■ J2の第15節J2の第15節。6勝3敗5分けで4位と好位置に付けるいわきFCはホームの「ハワイアンズスタジアムいわき」でレノファ山口と対戦した。志垣監督を招聘した山口も6勝5敗3分けで7位。好スタートを切った。ともに前評判は非常に低かったが序盤戦のJ2で旋風を巻き起こしている。いわきFCは4試合負けなし中。4試合連続でクリーンシートを達成するなどDF照山を中心とした守備陣も素晴らしい働きを見せている。
ホームのいわきFCは「3-1-4-2」。GK立川。DF五十嵐、照山、石田侑。MF大西悠、加瀬、大迫塁、西川潤、山口大。FW有馬幸太郎、谷村海。序盤戦は「3-4-1-2」を採用するケースが多かったがここ最近は大卒1年目のMF大西悠をアンカーの位置に置く「3-1-4-2」で固定されている。スタメン11人もほぼ固定されてきた。ここに来てDF石田侑、MF大迫塁、FW有馬幸太郎などがスタメンで起用されるようになった。
対するアウェイの山口は「4-2-2-2」。GK関。DF前貴之、キム・ボムヨン、ヘナン、新保。MF池上、相田、野寄、河野孝。FW若月、梅木翼。8試合で3ゴールを挙げるなど絶好調だったCBのDF平瀬大は7試合連続で欠場となった。ここ最近は外国人のDFヘナンがスタメンで起用されている。FW梅木翼とDF平瀬大がチーム最多の3ゴールを挙げている。若手のFW若月とMF野寄の2人もここまで2ゴールを挙げている。
■ 4位のいわきFC vs 7位の山口試合はいきなり動いた。前半7分に山口が距離のある所でFKを獲得するとDFキム・ボムヨンは(ゴール前には上げずに)右サイドに展開。フリーになっていたMF野寄がニアサイドに鋭いクロスを入れると飛び込んできたMF河野孝がダイビングヘッドで合わせてアウェイの山口が先制に成功する。FW河野孝はチーム最多に並ぶ今シーズン3ゴール目となった。いわきFCは10節の清水戦(H)以来の失点となった。
1点を追ういわきFCは前半29分に中央でボールを受けたMF西川潤がドリブルで前進してから右サイドのMF加瀬にパス。MF加瀬が右足でゴール前にクロスを入れるとMF谷村海が頭で合わせて1対1の同点に追いついた。181cmのMF谷村海は今シーズン7ゴール目となった。追いつかれた山口は前半44分にDFキム・ボムヨンのパスからFW梅木翼が抜け出してキーパーと1対1の決定機を迎えたが決めることは出来ず。
1対1で迎えた後半11分にはMF西川潤のパスを受けたMF谷村海に決定機が訪れたが決められず。後半20分に山口がCKを獲得する。ショートCKからDF新保が左足でクロスを入れると途中出場のFW山本駿が頭で合わせて山口が2対1と勝ち越しに成功する。新加入のFW山本駿は今シーズン2ゴール目となった。2対1で競り勝った山口はこれで2連勝。ホームで敗れたいわきFCは5試合ぶりの敗戦となった。
■ 精度の高いクロスから2ゴール試合前の時点で4位のいわきFC vs 7位の山口の対戦だったが山口が競り勝った。前半7分に幸先よく成功すると後半20分にはCKから勝ち越しゴールを奪った。4試合連続で無失点中だったいわきFCの守備を崩したが2つのゴールともクロスの精度が非常に高かった。1点目はMF野寄のクロスだったがニアサイドに鋭いクロスを入れた。大卒2年目のMF野寄は11試合で2ゴール1アシスト。プチブレイクしつつある。
2点目をアシストしたのは左SBのDF新保だったが彼の左足は山口の大きな武器になっている。早くも4アシスト目となったが左足で精度の高いクロスを蹴ることが出来る点は大きな特徴と言える。さらに言うと「縦に仕掛けてからクロスを入れることが出来る点」は大きな強みと言える。味方にお膳立てされてクロスを上げるだけでなく自らの力で局面を打開することが出来る。「J2でも上位クラスの左SB」と言える。
勝ち越しゴールを奪ったのは新加入のFW山本駿だったが打点の高いヘディングシュートだった。この場面はショートCKだったが山口の選手が3人もキッカーのところに寄って行って一時的に4対1の状況が生まれた。DF前貴之とDF新保とMF吉岡の3人が重なる形になったがトリッキーな動き方だったので相手の意表を突くことが出来た。かなり面白い動きだったのでいわきFC側はすぐには対応しきれなかった。
山口は15試合で12失点のみ。堅守が光っている。守備的なポジションの顔ぶれはそこまで変わっていないことを考えると「志垣監督はさすが」と言える。攻撃的なポジションはFW梅木翼、FW若月、FW河野孝、MF野寄など若くて動ける選手を抜擢しているが前線からのプレスも大きな特徴と言える。J2での過去最高成績は霜田監督時代の2018年の8位になるが「過去最高成績」を上回るチャンスのシーズンと言える。
■ いわきFCは5試合ぶりの敗戦ホームで敗れたいわきFCは5試合ぶりの敗戦となった。いきなり前半7分に失点したが前半24分にMF谷村海のゴールで追いついた。その後はMF西川潤を中心にチャンスを作ったが仕留めきれず。この日はシュート精度を欠いた。1対1のスコアで迎えた後半11分にはMF西川潤のパスからMF谷村海が決定機を迎えたが右足のシュートは枠を捉えることは出来ず。逆転の大きなチャンスだったが生かせなかった。
2失点目は悔やまれる。先のとおり、ショートCKから意表を突かれてサイドからいいボールが入ってきたが山口はサイドに人数をかけた分、ゴール前の厚みはなかった。ヘディングシュートを放ったFW山本駿の周りにいたのはいわきFCの選手ばかり。ゴール前に限定すると1対5のような状況だったが競り負けてしまった。FW山本駿のヘディングは高かったが「もう少しうまく守れた可能性はあった。」と言える。
勿体ない失点だったがこの日もチャンスは作った。目立ったのはMF西川潤だった。1点目のMF谷村海のゴールも彼のドリブルがきっかけになったがいい位置でボールを受けたときは高確率で決定機を生み出した。ボールを受ける回数はいつもの試合と比べるとやや少なかったがボールを受けたときのプレーの質は非常に高かった。MF加瀬やFW近藤慶にもいいパスを供給してシュートチャンスを演出した。
C大阪からレンタル移籍になるが開幕戦はベンチスタートだった。いわきFCは攻撃的なポジションのタレントは豊富なので競争は激しかったがMF谷村海とともにいわきFCの攻撃の中心に収まった。14試合で2ゴール1アシストなので数字はやや物足りないが攻撃の起点としていい働きを見せている。チームとしての結果が出ているのも自信になるだろう。五輪代表に入るためには個人としての数字も求められる。
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