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【ACL 決勝戦：アル・アイン×横浜F・マリノス】 GKポープ・ウィリアムが退場。悪夢の5失点。悲願のアジア制覇はならず・・・。 | | |　

■　ACLの決勝戦の2ndレグ

ACLの決勝戦の2ndレグ。ホームの日産スタジアムで行われた1stレグは2対1で逆転勝利した横浜F・マリノスは5月25日(土)にアジア初制覇をかけてUAEのアル・アインFCと対戦した。アル・アインを率いるのはアルゼンチン代表として活躍したストライカーのクレスポ監督。横浜FMを率いるのはオーストラリア代表ならびにリバプールで活躍したキューウェル監督なので両クラブの監督はともに元スター選手になる。

初の決勝進出を果たした横浜FMは日本勢としては浦和・G大阪・鹿島に次いで史上4クラブ目となるアジア制覇を目指す。言うまでもなく、横浜FMは日本屈指のビッグクラブなので是が非でもACLは獲りたいタイトルになる。準決勝は韓国の蔚山と対戦したがPK戦にもつれる死闘を制して決勝進出を果たした。対戦相手のアル・アインには韓国代表で187cmの大型ボランチのMFパク・ヨンウが在籍している。

アウェイの横浜FMは「4-1-2-3」。GKポープ・ウィリアム。DF松原健、上島、畠中、永戸。MF喜田拓、植中、渡辺皓。FWヤン・マテウス、アンデルソン・ロペス、エウベル。韓国人のMFナム・テヒは欠場。決勝の1stレグはMF植中が同点ゴール、MF渡辺皓が逆転ゴールを記録した。エースのFWアンデルソン・ロペスはJ1のリーグ戦はここまで12試合で6ゴール1アシスト。今シーズンも攻撃の中心として活躍している。

■　後半は数的不利。攻め込まれた。

1stレグはホームで勝利した横浜FMは「引き分けでもアジア制覇」だったが序盤から劣勢の展開になった。前半8分に見事なコンビネーションから相手のエースのFWラヒミに決められて失点。トータルスコアは2対2となった。FWラヒミはモロッコ代表になる。さらに前半33分にもPKを決められて2失点。これでトータルスコアは3対2。逆転を許したことで横浜FMは優勝するためには絶対にゴールが必要となった。

非常に悪い流れだったが前半40分に相手CBからボールを奪ったFWヤン・マテウスが左足でシュートを決めた。これでトータルスコアは3対3。全くイーブンになった。ゴールを奪って相手の勢いを削ぐことに成功したかに思えたが前半のアディショナルタイムにGKポープ・ウィリアムが決定機を阻止して一発レッド。退場になった。横浜FMは低調だったFWエウベルを下げてGK白坂を投入した。前半はそのまま終了した。

数的不利の後半は守る展開になった。何とか耐えていたが後半22分にFWラヒミにニアサイドをぶち抜かれて失点。またもビハインドの展開になった。後半46分と後半51分にも失点した横浜FMはアウェイで大量5失点。トータルスコアは3対6。大きな差が付いてしまった。横浜FMは「悲願のACL優勝」はならず。アル・アインは2002年-2003年以来なので約20年ぶりでクラブ史上2度目のアジア制覇を達成した。

■　ターニングポイントになったのは・・・。

怪我人が多く出る中、ACLとJ1を並行して戦う横浜FMにとっては残念な結果になった。横浜FMのようなJ1上位の常連でも「アジア制覇のチャンス」というのは滅多にやってこない。今回は千載一遇のチャンスだったがあと一歩のところで逃した。最後の最後に連続失点して2ndレグの最終スコアは1対5となったが(リーグ戦ではなくて)トーナメントなので負けているチームは失点覚悟でゴールを目指す必要がある。

この試合のターニングポイントになったのは前半のアディショナルタイムのGKポープ・ウィリアムのレッドカードだった。記録を確認すると前半55分。前半のアディショナルタイムの表示は「10」だったので長いアディショナルタイムになることは予め分かっていたが痛恨のレッドカードだった。11人対11人の時間帯もかなり劣勢の展開だったので数的不利になると相当に苦しくなる。後半は耐える時間がずっと続いた。

GKポープ・ウィリアムの退場のシーンはかなり微妙だったがVARで確認した末の判定なので受け入れるしかない。この日は著しく精彩を欠いたFWエウベルを下げてキーパーのGK白坂を投入したがトップレベルの経験の乏しいGK白坂にとっては極めて難しいシチュエーションだった。試合を決める4失点目は彼のミスがきっかけ。ボールを処理しようとしたが触ることが出来ず。スルーのような感じになってしまった。

■　何度もハイラインを突破される。

3失点目も「キーパーがセーブできないシュートではなかった。」と言える。ニアサイドをぶち破られてしまったがスピードのあるシュートだったにせよ、ニアサイドを打ち破られると印象は良くない。結果論になってしまうがベンチにはベテランのGK飯倉がいた。「経験豊富なGK飯倉に託した方が良かったのでは？」という気もする。スタジアムは異様な雰囲気だったがGK白坂は雰囲気に呑まれてしまった。

ここまでのACLで目立つ活躍を続けていたGKポープ・ウィリアムがレッドカードで退場となったのはとてつもなく大きなマイナスだったがアル・アインの選手のプレーの質は非常に高かった。横浜FMはいつも通りでハイラインを設定したがダイレクトで正確なパスが次々に出てくるので横浜FMの最終ラインは翻弄されてしまった。スピードのある選手がたくさんいる相手にハイラインのサッカーは危険すぎた。

試合後のキューウェル監督は審判の判定に対してかなり文句を言っていたが「力の差があったこと。」、「準備の部分でも差があったこと。」は素直に認めないといけない。中東の国や中東のクラブと日本代表やJリーグのクラブが試合をして敗れたときは、ほぼ毎回、「中東の笛にやられた！」と憤慨する人が出てくるがこの試合の敗因を笛のせいにするのは的外れと言える。「グッドルーザーではなかった。」と言える。

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