■ J3の第9節J3の第9節。5勝1敗2分けで2位と好位置に付けるFC岐阜はホームの岐阜メモリアルセンター長良川競技場でカターレ富山と対戦した。J2復帰を目指す富山は2勝2敗4分けで勝ち点「10」。11位とやや出遅れてしまった。J3は8節と9節と10節が3連戦になるがどちらも4月6日(土)に8節を戦ったので中3日となる。この試合は4月10日(水)の夜に行われたが富山のサポーターもたくさんスタジアムに足を運んだ。
ホームのFC岐阜は「4-2-2-2」。GK茂木秀。DF石田崚、甲斐、川上竜、文仁柱。MF庄司、西谷亮、荒木大、上野輝。FW粟飯原、藤岡。8試合で3ゴール3アシストのFW田口裕は開幕戦以来のベンチスタート。ここまでの8試合はすべて途中出場ながら2ゴールを挙げているFW粟飯原は復帰後初スタメンとなった。エースのFW藤岡は8試合で7ゴール1アシスト。序盤戦のJ3でMVP級の活躍を見せている。
対するアウェイの富山は「4-2-3-1」。GK田川。DF大山武、下堂、神山、安光。MF高橋馨、末木、松岡大、佐々木陽、吉平翼。FW碓井聖。8試合でわずか5得点のみ。極度の得点力不足に苦しんでいる富山は大卒1年目のFW碓井聖の1トップを採用。MF佐々木陽をトップ下で起用した。ボランチの一角にはもともとは2列目の選手であるレフティのMF高橋馨を起用。キーパーはGK田川が2試合連続スタメンとなった。
■ 2位のFC岐阜 vs 11位の富山平日の夜の試合にも関わらず、3,278人というJ3のリーグ戦としてはかなりの入りとなった上位候補同士の直接対決は非常に静かな展開になった。どちらもあまりシュートチャンスを作れなかった。富山は攻撃の中心である右SHのMF松岡大が低調。右サイドからチャンスを作って左サイドで仕留めたかったが右からチャンスを作るシーンは少なかった。前半はともに大きなチャンスを作ることができなかった。
迎えた後半も似たような展開になったが富山が後半14分に選手交代を実施すると富山に流れが傾いた。MF松岡大とMF佐々木陽を下げてFW松本孝とMF伊藤拓を投入。「4-2-2-2」に変更すると右SHに入ったMF伊藤拓のところからチャンスを作るようになった。後半25分にFW碓井聖のシュートでネットを揺らしたがファールの判定。DF甲斐へのファールでFW碓井聖にはイエローカードが提示された。
0対0のままで試合が終了しそうな空気だったが後半47分に富山が左サイドからチャンスを作ると左SBのDF安光のクロスから途中出場したFW松本孝が頭で合わせて富山が先制に成功する。逃げ切りたい富山だったが後半50分にDF神山のファールでPKを献上。FW田口裕が落ち着いて決めて土壇場でFC岐阜が1対1の同点に追いついた。FW田口裕は今シーズン4ゴール目。直後に試合終了のホイッスルが鳴った。
■ 悔やまれるPK献上。集中が切れてしまった。過密日程のときにありがちな動きの少ない静かな展開になったが後半のアディショナルタイムに双方がゴールをゲット。終盤の攻防は熱かった。波に乗り切れない序盤戦になっている富山はここで2位のFC岐阜を下して勢いに乗りたかったがスローインからピンチを招いてPKを献上。悔やんでも悔やみきれないPK献上だった。直前に選手交代を実施。MF高橋馨を下げてMF坪川を投入したが裏目に出た可能性もある。
もちろん、もともとは2列目の選手であるMF高橋馨よりもボランチが本職となるMF坪川の方が守備の部分では期待(計算)できるが選手交代を実施して各選手の集中が少し切れてしまった。当然、「時間稼ぎ」の意味合いも含まれた選手交代だったと思うが富山の選手の気持ちが緩んでしまっていとも簡単にFW田口裕にエリア内でボールを持たれてしまった。ドリブルで中に入られてしまったのは痛恨だった。
最終的にはDF神山が倒す形になったが最初の段階でFW田口裕に付いていたMF末木がポジショニングの勝負で負けてしまったことがPK献上につながった。目前まで迫っていた勝ち点「3」を逃す形になったが得点源としてゴール量産が期待されながらここまで無得点だった新戦力のFW松本孝に移籍後初ゴールが生まれたのは良かった。後半47分にヘディングで先制ゴールをゲット。ヒーローになり損ねた。
今シーズンは「4-2-2-2」が基本。FW松本孝とFW碓井聖の2トップを採用するケースが多かったが結果につながらず。「4-2-3-1」を採用する試合も増えてきたが2トップの方が迫力は出る。FW松本孝もFW碓井聖もサイズがあって、かつ、走力もあるので驚異の2トップになる可能性はある。MF松岡大、MF伊藤拓、MF高橋馨など打開力のあるサイドアタッカーも沢山擁しているので「4-2-2-2」がベターと思われる。
■ 後半51分にPKで同点に追いつく。FC岐阜は後半47分に先制ゴールを許したことを考えると「負けなくて良かった。」と言える。これで7試合負けなし。2節の大宮戦(A)こそ、0対1で敗れたが9節を終えた時点でわずか1敗のみ。5勝1敗3分けと好スタートを切った。J3で早くも5年目になるが2020年と2021年は6位、2022年は14位、2023年は8位。J3でも上位争いに参加できていない。2019年以来のJ2復帰に向けて過去最大のチャンスがやってきた。
9試合で17ゴールを奪っているのでFC岐阜は攻撃陣が好調。9試合で9失点なので守備も安定している。自動昇格争いに参加しているが7ゴールを挙げて序盤戦のJ3で主役級の活躍を見せているFW藤岡以外の選手も軒並み好調。たくさんゴールに絡んでいる。殊勲の同点PKを決めたFW田口裕は早くも今シーズン4ゴール目。加入1年目の昨シーズンは29試合で3ゴールだったが早くも昨シーズンの数字を上回った。
PKを奪取したプレーが非常に良かった。やや強引にドリブルで仕掛けたがうまく相手のファールを誘うことができた。プレッシャーのかかるPKだったが落ち着いて決めることができた。FW藤岡が7ゴール、FW田口裕が4ゴール。2トップだけで計11ゴールを奪っている。どちらも昨シーズンは数字が伸びずに非常に苦労したが今シーズンは最高のスタートを切った。ともにシュートが上手くて嗅覚を持っている。
FC岐阜は攻撃的なポジションの層が非常に厚くなっているので長時間プレーする機会が与えられたときは爪痕を残したい。大卒2年目のMF上野輝は今シーズン2回目のスタメン。左SHで起用されたがあまり良さを出せなかった。富山の右SBのDF大山武とマッチアップする機会が多かったがスピードとフィジカルを生かしたDF大山武のハードな守備に苦しめられた。逆に富山のDF大山武は1対1の守備で目立った。
※ 投稿日:2024年2月14日(水) : 総再生数:10,783回
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