■ J2の第9節 J2の第9節。1勝5敗2分けで19位と降格圏に位置するザスパ群馬はホームの正田醤油スタジアム群馬で1勝4敗3分けの水戸ホーリーホックと対戦した。水戸も18位と苦しんでいる。8節を終えた時点でどちらも1勝のみ。苦しいシーズンになっている。群馬は開幕から6試合未勝利だったが7節の徳島戦(A)でようやくの今シーズン初勝利を手にした。対する水戸はいわきFCとの開幕戦(=1節)で勝利した後、7試合未勝利となる。
ホームの「3-4-2-1」。GK石井僚。DF大畑隆、城和、中塩。MF高橋勇、風間宏希、田頭、川上エドオジョン智慧、佐藤亮、和田昌。FW平松宗。群馬は8試合で5得点のみ。極度の得点力不足に苦しんでいるがMF高澤が2ゴール、FW佐川とMF川上エドオジョン智慧が1ゴールを挙げている。キーパーは4試合連続でGK櫛引がベンチ外。6節からGK石井僚が起用されている。MF天笠はベンチスタートになった。
対するアウェイの水戸は「4-2-3-1」。GK春名。DF村田航、牛澤、山田奈、大崎航。MF長尾、長井一、黒川、落合陸、新井晴。FW寺沼。3月27日(水)に電撃復帰したMF黒川が移籍後初スタメン。過去2試合はいずれも途中出場だった。2018年と2019年に水戸でプレーしているが2018年は28試合で3ゴール3アシスト、2019年は39試合で7ゴール4アシスト。若い頃に大宮から水戸でレンタル移籍して大きく成長した。
■ 北関東ダービーはスコアレスドロー 「19位の群馬 vs 18位の水戸」の北関東ダービーは静かな展開になった。水戸も8試合で4ゴールのみ。得点力不足に苦しんでいる。「攻撃力はどちらもJ2で最低クラス」なのでロースコアの試合になることは十分に予想できたがお互いにチャンス(見せ場)の少ない試合になった。水戸は新加入のMF黒川に期待が集まったがなかなか良さを出せない。前半途中にMF黒川とMF落合陸のポジションが入れ替わった。
右SHだったMF黒川がトップ下に移動してトップ下だったMF落合陸は右SHに回ることになった。FW寺沼の高さと強さ、左SHのMF新井晴のスピードを生かした突破からチャンスを作りたかったがゴール前のシーンはあまり作れず。前半は0対0で終了した。後半11分に水戸はMF落合陸を下げてサイドアタッカーのMF甲田を投入。群馬も後半13分にMF和田昌とFW平松宗を下げてFW佐川とMF高澤を投入。テコ入れを図った。
後半はどちらかというと水戸ペースだった。それなりにシュートシーンを作ったがゴールは遠かった。一方の群馬はシュートチャンスすらあまり作れなかった。後半39分に水戸の左SBのDF大崎航に決定機が訪れたが左足で放ったシュートは相手にブロックされてしまう。試合はスコアレスドローに終わった。群馬は1勝5敗3分け、水戸は1勝4敗4分け。栃木SCを含めた北関東のクラブはJ2で苦戦を強いられている。
■ 9試合でわずか4得点のみ。 どちらも出遅れたのでダービーを浮上のきっかけにしたかったが痛み分けのドローだった。「両チームの守備が堅かった。」というよりは「どちらも攻撃の部分に大きな問題を抱えており、なかなかいい形を作れなかった。」と言える。群馬も水戸も9節を終えた時点でわずか1勝のみと苦労しているが水戸は9試合で4得点、群馬も9試合で5得点のみ。どちらも見せ場の少ない試合が続いているのは宜しくない。
水戸はこれで8試合未勝利となった。ルヴァン杯の1回戦もカテゴリーが下となるJ3のY.S.C.C.横浜に敗れていることを考えると「いつ監督交代が行われても何ら不思議はない状況になっている。」と言える。9節を終えた時点での「ゴール期待値」は1.17なので壊滅的に低い数字というわけではないが「1試合平均の枠内シュート数」がJ2最少の2.3本。「1試合平均のシュート数」も11.4本。J2で17位と下位に位置する。
シンプルに「得点力の高い選手をたくさん起用しないとゴールは奪えない。」と言える。複数ゴールを奪った試合はゼロ。ここ5試合でわずか1ゴールとなるが直近の5試合でゴールを決めたのはボランチのMF長井一のみ。MF落合陸、MF甲田、MF新井晴などが2列目で起用されているが3人ともJリーグの試合でゴールを決めた経験はない。FW安藤瑞やFW寺沼など1トップでプレーする選手にかかる負担は大きい。
