■ U-23アジア杯の4試合目U-23アジア杯は決勝Tに突入した。2連勝で早々にGL突破を確定させたものの、GLの3戦目で韓国に0対1で敗れて首位通過を逃した日本代表は準々決勝で開催国のカタールと対戦した。カタールは2勝1分けでA組を首位で突破した。オーストラリアもA組だったが0勝1敗2分けでGL敗退。2勝1敗のインドネシアが2位通過を果たした。準々決勝は日本 vs カタール、韓国 vs インドネシアという顔合わせになった。
日本は「4-1-4-1」。GK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)。DF関根大(柏)、DF高井幸(川崎F)、DF木村誠(鳥栖)、DF大畑歩(浦和)。MF藤田譲瑠チマ(シントトロイデン)、MF山本理(シントトロイデン)、MF松木玖(FC東京)、MF山田楓(東京V)、MF佐藤恵(ブレーメン)。FW細谷(柏)。GLの3戦目の韓国戦はターンオーバーを採用したが元のメンバーに戻した。GLは3試合でわずか3得点のみ。得点力不足に苦しんでいる。
ベンチスタートになったのはGK野澤大志ブランドン(FC東京)、GK山田大(鹿島)、DF半田(G大阪)、DF鈴木海(磐田)、DF内野貴(デュッセルドルフ)、MF川崎颯(京都)、MF田中聡(湘南)、MF荒木遼(FC東京)、MF平河悠(町田)、FW藤尾(町田)、FW内野航(筑波大)の11名。初戦の中国戦でレッドカードを受けたDF西尾(C大阪)は出場停止中。メンバーを入れ替えて戦ってきたがGK山田大のみ、出場機会を得られていない。
■ 「勝てばパリ行きに王手がかかる試合」「勝てばパリ行きに王手がかかる。」という「do or dieの試合」は激闘になった。開始早々の前半2分に相手の中途半端なプレーからボールを奪ったレフティのMF山田楓が得意の左足で強烈なシュートを決めて幸先よく日本が先制に成功する。主導権を握ったかに思えたが、前半24分にクロスから強烈なヘディングシュートを決められて失点。この場面は相手のクロスの質が高くてヘディングシュートも見事だった。
前半41分にアクシデントが発生。相手キーパーがエリアを飛び出してヘディングでクリアをした場面でFW細谷に暴力行為。一発レッドとなった。1対1で迎えた後半開始から日本はMF松木玖を下げてストライカーのFW藤尾を投入。2トップに変更したが後半4分にFKからヘディングシュートを決められて失点。数的不利のカタールが逆転に成功する。日本はゾーンで守っていたがFW藤尾のところでクリアしきれなかった。
追いかける展開になった日本だったが後半22分にMF山本理のCKからCBのDF木村誠がヘディングシュートを決めて2対2の同点に追いついた。試合は15分ハーフの延長戦に突入する。延長戦の前半11分に途中出場したMF荒木遼のパスからFW細谷が決めて3対2と逆転に成功すると延長戦の後半8分には途中出場したFW内野航太郎が決めて4点目。4対2で鮮やかな逆転勝利の日本はベスト4進出を果たした。
■ 開催国のカタールを延長戦の末に撃破日本は苦しみながらも開催国のカタールを延長戦の末に撃破して準決勝進出を果たした。パリ行きが懸かった準決勝の相手はイラク or ベトナム。敗れた場合は3位決定戦に回ることになるがここで対戦する可能性があるのはインドネシアとウズベキスタンとサウジアラビアの3つになる。日本戦の後に行われたインドネシア vs 韓国の試合で韓国がPK戦の末に敗れたことは「日本にとっては追い風」と言える。
いきなり先制ゴールを奪ったがその後も日本ペースだった。危ないシーンはほぼなかったので当然の同点ゴールはショッキングだった。嫌な雰囲気になったが前半41分のレッドカードが試合の流れを決めた。後半4分に逆転ゴールを許したが数的不利の時間帯があれだけ長く続くとカタールは大変である。VARが導入されている今大会は暴力行為によるレッドカードが目立つが相手のキーパーは極めて不用意だった。
2対2のスコアで延長戦に突入したが、数的優位の中、延長戦に突入するのは悪くはない。もちろん、90分以内で決着をつけることが出来れば最高だったが相手のカタールの疲労具合を考えると延長戦になると数的優位の日本が圧倒的に攻め込む展開になるのは必然。ここまでJ1のリーグ戦でも無得点が続いていたエースのFW細谷にようやくの初ゴールが生まれた。途中出場したMF荒木遼のラストパスも見事だった。
ずっと無得点が続いていたのでFW細谷はかなりのプレッシャーを感じていたと思うが勝負所でこれ以上ないほど大事で、かつ、重要なゴールを奪った。CFはFW藤尾ならびにFW内野航太郎が控えているので「早い段階でFW細谷を下げる。」という選択肢もあったとは思うが大岩監督はエースを信頼して使い続けた。信じてピッチに残した選手が結果を出したので「大岩監督の采配(選手起用)も良かった。」と言える。
■ アジア制覇まであと2つ日本にとって幸いだったのはスタジアムの盛り上がりがそこまでではなかった点。会場のジャシム・ビン・ハマド・スタジアムの収容人数は約15,000人になるが公式の入場者数は9,573人。約2/3の入りだった。空席も目立った。現地に住んでいる人を中心に日本人のサポーターも多くてアウェイ感はほとんど感じなかった。カタールの同点ゴールや逆転ゴールが決まった後もそこまでの盛り上がりではなかった。
1点を追う中、後半22分にCKから同点に追いつくことが出来たのは良かった。GLの2試合目のUAE戦でも先制ゴールを決めているDF木村誠が起死回生の同点ゴールを奪ったが素晴らしいヘディングシュートだった。今大会の日本はMF山田楓やMF山本理といった精度の高い左足を持ったキッカーを擁していることもあってセットプレーは武器になっている。DF関根大、DF木村誠、DF高井幸と高さのある選手も多い。
次の準決勝の相手はイラク or ベトナムになる。普通に考えると「ベトナムの方が戦いやすい相手」になるが準々決勝でインドネシアが韓国を下したことからも分かる通り、アジア全体のレベルは上がってきた。どちらにしても油断はできない。GLの初戦の中国戦で退場になったDF西尾は3試合の出場停止処分だったので準決勝からは出場可能になる。23人全員で戦えるのは大きい。アジア制覇まであと2つに迫った。
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