■ J3の第9節J3の第9節。4試合未勝利の松本山雅と開幕から9試合未勝利のカマタマーレ讃岐がサンプロ・アルウィンで激突した。J3の9節の他の9試合は全てミッドウイークの4月10日(水)に行われたがこのカードのみ、4月20日(土)の開催となった。ともに苦しいシーズンになっているので浮上のきっかけをつかみたい試合になる。松本山雅は2勝3敗4分けで13位、讃岐は0勝3敗6分けで19位。讃岐は降格圏に位置する。
ホームの松本山雅は「4-2-3-1」。GK大内。DF馬渡、野々村、橋内、樋口大。MF山本康、米原秀、滝、菊井悠、村越。FW安藤翼。3月末にJ2の長崎から加入したFWジョップ・セリンサリウはベンチスタート。8節の金沢戦(A)で1対6と大敗した後、両CBが変更。DF野々村とDF橋内のコンビになった。187cmのDF常田は2試合連続でベンチスタート、ベテランで新戦力のDF高橋祥は2試合連続でベンチ外となった。
アウェイの讃岐は「4-2-3-1」。GK今村。DF内田瑞、長谷川隼、宗近、深港。MF川西、前川、下川太、吉田陣、吉田源。FW大野耀。10節の北九州戦(A)でCKから同点ゴールを決めたMF江口はベンチ外。MF前川がボランチに下がって新潟からレンタル移籍のMF吉田陣がトップ下の位置で移籍後初スタメンとなった。ここまでの9試合はすべてベンチ外。ルヴァン杯もベンチ外だったので讃岐での初出場となる。
■ オウンゴールで勝ち越しに成功試合は前半8分に讃岐が左サイドでFKを獲得するとMF前川が蹴った鋭いボールに反応したMF川西が上手く合わせたがGK大内が好セーブを見せた。やや劣勢の立ち上がりになった松本山雅は前半16分にDF馬渡が右足で惜しいミドルシュートを放った。前半35分には讃岐がCKを獲得するとゴール前にいたMF川西がバックヘッドで合わせたが枠を捉えることは出来ず。MF川西は2つの決定機を生かせなかった。
0対0で迎えた後半8分に松本山雅が分厚い攻撃を見せると右SBのDF馬渡が右足でクロス。ファーサイドで待っていたDF樋口大が頭で折り返したボールをMF菊井悠が頭で合わせて松本山雅が先制に成功する。MF菊井悠はようやくの今シーズン初ゴールとなった。先制された讃岐だったが後半24分にMF吉田陣のパスを受けたMF前川が左足で決めて1対1の同点に追いついた。MF前川は移籍後初ゴールとなった。
追いつかれた松本山雅だったが後半36分に途中出場したボランチのMF安永が左サイドの裏を取って折り返し。ドリブルが大きくなってゴールラインを割ったように見えたがプレーはそのまま続行。速いクロスを讃岐のCBのDF宗近が処理できずにオウンゴール。ややラッキーな形で松本山雅が勝ち越しゴールを奪った。2対1で勝利した松本山雅は今シーズン3勝目。讃岐は開幕から10試合未勝利と苦しんでいる。
■ 「MF安永玲央の1ミリ」大型補強に成功して「昇格候補の1つ」に挙げられながら試合前の時点で13位と中位に甘んじていた松本山雅は危機的な状況と言える。開幕から未勝利が続く19位の讃岐を相手にホームで勝てなかったらさらに強い逆風が吹いたと思うが何とか2対1で競り勝った。後半36分にオウンゴールで勝ち越し。5節の岩手戦(H)以来の勝利となったが苦しみながらもつかんだ勝利で流れが変わることが期待される。
2点目は「疑惑付きのゴール」になった。カドを取ったMF安永のドリブルは良かったがボールタッチが乱れてゴールラインを割ったように見えた。ゴールが認められた後、讃岐の選手は猛抗議をしたがその1人のDF長谷川隼にはイエローカードが提示された。リプレーを見る限りではゴールラインを大きく超えているように見えたので讃岐の選手やスタッフやサポーターが猛抗議するのは理解できる。かなり不運だった。
ただ、カタールW杯のスペイン戦の「三苫の1ミリ」のようなパターンもあるので「絶対にゴールラインを割っていた。」とは言い切れないところもある。割ったか?割っていないのか?はテクノロジーがあればほぼ解決する話になるがお金の問題があるのでJリーグで完全に導入するのは難しい。副審がどこまでの確証を持ってジャッジできたのか?は分からないが遠い位置での攻防だったので難しいシーンだった。
松本山雅は大黒柱のMF菊井悠に初ゴールが生まれたのは良かった。今シーズンはキャプテンを任されているが年齢的にもキャリア的にもチームを引っ張っていかないといけない立場の選手である。チームとしても個人としても結果が出ない状況に対して大いに悩んでいたと思うので初ゴールを挙げて気持ちはかなり楽になると思われる。MF村越のサイドへの展開、DF馬渡のクロス、DF樋口大の折り返しも良かった。
■ 開幕から10試合未勝利讃岐はこれで開幕から10試合未勝利となった。0勝4敗6分けなので引き分けは多くて勝ち点「6」を獲得しているがJ3の開幕から2か月ほどが経過する中、ずっと未勝利が続くというのはキツイ。内容が悪いわけではないが勝利は遠い。この日も後半24分にMF前川のゴールで1対1の同点に追いついた後、逆転できるチャンスはあった。後半34分に訪れたMF前川の決定機が決まらなかったのは残念だった。
先のとおり、2失点目はかなりアンラッキーだった。副審がしっかりとこの場面を見ることが出来ていたら(Jリーグの基準で考えると)「高確率でゴールキックからの再開だった。」と言える。松本山雅もここ最近は運に見放されているが讃岐はそれ以上に運に見放されている。DF宗近のクリアが自陣のゴール方向に飛んで行ったがMF安永の折り返しはスピードのあるクロスだったので処理するのは極めて難しかった。
「開幕から10試合未勝利」となると次節までに米山監督の交代がアナウンスされても全くおかしくない。JFL降格の危機を迎えているがボランチで起用されたMF前川は躍動した。移籍先の讃岐では2トップの一角や右サイドハーフでも起用されており、ここまでは10試合中、9試合で先発起用されている。中心になっているがたくさんボールに触りたいタイプの選手なので「現状ではボランチがベター」に思える。
新潟からレンタル移籍のMF吉田陣は高卒3年目。ここまでベンチ入りの機会もなかったのでようやくの移籍後初出場となったが後半24分のMF前川の同点ゴールをアシストした。丁寧なパスを出すことが出来た。トップ下で起用されたので「アシスト」という形で結果が出たのは良かったがアシストの場面以外ではあまり攻撃に絡めなかった。彼もたくさんボールに触ってリズムをつかみたいタイプの選手になる。
※ 投稿日:2024年2月14日(水) : 総再生数:10,783回
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