レノファ山口→ 2023年にFC大阪を率いて昇格1年目ながらJ3で旋風を巻き起こした志垣監督を招聘した山口は新しいスタートを切った。2015年のJ3で爆発的な攻撃力を発揮してJ3優勝を果たした上野監督の頃から山口は基本的にはずっと「アタッキング・フットボール」を志向してきたが守備を重視する志垣監督が就任して様変わりした。17節を終えた時点で8勝5敗4分けで勝ち点「28」。6位とプレーオフ圏内に位置する。
2023年は42試合で37得点/67失点だった。1試合平均の失点数は「1.60」。J2の22クラブの中で下から5番目だった。2016年のJ2初年度から、ほぼ毎年、失点数の多いクラブだったが17節を終えた時点でわずか13失点のみ。これはJ2では10失点の横浜FCに次いで2位タイ。1試合平均の失点数は「0.76」となる。昨シーズンと比べて半分以下の数字になっており、課題だった守備面は劇的に改善されたと言える。
「志垣体制になると得点力がDOWNするのではないか?」という心配はあったが1試合平均の得点数は2023年が0.88、今シーズンはここまで1.29。得点力も上がっている。総得点はJ2で上から8番目。もちろん、プレーオフ出場を狙うクラブにしては総得点はやや少ないがここまでサプライズを起こしている。開幕前の評価は非常に低くて多くの人が山口を下位候補に挙げたが下馬評を覆す快進撃を見せている。
3位の横浜FCとの勝ち点差は「3」のみ。自動昇格圏となる2位の長崎との差も「8」のみ。「初のJ1昇格」は夢ではない。J2では霜田体制だった2018年に8位と躍進したがそれ以外のシーズンはいずれも2桁順位。2019年以降は5年連続で15位以下。J2下位が指定席になっていたが大きく変わった。心配性な山口のサポーターは18位のクラブとの差を常にチェックしていると思うが18位の鹿児島との差は「14」と広がった。