一方の守備陣は9試合でわずか7失点のみ。こちらは評価できる。5節から19歳のGK春名が正キーパーとして起用されているが5試合でわずか2失点のみ。なかなか勝利につながらないがビルドアップの部分での貢献度も高い。「ボール保持率」は49.7%。J2で11位なので真ん中程度になるがGK春名は高いフォード力を持っているのでうまく活用したい。左SBのDF大崎航、CBのDF牛澤も組み立てのできる選手である。
■ 9試合でわずか5得点のみ。 群馬も9節を終えた時点で複数ゴールを奪った試合がゼロ。得点力不足に苦しんでいる。ただ、群馬の「ゴール期待値」はわずか0.73なので9試合で5得点というのも全く不思議ではない。「1試合平均のシュート数」は8.2本でJ2ワースト。「1試合平均のペナルティエリア進入回数」も6.9回でJ2でワースト2位。得点力不足であり、攻撃力不足とも言える。今シーズンの群馬はそもそもとしてチャンスの数が非常に少ない。
11位と躍進した昨シーズンも秋以降はあまり点が取れなかった。「昨シーズンから持ち越しされた問題」ということもできる。オフにJ3のクラブなどで活躍していた即戦力クラスをたくさん獲得したが新戦力で一定以上の出番を得ているのはCB兼SBのDF大畑隆、出戻りのFW高澤、東京Vからレンタル移籍のFW佐川、大卒1年目のMF田頭の4人くらい。MF永長、MF和田昌、MF藤村怜などは力を出し切れていない。
昨シーズンの群馬のように完成度の高いサッカーで躍進したクラブにはありがちな話ではあるが「新戦力が馴染むまでに少し時間がかかっている。」と言える。大槻監督は「群馬での実績のある選手」を優先して起用しているがわずか1勝のみとなると大槻監督の立場も安泰ではない。早く2勝目を手にして落ち着きたいが「相手に研究をされて群馬の良さが出にくい試合展開になるケースが多くなっている。」と言える。
シンプルにロングボールを用いる場面は増えてきたがMF佐藤亮、MF永長、MF山中惇、MF杉本竜など打開力のある選手は沢山いる。FW平松宗、FW高澤、FW佐川などのフォワード陣には高さや強さもあるので彼らの良さを上手く引き出したい。攻撃陣は「個の力を持った選手」が少なくないのでシンプルな攻撃でもそれなりにチャンスは作れるはず。当面は割り切ってシンプルなサッカーをするのも1つの方法と言える。
※ 投稿日:2024年3月20日(水) (総再生数:5,116回) ※ ナレーションは「音声読み上げソフト」を使用しています。 ※ 一部、訛りがありますが気にせずにスルーしてください。 VIDEO 関連エントリー 2024/01/14 【J1:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:344名) 2024/01/09 【J2:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:187名) 2024/01/10 【J3:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:91名) 2024/02/09 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~1:山形、2:岡山、3:千葉、4:鹿児島、5:群馬~ 2024/02/10 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~6:栃木、7:清水、8:藤枝、9:山口、10:愛媛~ 2024/02/10 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~11:秋田、12:仙台、13:横浜FC、14:長崎、15:徳島~ 2024/02/11 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~16:水戸、17:いわき、18:大分、19:熊本、20:甲府~ 2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (前編) 2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (後編) 2024/04/08 全エントリーの一覧 (2018年-2023年)
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