■ ルヴァン杯の3回戦ルヴァン杯の3回戦。J3の長野パルセイロはホームの長野UスタジアムでJ1のコンサドーレ札幌と対戦した。長野はルヴァン杯は初出場になるが1回戦はJ2の徳島に5対1で大勝。大きなインパクトを残した。続く2回戦はJ1の京都と対戦したが0対2から3ゴールを奪って逆転で勝利した。J3のリーグ戦はここまで5勝4敗5分けで勝ち点「20」。9位に位置する。J1の札幌は2回戦はJ3の沼津と対戦したが3対1で勝利した。
ホームの長野は「3-4-2-1」。GKキム・ミノ。DF池ヶ谷、大野佑、杉井。MF西村恭、古賀俊、黒石、田中康、小西陽、忽那。FW浮田。14節の金沢戦(H)から中3日になるが9名が連続スタメン。メンバーはあまり変わらなかった。MF三田尚とMF山中麗が外れてMF小西陽とMF忽那がスタメンで起用された。エースのFW浮田は14試合で8ゴール。J3の得点王争いに絡んでいる。7節の沼津戦(H)ではハットトリックを達成した。
アウェイの札幌は「3-4-2-1」。GK中野。DF高尾、家泉、岡田大。MF田中克、中村桐、田中宏、長谷川竜也、小林祐、木戸柊。FW大森真。J1では2勝8敗5分けで勝ち点「11」。19位と低迷しているが15節の柏戦(A)から中2日ということもあってスタメンは総入れ替えとなった。DF家泉、MF田中克、MF田中宏、DF高尾などリーグ戦で出番に恵まれない選手が中心となった。9名までベンチ入りできるが札幌は6名のみ。
■ 「J3の長野 vs J1の札幌」「J3の長野 vs J1の札幌」の試合はカテゴリーが下となる長野が主導権を握る展開になった。シャドーの一角で起用された高卒5年目のMF小西陽が躍動。アグレッシブなプレーを見せて攻撃をリードした。前半18分に右WBのMF黒石がクロスを入れるとこぼれ球を拾ったMF小西陽のミドルシュートが決まってホームの長野が先制に成功する。2001年生まれのMF小西陽は長野U-18となる。前半は1対0で折り返した。
迎えた後半開始から札幌はMF小林祐とDF岡田大を下げてともに高卒ルーキーのMF原康介とMF出間を投入。テコ入れを図ったが後半も長野がチャンスを作った。MF古賀俊やFW浮田が決定機を迎えた。札幌は苦しい流れだったがGK中野の活躍もあって追加点のゴールは許さず。すると後半51分にMF田中克が左足でシュートを放つとゴール前にいたDF家泉の体に当たってゴールイン。土壇場で同点に追いついた。
試合は15分ハーフの延長戦に突入する。延長戦に入ると札幌がペースを握ったがゴールを奪うことは出来ず。120分の戦いは1対1で終了してPK戦に突入する。PK戦は最初の3人はいずれも成功したが後攻の長野の4人目のキッカーのDF砂森のキックは右ポストに直撃した。5人全員がPKを成功させた札幌が苦しみながらもネクストステージに進出した。快進撃を見せた長野はあと少しのところで金星獲得を逃した。
■ 後半の半ばまでは札幌を攻守に圧倒快進撃を続けていた長野は惜しくも敗退。3回戦で姿を消すことになった。1対0とリードをしたままで後半のアディショナルタイムに投入。勝利まであと少しに迫ったが追いつかれてしまった。MF田中克のミドルシュートがゴール前にいたDF家泉の体に当たってコースが変わってゴールイン。長野にとってはかなりアンラッキーな失点だった。勝てるチャンスは十分にあったので長野にとっては惜しい試合だった。
結果は残念だったがJ1の常連になっている札幌を相手にいい戦いを見せた。先のとおり、長野はリーグ戦で主力を担っている選手がそのままスタメンで起用されたが札幌は完全なターンオーバーを採用した。札幌は中2日で、長野は中3日。その部分でのアドバンテージもあったが札幌の控えメンバーを相手に後半の途中までは長野のイレブンが攻守に躍動。試合を決める2点目を取れるチャンスはたくさんあった。
札幌は13本のシュートを放ったが長野のシュートはそれを上回る17本のシュートを放った。「たくさんあった決定機を生かせずに追加点のゴールを奪えなかったこと」も敗退の要因と言えるがMF小西陽を中心にいい形をたくさん作った。前からのプレスがハマってカウンターからチャンスを作る場面は多かった。J1のクラブを相手にある程度以上のレベルでやりたいサッカーが通用したことは大きな自信になるだろう。
