていたが6節にしてようやく広島が撃破に成功した。このまま広島も倒すようだと「昇格1年目でのJ1制覇」も夢物語ではなくなっていた。2015年以来のJ1制覇を目指す広島にとってはとてつもなく大きな意味を持つ勝利となった。これで町田は4勝1敗1分け、広島は3勝3分け。町田は初黒星を喫したが広島は無敗をキープした。
町田の放ったシュートはわずか3本のみ。オウンゴールで失点した後、後半の終盤は町田に攻め込まれたが内容的には広島の完勝だった。MF満田は1ゴール1アシスト。上位対決という大一番でハイパフォーマンスを見せた。器用な選手なので右WBやボランチで起用される機会もあるが、やはり、2シャドーの一角がベストポジション。前半31分のFW大橋祐の先制ゴールにつながったアシストパスは絶妙だった。
「3バックの左」でプレーしたDF佐々木翔は攻守両面で素晴らしいプレーを見せた。後半5分に獲得したPKはかなり微妙だったが上手く攻撃に関与してファールを誘う形になった。この日は町田も3バックを採用したが右ストッパーのDFチャン・ミンギュや左ストッパーのDF昌子がセットプレー以外でチャンスに絡む場面はほとんどなかった。「左右のストッパーの選手の攻撃力は広島の大きな武器」と言える。
前半31分に貴重な先制ゴールを奪った新加入のFW大橋祐は早くも今シーズン4ゴール目となった。スキッべ監督になってからの広島はシュートチャンスをたくさん作れるようになっているが精度や確率は今一つ。「決定力不足」というのは今の広島の数少ない弱点なのでストライカーのFW大橋祐にかかる期待は大きい。この活躍をしばらくの間、続けることが出来るようだと初の日本代表入りも見えてくる。
■ 3バックが機能しなかった町田ゼルビア 敗れた町田はJ1初黒星となったが3バックが上手く機能しなかった。3対1で勝利した5節の鳥栖戦(H)は後半開始からDF鈴木準を下げてDF昌子を投入。この時点では1対1のスコアだったが後半にFWオ・セフンが2ゴールをゲット。選手交代やシステム変更はまずまず成功したと言えるがこの日は今一つ。3バックにしたことで町田の本来の良さが出にくくなった。端的に言うと「3バックは失敗だった。」と言える。
もちろん、3バック向きの選手もたくさんいるので「対戦相手や試合展開によっては3バックも有効なやり方」と言えるが「3バック vs 3バック」になるとこのやり方に慣れている広島の方がかなり有利である。3バックにすると右SBのDF鈴木準を使えなくなるのは大きなマイナスと言える。また、(フォワードではなくて)シャドーになるとMF藤尾の良さは出にくくなって、WBになるとMF平河悠の良さも出にくくなる。
FWオ・セフンとMF藤尾の前線からのプレスは今シーズンの町田の大きな武器になっているが「3-4-2-1」にしたことで前からのプレスはかかりにくくなった。「現状では4バックの方がベター」と言える。町田に移籍をしたものの、出番に恵まれない元・日本代表のDF昌子にとっては大きなチャンスだったがアピールは出来ず。1失点目はDF昌子が後ろに残っていたのでオフサイドを取れず。周囲との連携は今一つだった。
ポジティブに考えられるのはG大阪との開幕戦で怪我をした後、しばらく離脱していた10番のMFナ・サンホが戻ってきたこと。離脱していた時期にMF藤尾が2トップの一角で活躍。結果を残しているがMFバスケス・バイロンは離脱した。MF藤本一の出番が増えているがMFナ・サンホはサイドハーフでの起用が考えられる。サイドでも十分に機能する選手なので町田の更なる攻撃力アップに貢献する可能性は高い。
※ 投稿日:2024年1月29日(月) (総再生数:19,121回) VIDEO ※ 投稿日:2024年2月8日(木) (総再生数:8,180回) VIDEO ※ 投稿日:2024年2月11日(日) (総再生数:11,002回) VIDEO 関連エントリー 2024/01/14 【J1:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:365名) 2024/01/09 【J2:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:174名) 2024/01/10 【J3:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:87名) 2024/02/09 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~1:東京V、2:FC東京、3:浦和、4:町田、5:G大阪~ 2024/02/12 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~6:磐田、7:神戸、8:京都、9:広島、10:C大阪~ 2024/02/12 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~11:新潟、12:鳥栖、13:川崎F、14:名古屋、15:福岡~ 2024/02/17 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~16:横浜FM、17:札幌、18:湘南、19:鹿島、20:柏~ 2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (前編) 2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (後編) 2024/04/09 全エントリーの一覧 (2018年-2023年)
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