■ J2の第17節J2の第17節。5勝4敗7分けで勝ち点「22」の大分トリニータはホームのレゾナックドーム大分でレノファ山口と対戦した。山口は8勝5敗3分けで勝ち点「27」。5位とプレーオフ圏内に位置する。3連勝中の山口は自動昇格争いに絡んでおり、2位の長崎との差は「6」。射程圏内に入った。首位を走る清水との差も「10」なので素晴らしい序盤戦になっている。大分も12節の熊本戦(A)から5試合負けなし中となる。
ホームの大分は「4-2-2-2」。GK濵田。DF保田、安藤智、藤原優、野嶽惇。MF小酒井、弓場、中川寛、野村直。FW宇津元、長沢駿。昨オフに一旦は契約満了のリリースが流れたものの、FWサムエルが長期離脱した直後に大分と再契約を結んだベテランのFW長沢駿は14試合で6ゴール。見事な活躍を続けている。ボランチが本職となるDF保田が初めて右SBでプレー。DF野嶽惇が右SBから左SBに回った。
対するアウェイの山口は「4-2-2-2」。GK関。DF前貴之、キム・ボムヨン、ヘナン、新保。MF佐藤謙、田邉光、野寄、河野孝。FW若月、梅木翼。こちらは183cmのFW梅木翼がフォワードの軸になっている。FW若月、FW梅木翼、MF河野孝、DF平瀬大の3人が3ゴールを挙げてチーム内得点王になる。FW山本駿とMF野寄も2ゴールを挙げている。18歳のFW末永は16節の藤枝MYFC戦(A)で劇的な決勝ゴールを決めた。
■ 「11位の大分 vs 5位の山口」「11位の大分 vs 5位の山口の対戦」となったが試合前の時点で大分と山口の勝ち点差も「5」のみ。大分のいる中位グループも大混戦になっている。大分は5試合負けなし中、山口は3連勝中。どちらもここ最近は負けていないが非常に静かな展開になった。ともにあまりシュートチャンスを作れない試合になった。山口は前半7分にCKからフリーになったMF野寄がボレーシュートを放ったが枠を捉えることは出来ず。
直後の前半8分に大分は自陣からロングボールを蹴ると上手くボールをコントロールして山口の2人のCBを同時にかわしたFW宇津元がキーパーと1対1の決定機を迎えたがGK関がビッグセーブを見せた。このシーンが両チームを通じてこの試合の最大のチャンスだった。前半は0対0で折り返した。後半開始から山口はMF佐藤謙を下げて10番のMF池上を投入するが7分にMF河野孝が怪我をして交代となった。
MF河野孝に代わってMF山本駿が投入されたがフォワードではなくてそのまま左SHの位置でプレーした。後半になると山口の攻撃の軸であるFW梅木翼が存在感を発揮。惜しいシーンを何度か作ったがこの日は感覚が悪かったのか、ボールコントロールが上手くいかずにシュートチャンスに持ち込めないシーン続いた。結局、どちらも最後までゴールを奪うことは出来ず。試合はスコアレスドローに終わった。
■ 大分の放ったシュートはわずか2本だけ。大分の放ったシュートはわずか2本だけ。すでに触れた前半8分のFW宇津元のビッグチャンス以外では後半19分にワンツーから右SBで起用されたDF保田が利き足ではない左足でミドルシュートを放ったプレーだけ。DF保田のミドルシュートは難易度の高いシュートだったので大きなチャンスと言えたのは前半8分のFW宇津元のシュートくらい。ほとんどビッグチャンスを作れなかった。攻撃陣はかなり低調だった。
大分はこれで4試合連続でドロー。6試合負けなしとなったがこの6試合の成績は2勝4分け。引き分けが多くなっている。清水・長崎・横浜FC・仙台・岡山など上位陣はなかなか勝ち点を取りこぼさないのでドローが続くと上との差は徐々に広がっていく。試合前の時点で2位の長崎との差は「11」だったが長崎が勝利して大分が引き分けたことでその差は「13」となった。これは「限界ギリギリの勝ち点差」と言える。
この日はU-19日本代表のDF保田を本職であるボランチではなくて右SBの位置で先発起用した。ボランチは大卒ルーキーのMF小酒井が台頭中。DF保田の出番は減少しているので右SBにトライさせた。「右SBでプレーした経験はほとんどない。」という話なので思い切った選択だったが彼の良さが発揮されるシーンは攻撃の場面でも守備の場面でもあまりなかった。そつなくプレーしたが目立つプラス点も無かった。
DF保田はしっかりとボールを受けて展開をすることが出来るので「偽りのSB」のイメージで右SBに置いた可能性はあるが大胆にポジションを取って起点になるシーンはあまりなかった。この日はMF中川寛を右SHで起用したがMF中川寛とDF保田のスムーズは連携からチャンスを作る場面もほとんどなかった。「守備の堅い山口が相手」とは言ってもホームゲームでシュートわずか2本というのは寂しい限りである。
■ 「J2ではクラブ史上初となる4連勝」を目指したが・・・。3連勝中だった山口は「J2ではクラブ史上初となる4連勝」を目指したがゴールを奪うことは出来ず。新記録の達成はならなかった。過去にJ2のリーグ戦で3連勝したのは2016年の9節~11節、2018年の1節~3節、2019年の19節~21節の3回だけ。霜田体制だった2018年は開幕3連敗スタート。3試合で計10ゴールを奪って勢いに乗った。2018年の8位というのはJ2での山口の最高成績になるが更新できるだろうか?
山口は7本のシュートを放った。「シュート数が7本」というのは決して多くないが大分と比べると惜しいシーンを多く作った。前半7分のMF野寄のボレーシュート、後半10分のFW若月のシュート、後半25分のMF山本駿のシュートなどはゴールの可能性を感じさせるプレーだったが仕留めることは出来ず。山口もチーム内得点王が3ゴールのFW梅木翼、FW若月、MF河野孝、DF平瀬大の4人なので量産中の選手はおらず。
大卒4年目のFW梅木翼は昨秋にプチブレイク。今シーズンはフォワードの軸になっている。ほぼ不動の存在になっているが183cmの長身を生かした空中戦の強さはJ2屈指と言える。サイズの割には運動量が多くて守備面での貢献度も高いがさらに上のレベルに行くためにはゴール前の質や精度を高める必要がある。すでに触れたとおり、この日は最後の最後の肝心な場面で繊細なプレーが出来なかった。
38歳のGK関はここまでフルタイム出場。J2屈指の堅守を誇る山口の守備陣を支えている。キーパーはオフの移籍市場でFC琉球のGK田口ならびに鳥取のGK糸原を獲得。ポジション争いは一気に熾烈になったが志垣監督の信頼を勝ち取ったのは大ベテランのGK関だった。178cmとサイズに恵まれていないので身体能力が落ちると釣られてパフォーマンスも落ちてしまうタイプの選手になるが高いレベルで維持できている。
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