MF小西陽のドリブルが有効だったが右WBのMF黒石、左WBのMF田中康も攻撃面で大きな存在感を発揮した。ルヴァン杯にJ2やJ3のクラブが参加できるようになったのは今シーズンからなので改善ポイントなどはたくさんあるがJ2やJ3の選手にとっては自身の評価や価値を高める絶好のチャンスである。J1のクラブを相手に良さを出すことが出来るようだとサッカー選手としてキャリアアップすることも可能になる。
■ レフティのMF田中克幸が存在感を発揮サブ組主体のスタメンだった札幌は非常に苦しい戦いになったが何とかPK戦を制してGIANT KILLINGは免れた。0対1のままで後半のアディショナルタイムに突入したが終了間際の後半51分に大卒ルーキーのMF田中克のミドルシュートから同点ゴールが生まれた。その直前の後半44分にもMF田中克は得意の左足でミドルシュートを放ったが惜しくもポストに直撃した。彼の左足は相手にとっては脅威になった。
即戦力になることが期待されたMF田中克だったがJ1では6試合の出場のみ。すべて途中出場で74分のプレー時間にとどまっている。ほとんど出番を得られていないが類まれなサッカーセンスを持っている。帝京長岡高の頃から大きな注目を集めるスター選手だったが同校出身らしいトリッキーなプレーが出来る。攻撃にアクセントを加えることが出来る選手なのでこれから出番は徐々に増えていくと思われる。
殊勲の同点ゴールを決めたDF家泉もJ1では6試合のみ。スタメンは3回だけ。いわきFCのときに見せた輝きを放てていない。新天地の札幌で苦労しているがサイズがあって身体的な能力も高い選手なので札幌のサッカーならびにJ1のレベルに慣れたら大きな戦力になると思われる。ゴールシーンはかなりラッキーだったが残り時間がわずかになる中、ゴール前に上がってチームを救うゴールを生み出した。
怪我人も多く出ているので札幌は新戦力の出現が期待されるがこの日は高卒ルーキーのMF原康介とMF出間が後半の頭から途中出場。札幌U-18所属で高校3年生のDF坂本勘とMF川崎幹も途中出場。DF坂本勘とMF川崎幹はどちらも年代別の日本代表に選ばれた経験を持っているのでクラブ期待の星と言える。左利きのストライカーのMF出間は18歳。「いずま・しど」という個性的な名前でも注目を集めるだろう。
投票 ・
【J1編】 「2024年に面白いサッカーをしている。」と思うクラブはどこですか? → 39票
・
【J2編】 「2024年に面白いサッカーをしている。」と思うクラブはどこですか? → 17票
・
【J3編】 「2024年に面白いサッカーをしている。」と思うクラブはどこですか? → 24票
★ 現在の投票数 → 64票
→ 最大で10クラブまで投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー 2024/01/14 【J1:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:365名)
2024/01/09 【J2:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:174名)
2024/01/10 【J3:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:87名)
2024/02/09 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~1:東京V、2:FC東京、3:浦和、4:町田、5:G大阪~
2024/02/12 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~6:磐田、7:神戸、8:京都、9:広島、10:C大阪~
2024/02/12 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~11:新潟、12:鳥栖、13:川崎F、14:名古屋、15:福岡~
2024/02/17 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~16:横浜FM、17:札幌、18:湘南、19:鹿島、20:柏~
2024/04/20 【J2編】 「2024年の序盤にブレイク中の若手プレーヤー」をピックアップしてみた。 (11位-20位)
2024/04/21 【J2編】 「2024年の序盤にブレイク中の若手プレーヤー」をピックアップしてみた。 (1位-10位)
2024/05/22 全エントリーの一覧 (2018年-2024年)
- 関連記事
-