■ 「1年でのJ1復帰」を目指す横浜FC 「1年でのJ1復帰」を目指す横浜FCは5勝2敗3分けで勝ち点「18」。4位とまずまずのスタートを切った。開幕から4試合は1勝1敗2分けとやや出遅れたが5節以降は4勝1敗1分けと好調。首位の清水との差は「4」まで縮まった。目立つのは何といっても札幌からレンタル移籍のベテランのDF福森晃になる。10試合で6アシスト。プレイスキッカーとして絶大な存在感を発揮しており、横浜FCの新しい大きな武器になっている。
「補強の目玉」だったFW森海渡が大怪我をして長期離脱したのは残念だったがすぐさまFW高橋利(浦和)の獲得に成功。移籍後初スタメンとなった8節の岡山戦(A)でいきなりゴールを奪うなど早くも大きな戦力になっている。前半だけで相手に2人も退場者が出た6節の鹿児島戦(A)で数字を稼いだ部分はあるが「ゴール期待値」は1.78でJ2で2位、「被・ゴール期待値」も0.88でJ2で2位。「+0.90」というのはJ2最高となる。
10試合で16得点/7失点なので「ほぼゴール期待値通りの数字(得点/失点)になっている。」と言える。次の11節がアウェイの長崎戦になる。長崎は3連勝中で2位まで浮上した。「2位の長崎 vs 4位の横浜FC」の対戦なので注目の上位対決になる。その差は「3」なので横浜FCが勝利した場合、上位争いはさらに混戦になる。破壊的な攻撃陣を持つ2位の長崎は勢いに乗り始めているので横浜FCは何としても止めたい。
大型補強に成功して「有力な昇格候補の1つ」と言われた千葉は4勝4敗2分け。やや出遅れた。4節からの4試合で0勝3敗1分けと苦しんだが8節の栃木SC戦(H)は8対0で大勝。浮上のきっかけをつかんだ。10試合で22得点というのは長崎と並んでJ2最多。不安を抱えている守備陣もここ5試合は2失点のみ。U-23日本代表候補のGK藤田和輝も力を出し始めている。千葉は2009年以来となるJ1復帰を目指すシーズンになる。
■ 16位からの巻き返しを図るベガルタ仙台 5位の仙台は昨シーズンは16位だったことを考えると「予想を大きく上回る順位」と言える。すでに触れたとおりで10試合でわずか6失点のみ。J2最少となる。ここまで4勝1敗5分けで勝ち点「17」。10試合でわずか10得点のみ。攻撃陣はまだ調子が出ていないがわずか1敗のみというのは高評価できる。森山監督はアグレッシブなサッカーを志向するタイプの監督なのでロースコアな試合が多いのは意外と言える。
仙台の「ゴール期待値」は1.15でJ2で16位。「被・ゴール期待値」は1.13でJ2で5位。10試合で10得点/6失点なので攻撃に関しては「ゴール期待値」どおり、守備に関しては「被・ゴール期待値」よりもかなり少ない失点数になっていると言える。左SHのMF相良が9試合で4ゴール2アシストと素晴らしい活躍を見せているがエース候補として期待を集めているFWエロンは8試合で0ゴール0アシスト。数字を残せていない。
2トップの一角で起用されて攻撃の中心になっているFW中島元も10試合で1ゴール1アシスト。数字は残せていない。2023年は10ゴールを挙げたMF郷家は主に右SHで起用されているが10試合で0ゴール2アシスト。開幕当初はベンチスタートも多かった。左SBの定位置を確保した大卒ルーキーのDF石尾陸、大卒2年目で大飛躍のシーズンになっているボランチのMF工藤蒼の2人に続く若手の台頭が期待される。
■ サプライズを起こしているのは・・・。 10節を終えた時点でサプライズを起こしているのは6位の山口、8位の秋田、9位の愛媛FCの3クラブになる。J3の得点王であるFW小松蓮の獲得に成功した秋田の開幕前の評価はまずまず高くて11位や12位あたりに予想する人が多かったが山口と愛媛FCはどちらも「降格候補」に挙げる人が多かったので大サプライズと言える。山口・甲府・秋田・愛媛FCの4クラブはいずれも4勝3敗3分け。勝ち点「15」となる。
FC大阪を躍進させた志垣監督を招聘した山口は10試合で13得点/7失点。6位とプレーオフ圏内に位置する。クラブが掲げている目標は「2026年頃の昇格圏進出」なので早急に結果が求められる状況ではないが5年連続で15位以下に沈んでいる山口にとっては「霜田体制だった2018年以来の上位争い」になる。2023年は42試合で67失点だったがここまで10試合で7失点のみ。堅い守備が大きな武器になっている。
守備的なポジションはGK関、DF平瀬大、DFキム・ボムヨン、DF前貴之、DF新保の5人が中心となる。21歳のDF新保はレンタルバックになるがそれ以外の選手は昨シーズンから山口に在籍している選手になる。メンバーはほとんど変わっていないにもかかわらず、失点数が大幅に減っている点は高評価できる。「被・ゴール期待値」は1.14でJ2で6位。「被・ゴール期待値」よりもかなり少ない失点数になっている。
■ 昇格1年目の愛媛FCは9位とまずまず 守備陣の頑張りが目立つ序盤戦になっているが攻撃陣もまずまず。「ゴール期待値」は1.55でJ2で4位となる。千葉→横浜FC→岡山に次ぐ数字なので攻撃陣も頑張っている。183cmのFW梅木翼がフォワードの軸になっており、新戦力のFW若月のスピードは大きな武器になっている。左SHで起用されているMF河野孝も新しいポジションで活躍中。右SHもMF吉岡やMF野寄を中心にいい競争が生まれている。
昇格1年目の愛媛FCも4勝3敗3分け。9位といいスタートを切った。愛媛FCの「ゴール期待値」は1.52。これはJ2で5位となる。2023年のJ3のMVPのFW松田力を中心にMF茂木駿、MF窪田稜、MF石浦、MF谷本などがJ2の舞台でも力を示している。近年のJ2は2022年の熊本に代表されるように「昇格1年目のクラブ」が躍進するケースは多い。J3からJ2に昇格してきたクラブがJ2で上位争いに参加するのは珍しくない。
秋田も4勝3敗3分けとなる。期待の大きいFW小松蓮に移籍後初ゴールが生まれていないのは気になるがMF佐藤大が9試合で4ゴールを挙げるなど秋田のエースストライカーになりつつある。ロングボールを多用する秋田のサッカーはここまで例年以上に対戦相手を困らせている。「ゴール期待値」は1.51でJ2で4位となるが「被・ゴール期待値」も1.03で3位。「+0.50」というのはJ2で4位。J2屈指の数字を残している。
※ 投稿日:2024年3月20日(水) (総再生数:5,116回) ※ ナレーションは「音声読み上げソフト」を使用しています。 ※ 一部、訛りがありますが気にせずにスルーしてください。 VIDEO 関連エントリー 2024/01/14 【J1:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:344名) 2024/01/09 【J2:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:187名) 2024/01/10 【J3:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:91名) 2024/02/09 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~1:山形、2:岡山、3:千葉、4:鹿児島、5:群馬~ 2024/02/10 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~6:栃木、7:清水、8:藤枝、9:山口、10:愛媛~ 2024/02/10 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~11:秋田、12:仙台、13:横浜FC、14:長崎、15:徳島~ 2024/02/11 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~16:水戸、17:いわき、18:大分、19:熊本、20:甲府~ 2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (前編) 2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (後編) 2024/04/18 全エントリーの一覧 (2018年-2023年)
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